すっかりお腹がすいてしまい途方に暮れたが・・・、
そかっ、ここからだったら5分だ
と、以前から気になっていたお店へ寄ってみようと、「豊田駅」へ向かう。
豊田駅北口を出てすぐの交差点。アーケードの始まるすぐ手前の角に、町蕎麦屋の風情を感じながらも心惹かれる佇まい。
豊田 「そば処 訶訶庵 -かかあん- 」
大通りに面し、しっとりと紺地の暖簾を下ろした江戸情緒感じる店構えに、この屋号が又、ちょっと心に残っていて・・・
すでに2時を回った、週末の昼下がり。
もうお客さんもいなかったらどうしようかな・・・と、思いつつ入った店内は、まだまだ和やかに賑わいを見せている。
奥の小上がりの一角では、団体さんが小さな宴会のようで、楽しんでいる様子。
ほっとし店内に踏み入れると、すぐににこやかな笑顔のおじさんが、「いらっしゃ~い」と、迎えて下さる。
壁に面してのテーブル席が3つ、真ん中にも3つ、そして小上りの席がたっぷりとられた店内。その奥にある打ち場を見ながら、空いていた壁際の4人がけのテーブル席に、贅沢にも一人で座らせて頂くことに。
すぐに、「お茶どうぞ~」と、おしぼりと一緒に品書きが出され、開いてみると・・・
蕎麦は、せいろに田舎、それにダッタン蕎麦。
町蕎麦屋ならでは、冷たい蕎麦、温かい蕎麦のメニューが豊富に揃い、さらに丼ものも揃ってる。
ふむふむ・・・と、ページをめくったお料理のメニューに、目が釘付け
あまりにも手ごろな値段で、豊富に揃うお品書き。
これはちょっと、ゆっくりさせて頂こうと、吟味するが、あれもこれもどれもが魅力的で迷ってしまう。
・・・と、次のページにはこれもうれしい、「ちょっと一杯セット」なるものまで
鮪の山かけか角煮、煮物、寄せ物か焼き味噌、天ぷらかつみれ揚げに、お酒かビール、それにせいろがつく内容らしい。
初めてのお店だし、せっかくのセット、とこれをお願いしてみることに。
選べる飲み物は、やや喉の渇きを感じ、敏ビールを選んでお願いする。
まずは、快く「は~い、ビールです」と出して下さったのは、うれしい恵比寿。
お通しにと、「高野豆腐の煮物に釜揚げ桜海老」が盛られたものが添えられて。
さりげない一品ではあるけど、なんだか美味しいな~と、つついていると、程なく
「天ぷらは後から来ますね」
と言葉を添えられて、セットのお料理がお盆に盛られて置かれる。
ん~、これはビールじゃなくて、お酒にすればよかったかしら
小鉢の一つは、「煮物」。
さくっとした衣のがんもに、とろんとした茄子、鶏肉などがさらりと炊かれた一品。
角煮ではなく、選んだ「鮪の山かけ」も、きちんとしたもの。
質のいい赤身の鮪に、なめらかな山芋がとろりと掛けられ、これは美味しい。
表面をカリっと焼かれた「焼き味噌」。
中に葱、蕎麦の実などが贅沢に盛り込まれた、香ばしくて味がいい。
そして、ちょっと遅れて出された「天ぷら4種盛り」。
肝のオツな味わいがたまらない稚鮎に、ナス、人参、舞茸、苦瓜、南瓜と、思ったよりずっと豪華な盛り合わせ。
やや、家庭的な天ぷらだけど、この稚鮎はうれしいな
と、十分過ぎる程のお料理に、空腹だったお腹もうれしく、ゆっくりと堪能するひと時。
落ち着いて見ると、皆さん、結構お酒を楽しんでいるよう。
・・・と、目の前のお客さんが、「利き酒セット」なるものを頼んでる。
慌てて品書きを見直しながら、ふっと天井近くにいくつか貼られていた短冊を、目を凝らしてみると、十四代を先頭に飲んでみたい地酒がつらなっている・・・。
心は早くも、
「次回はあれを頼んでみよう♪」
と心に誓いながら、私はそろそろ〆のお蕎麦を、とお声かけ。
程なくして塗りの蒸篭に盛られて蕎麦が置かれる。
正直、あまり期待していなかったにもかかわらず、出された蕎麦は、エッジの凛々しく立つ丹精な細切りの蕎麦。時折蕎麦の欠片の混じったこの蕎麦の表情に途端うれしくなってしまう 。
しみじみと見つめ、手繰り上げながら顔を寄せると、きちんと蕎麦の香りも漂う。
口に含むと、穀物感のある、ぴんっと伸びたしっかりとした腰。噛み締める感覚が楽しく、次第にじわりと穀物の風味が広がる。甘みのある、優しい香ばしさ。
喉越しも良いもので、これは、美味しいではないのっっ
と、すっかりうれしくなり、するすると手繰ってしまう。
甘辛のバランスの取れた汁もよく、結構しっかりとした量の蕎麦で食べ終えたら、お腹もいっぱ~い
すっと頃合いをきちんと見て出された蕎麦湯は、十分に白濁した熱々のもの。
これも、ゆっくりと味わい、満足な心地に浸ってり・・・
丁度通り掛かった、きびきびとした花番さんにお聞きすると、蕎麦は二八で打っているとのこと。
さらに「田舎そば」についてお聞きすると、これも丁寧に答えて下さる。
「お蕎麦、美味しかった~、今度は田舎も頂いてみます」
と言うと、
「お蕎麦が、お好きなんですね 」
と、おっしゃる言葉が暖かで、なんだかとてもうれしい。
おじさんも花番さんも始終にこやかで親しみやすい応対は、とても気持ちがいい。
「又、いらして下さいね♪、お酒もいろいろありますし、定休日もないので・・・」
の言葉を、しかと受け止め、お店を後に・・・。
ご馳走さまでした~
どうやら土日は「通し」での営業らしいお店は、まだまだお客さんが寛いでいる。
近くにあったら、とってもうれしいお店だなぁ・・・
*お品書き
せいろ 630円、田舎 735円、三色そば(せいろ、ダッタン、変わり) 945円、すずしろ 840円、ぶっかけ 945円、なめこおろしそば:945円、納豆 1,050円、そばとろ 1,050円、鴨つくねせいろ 1,050円、鴨せいろ 1,260円、穴子天せいろ 1,470円、天せいろ 1,575円、かき揚げせいろ 1,575円、かけ 630円、月見、たぬき 735円、玉子とじそ840円、おかめ、生ゆば、きのこ 945円、山かけ、鴨つくねそば 1,050円、鴨南蛮 1,260円など、うどんも有り
料理いろいろ 210円~各種、丼、定食あり
ちょっと一杯セット 2,100円
ビール 577円、日本酒 472円、純米 525円、l久保田百寿 630、紅寿 840円、その他今日の地酒数種有り
地酒のほろ酔いセット(地酒の中から三種) 630円
「そば処 訶訶庵」
日野市多摩平2-3-3
042-582-0363
11:30~15:00 / 17:00~22:00
11:30~20:00(土日)
年中無休
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美味しかったな~・・・
早く乾燥して楽しめるといいですね(^^)
冷蔵庫に在庫としては
仙台味噌と八丁味噌と信州味噌があるのよん
これを適当に混ぜてみりんとお酒で
伸ばして白菜なんか混ぜても
面白いかな~って
朴葉はまさに地元なんですが
朴葉味噌って実は食べたことが無いので
暗中模索です
実家の方では朴葉はもっぱら
朴葉巻きと言う柏餅みたいなお菓子に
なります
家によってはちまきみたいな物も
作るようですが実家ではそれだけ
なんですよね
(ぐっとがまん・・・)
稚鮎、よかったですよ~(^^)
朴葉味噌、大好きです。
長野や、岐阜は本場ですよね♪
鶏肉や豚肉にきのこをいっぱい載せて・・・
羨ましいです。
やっぱり、お味噌は自分で配合されるんですか?
お店の方の応対も、暖かくていいですね(^^)。
三色、気になっていたんです。
次回は、セットじゃなくて、これを頂いてみますね♪
稚鮎の天婦羅って美味しいですよね~
あんなに小さいのにしっかりと
鮎の味がするんですよね
焼き味噌も素晴らしい
ふふふふ
実は、実家の庭に朴の木があって
葉っぱ何枚か持ってきて
今、物干しで干してます
朴葉味噌とかやってみようかな~って
楽しみだわぁ
庶民的な価格だし
お酒も料理もそこそこあって
居酒屋的に利用してるリーマンも多いかと
ここの三色(せいろ、田舎、韃靼)は
お得ですよ!!!
崖はよく分からなかったですが、
確かに繋ぐ場所、ないですね~。
(車で通ったことはあっても、降りたのは初めて)
でも、いやー
庶民にはなんともうれしいお店だと、心から思ってしまいました。
できるなら・・
自分の駅に欲しいくらいです(^^)
シマに溢れてる当方は入り浸るかもしれないです。
でも、今も当時もあまり馬を向けることは無いでしょう(笑
豊田の駅って、後ろが無いでしょう、つまり崖になってて。
駅前放置自転車追放ってことで、当方の馬さえ繋ぎかねる
雰囲気がありまして。
で、1回しか行ったことは1609なし(笑
(その時は「醸し人 九平次」をいただきました。)
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