茜色の暖簾を潜れば、まだ夕方早い店内はしんと静まり、
丁寧敏活に迎えてくれる花番さん。

落ち着き品のいい空間に、老舗のプライドをも感じられ…

まずは、仕事明けの一献 。



新潟「菊水」に、「お新香」を。



そうそう、これこれ
昔ながらの、冷酒とは違い、冷は常温。
すらりとした白磁徳利には、きちんと袴が履かされ…



添えて出されたお通しは、「蕎麦の実なめこ」
これは好物、これだけで1合飲めちゃいそう 。



ゆっくりと注ぎ、なめこをつまんでいれば、
程なく到着した「お新香」も盛りだくさん。

胡瓜に大根、上質のしば漬けに、
野沢菜の油炒めが、とても美味しい 。

デパートの中だというのを忘れてしまいそうになりながら、、
蕎麦屋ならではの、心地のいい空気の中寛いでいると…

一人、二人、又一人、さらにご家族…
と次々にお客さんが入り出し、



いつの間にか席も埋まり始めた、夕方早くの賑わい。
迷いもなく暖簾を潜ってくる様子に、
皆ここの蕎麦を目指して来ているのが感じられ…

一足先に、そろそろお蕎麦を頂こう。



天麩羅や天丼のつく、幾つもの「お薦めセット」や、
「暖かい蕎麦」を眺めるが…



やっぱりここに来たら、更科そばの「御膳そば」 、



頼めば程なく、独特の「あま」と「から」の二つのもり汁に、



ぴかぴか光る純白の、美しき蕎麦が目の前に。



極細繊細、乱れなく切り揃った蕎麦は、
クキっとした歯ごたえ心地よく、つるつるっと爽快な喉越し。
素麺のようで素麺ではない、蕎麦ならではの、
ふわっとした甘さが、ほのかに口に広がる 。

醤油の風味が濃い「から」に、
かなり甘めの「あま」の汁、それぞれと食べ比べ、
最後に、加減で自分の好みの味にするのも、又一興 。

老舗とは言え、盛りよくたっぷり。
すっかり手繰り終えたら、お腹もいっぱい。



さらさらとした熱々蕎麦湯で、それぞれの汁を味わって…

ご馳走様でした～

丁寧に見送られ、お店を後に。
お隣で食べていた天麩羅も、美味しそうだったなあ…。

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