朝方の仕事を済ませ、ほっと一息コーヒーを飲みながら、
ふと、随分と伺ってないなぁ…と思い出した、四谷のお店。
思い出したら、何だかとても行きたくて、電車に乗り込み、四谷へと。
四ツ谷駅すぐ目の前、三栄通りの様々な店舗が並ぶ通りを歩いていくと、
周りに溶け込みながら、さりげなく、すっと下ろされた粋な暖簾。
何だかとっても懐かしい…、思えば既に4年ぶり
四谷「由々粋酔 蕎麦善」
扉を開き入ると、照明をぐっと落とし、ダウンライトが所々を照らす、
目の前が通り沿いだと言う事を忘れてしまうような、しっとりとした大人の空間。
店の大部分を占める大テーブルが印象的な店内に、
ロマンスグレーのおじ様が、本片手に座っている景色が印象的で…
私は、奥のテーブル席に腰を下ろす。
すぐに出されたお茶を頂きながら、置かれている品書きを手にし、
仕事明け、まずは蕎麦前に、以前から食べてみたかった、
「生しらすの掻き揚げ」をお願いし…、
熱燗を頂こう、と思って顔を上げると、
壁に貼られた、「季節限定」のお酒が目に留まり、咄嗟に注文。
程なく出された、「山清どぶおろし」は、思ったよりしっかりとした濁り酒。
とろりとして、ほんのりとした甘みがあるが、意外にすっきり。
と、ゆっくり口で転がしながら、味わっていると…
天つゆが添えられ、立派な「生しらすの掻き揚げ」が程なく出される。
繊細な衣に包まれ、小さなしらすが中にびっしりと埋め込まれ、
箸を入れた途端に、ほろほろっと崩れる、軽やかな掻き揚げ。
しらすの香ばしさが衣と共にさくさくと口に広がり、これは美味しい
そのままで、天つゆにさっと絡めてと、楽しむが…
これは私の選択ミス、この「どぶ」にはちょっと合わないなあ(^^;;
と、念願だった「生しらすの掻き揚げ」も堪能し、そろそろお蕎麦。
できれば、やっぱり「生粉打ち」を食べたい、
お聞きするとまだあるそうで、迷わず注文
そして、程なく、久しぶりに頂く「生粉打ちせいろ」。
長方形の蒸篭に盛られた蕎麦は、繊細に断たれた細切りの蕎麦。
艶々と輝くその蕎麦の中には、透明な蕎麦の粒々が重なり、
思わず見とれる、これは美味しい蕎麦の風貌。
手繰り上げると、爽やかで香ばしい、新蕎麦のしっとりとした香りがふわり。
口に含むと、しなやかで軽やかな心地のいい腰加減。
ざわざわとした、肌木を想わせる、穀物の断面を感じる素朴な感触があり、
噛みしめると、じわりと広がる風味に…
お、美味しい~っ
どこか、ぬめりを感じるヴェールに包まれた蕎麦、
こんなに好きなタイプの蕎麦だったのに、どうしてこんなに来なかったんだろう…。
ああ、明日も又食べたい、と食べながら思ってる。
まろやかながらも、しっかりとした汁を、そっと浸し、
もううれしく、あっという間に食べてしまう。
さらさらとした蕎麦湯を頂いていると、いつしか石臼の回る音。
又、来たい、うっとりと蕎麦湯と共に余韻に浸り…
ご馳走様でした~
やはり、「蕎麦善」、老舗の貫録はそのままだ。
「由々粋酔 蕎麦善」
新宿区四谷1-22-12
03-3355−8576
11:30〜14:30 / 17:30〜22:00
土日祝定休
禁煙
2006年 3月 6日 「生粉打ちそば」
2004年10月19日 「せいろそば」
- 関連記事
-
- 新宿 「大庵」 ミニ親子丼セット (2011/05/31)
- 牛込神楽坂 「志ま平」 (2011/05/20)
- 新宿 「渡邊」 しらすそば (2011/05/06)
- 牛込神楽坂 「志ま平」 二色せいろ (2011/04/27)
- 高田馬場 「傘亭」 玉子とじそば (2011/04/19)
- 神楽坂 「和み」 (2011/02/25)
- 神楽坂 「山せみ」 つけ天そば (2011/02/18)
- 四谷 「蕎麦善」 生粉打ち蕎麦 (2011/02/10)
- 神楽坂 「玄菱」 (2011/01/21)
- 牛込神楽坂 「芳とも庵」 (2010/12/10)
- 神楽坂 「蕎楽亭」 (2010/11/30)
- 新宿 「大庵」 おかめあんかけ蕎麦 (2010/11/16)
- 中井 「又八郎」 たぬきそば (2010/11/10)
- 落合 「遊」 縁側で楽しむ月見の宴 (2010/10/23)
- 新宿 「渡邊」 久々のうずら付きせいろ (2010/09/21)
だけど、酒自体の旨み、主張が強いので、合わせるお料理は選ばれちゃいますね。
いぶり豆腐とかだったら、よかったかもです。
いや、飲んだ事がなかったもので…(^^;
辛口なんですが、あのコクというか旨味が、食べ物との相性で邪魔になってしまう帰来もありますね。
私がこの店でお願いするとしたら、「鴨ぬき、そばがき、いぶり豆腐、山芋の陶板焼き、くずし豆腐」の中から選ぶかなぁ。
本当に、うらやましぃです。
そうなんです、ゆっくり口の中で転がして、じっくりと味わうのに、いいお酒でした。
ただ、掻き揚げには、今ひとつ合わず、これは私の采配ミス(^^;
大丈夫でした。
心地のいい酔い加減で、醒ましながら帰りました(^^)。
>ゆっくり口で転がしながら、味わっていると…
結構アルコール度数が高いはずですが、大丈夫でしたか?
ほんっと…
同じ日だったんですね♪
ぜひ、生粉打ちも食べてみて下さい。
しらすの掻き揚げは、いいですよね~(^^)
それでも、今のお店も、これはこれでよく、
昼間から、ゆるゆると頂ける雰囲気が何よりうれしい限り(^^)。
久しぶりに頂いた「生粉打ち」、どこか本むら庵に通じる蕎麦の感触で、よかったです。
しらすの掻き揚げは…
又、頼んでしまいそうです(^^)♪
頼んだ料理も似たようなものでびっくりです。
ただ、夜にはすでに生粉打ちがなく普通のせいろを頂きました。
久々に食したせいろも味わい深いものがありました。
(とにかく暗い感じはあるね
こういうところでは、昼間から「何の違和感も無く」、
傾けられる。(微笑
そういう意味でも、やはり大人の空間かな。
三栄通りも何時行っても雑然とした感じだけど、
生活感が溢れててちょっといいな。
当方が初めて行った時には、既に現在の体裁に
なっており、かつて街の老舗的な存在感ある作り
だと読んだ(例の本の)紹介する姿は眼にして
いません。
でも、大都会の真ん中に位置することではあり、
しっとり落ち着いたという雰囲気なら、これも
いいのではないかな?
>「生しらすの掻き揚げ」
垂涎。
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)