扉を開き入ると、なんて明るく素敵な空間 。

白い壁に肌木の優しい色合いが、目に柔らかく、
すっきりとして日差しが燦々と差し込む、空間を贅沢に使った店内。
楚々とした上品な雰囲気が満ち、どこかカフェのような…

と、優しい笑顔の奥様に迎えられ、、ゆったりとしたテーブルに腰を下ろし、
すぐに出された美味しい蕎麦茶を頂き、早速品書きを手にし吟味。



冷たい蕎麦に暖かい蕎麦、工夫された品書きに、あれこれと悩みつつ、
中から彼は「きのこおろし」に決め、私は「鴨つくね」を決めたところで…



おっ、卓上には、これまた魅力的な品書きが



しかも、「十割そば」は、何と京都の「じん六」さんから仕入れた、
「常陸秋蕎麦」、これもいいなぁ…



が、やっぱり見捨てておけない「粗挽き」の文字。
信州信濃の「粗挽き田舎」に、すっかり目が釘付け。

とは言え、今日の寒気に暖かい汁がやっぱり恋しく、
お聞きすると、「鴨つくね」の粗挽きもできるそうで（200円増し）
「鴨つくねせいろ」を「粗挽き田舎」に変えて注文～

待ちながら、改めてゆっくりと品書き見ていると、



お料理にお酒も、魅力的なものが揃い、これはいいなぁ、



平日のお昼にはお得なランチもあり、これも良さそう 。
駅すぐ目の前にこんな店があるなんて、近くの人が羨ましいなあ…



と、見ていると、彼の「きのこおろしせいろ」がまず運ばれる。



熱々の様々なきのこが浮かんだ汁が添えられた「せいろ」の蕎麦は、
端正に断たれた、繊細な凛々しい細切りの蕎麦。



そして続いて、「鴨つくねせいろ」の粗挽き田舎も目の前に。



同じ蒸篭に盛られた蕎麦は、「せいろ」に比べて気持ち太めに断たれ…



角の立った蕎麦の中に、所々に盛りこまれた様々な色の蕎麦の欠片。
手繰り上げると、強くはないが、きちんと穀物の香りが漂い、
口に含むと、ざらつき感はさほどなく、みしみしっと蕎麦の感触を感じ心地いい。

噛みしめると、じわりじわり、蕎麦の甘みが広がり、
野趣さたけた粗挽きとは又異なる、上品な粗挽きで、
何より丁寧に打たれた事が伺えるこの蕎麦、これは美味しい
と、そのままの蕎麦をしばし楽しみ…



ほっかほかの湯気を立てた鴨つくね汁に浸し頂くと、これが旨い 。
しっかりと鴨の出汁が染み出た汁に浸す蕎麦は、さらに甘みを増し、



中のつくねは、むちむちっと歯ごたえがあり、じわりと広がる鴨の旨み。



さらにここで、彼のきのこと交換して食べ比べ。
鴨つくね汁とは全く異なる、きのこの風味がふわ～っと広がり、
「せいろ」は、するするっと軽やかに喉元をすぎていく。

と、浸し食べていたらもうあっという間。
もっと食べたい…と思わせる美味しいお蕎麦に大満足

頃合い見て出された、さらさらとした熱々の蕎麦湯を注ぎ入れ、
すっかり汁まで頂いたら、汗がじわり…。

…と、「店長からです」と出して下さった小さな甘味。



「みの利もち」とのそば豆腐をきなこで包み黒蜜をかけた、甘味まで 。



これが、又とっても美味しい～
さっくりふわっと優しい感触の蕎麦豆腐に、かけられた黒蜜がとても上品。
甘味まで頂いて、二人ですっかり満喫したひと時に。

帰りにきちんと顔を出して下さった、真面目で優しそうなご主人の、
丁寧な言葉がとても印象的で…

ご馳走様でした～

お風呂に付き合う楽しみが又一つ。
今度は、是非「十割蕎麦」を頂いてみたいな…。

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