扉を入った店内は、既に満席、
入り口のベンチでしばし待ち、程なく通された店内は、
温かみ溢れる木々に囲まれたセンスのいい空間。

ところどころに配されたセンスのいい飾りに、
テーブルは天然ムク材、足元は床暖、
女将さんの暖かな応対がとても嬉しい 。



すぐに出された蕎麦茶が美味しく、



品書きを開くと、
「蕎麦は、自家製紛手打ちそば」、



「ニ八そば」に「手打ちうどん」、



さらに「生粉打ちそば」に、
もり汁、胡麻汁、田舎汁、鴨汁が選べるよう。



壁には、「本日の生粉打ち」の産地が張られ…、

彼は、「胡麻汁」で「ニ八そば」の大盛り、
私は、「創業以来変わらぬ味」との、
「田舎汁」で「生粉打ち」を。



天付の注文が多くしばし待ち、ようやく届いた、
「生粉打ちそば」に、たっぷりの「田舎汁」。



笊にふわりと盛られた蕎麦は、
ピシっと角が立つ、瑞々しく輝く端正な細切り 。



手繰るとほのかに甘皮が透け、
きりっと〆ったコシにしっかりと感じる穀物感、
繊細な蕎麦は喉越しよく、ふっと香りが鼻に抜ける。
ああ、いい蕎麦だ… 。



この蕎麦に「田舎汁」は、
油炒めした茄子にきのこなどの滋味が染み、
優しく柔らかくほっとする味わい。
温まった蕎麦は甘みが膨らみ、ん～美味しい 。



具もたっぷり、とろとろと蕩ける茄子に、
しっとりとした油揚げ、しめじに大根と、
それぞれと手繰るのも楽しい。



一方、彼の「胡麻汁」には、胡瓜の薄切りが添えられ、



「大盛り」は笊にこんもり、
「生粉打ち」に比べてよりやや白めで艶やか。



心地のいいコシに、つるりとした滑らかな舌触り、
もちもちとして、ふわっと甘みが広がり
軽やかで食べやすく、これも美味しい 。



しかも、この「胡麻汁」が実に旨い 。
さらさらとして、さっぱりとした甘みに、
出汁に胡麻のコクが抜群に蕎麦に合う。



私も大盛にすれば良かったと思う程、ぺろり、
ほのかに濁った蕎麦湯をゆっくりと頂いて…



少々待たされはしたけれど、
美味しい蕎麦に、女将さんの心のこもった応対に、
満足なお昼のひと時に。

ご馳走様でした〜

創業38年というのも素晴らしい。
「ありがとうございましたっ」
厨房からのご主人の声も嬉しく、
「あお」さんは残念だけど、素敵なご夫婦のお店、
ここに来れて良かったなあ 。

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