上北沢の駅前通り、桜並木の入り口の通り沿いに、さり気なく佇む和モダンなお店は、以前とほぼ変わらない。だが、掛けられた暖簾の色は、変わってる・・・。
上北沢 「手打そば おの」
ぬま田さんから、居ぬきで始めたとのお店。今度のお店はどんなだろう・・・。下に置かれた看板をしげしげと見つめ、扉を開く。
昼ちょっとすぎ。入った店内も、以前とほぼ変わらず。一枚板の大テーブルが真ん中に置かれ、横にテーブル席が二つ置かれた小さな空間。照明がすんっと落とされ、窓からの明かりがほどよく差し込む。
「お好きなところへどうぞ」と、通され、大テーブルには先客の方がいたので、窓に面したテーブル席に腰を下ろすと、座り心地のいい長椅子・・・。
出された美味し~い蕎麦茶を頂きながら、置かれている品書きを開く。
そうか・・、当たり前の事だけど、品書きも変わってる。冷たい蕎麦、温かい蕎麦、それぞれいくつか並ぶ中に、一度食べてみたいと思っていた「しらすおろしそば」があったので、それを頂いてみようかな・・・、と思いながら、すべてのページをとりあえず吟味。
お料理も、手ごろな値段から、なかなか魅力的なお料理が揃う。しかも、「天ぷら」の他に「天ぬき」があるのが珍しく、これは是非食べてみたい。
となったら・・・、
このあと予定はあるけど、少しだけなら~、と東北泉を「天抜き」と一緒にお願いする。
お酒は、片口の陶器の器に注がれて。添えられた猪口の形がちょっとおもしろい桶型?
この静かでしっとりとした小さな空間に身をゆだねながら、まったりとしていると、なんだか非常に落ち着く心地に・・・ 。
そして、後ろの厨房から天ぷらを揚げる音が、次第に軽くなり、目の前に「天抜き」が出される。
抹茶茶碗のような深めの器に、ピンっと伸びた鮮やかな海老が二尾。それにふわりとかけられた白髪ねぎに、柚子が天盛りされている。
蓮華が添えてあり、まずは一口このかけ汁を頂くと・・、これは美味しいっ 。
見た目は濃い目の色だが、すっきりとしたかけ汁で、鰹の風味がしっかりと取られた奥のある味わい。この汁だけでも、飲めてしまいそう。
そして海老を、とやおや頂くと、これも又しっかりと旨味のある海老。表面を覆う天衣もカラリとして、非常に美味しい天ぷら。そして、だんだんに、浸された汁を吸った衣が又味わいを深め、二度楽しめる。んん~、こちらの「天ぷら」も頂いてみたいなぁ。
と、たっぷりと汁も頂き、堪能したところで・・、いよいよお蕎麦を。
初めてのところだし、まずはざるか、と思ったが、今日はどうしても「しらすおろしそば」が食べてみたい、と初志貫徹。
ほどなくして出された蕎麦は、瑞々しく輝く丹精な細切りの蕎麦。
切り幅、長さにもムラがなく、そのエッジも鮮やかに立ち、よく見ると透明な蕎麦の粒が表面に浮かんでる。
さて、と手繰り寄せ、口に含むとしっとりとした腰加減。香り風味はやや穏やかなものの、喉ごしもよく清々しさを感じられる。まじめに、きちんと打たれた蕎麦という印象が感じられて、好ましい 。
そして、念願の「しらすおろし」に。質のいいしらすに、大根おろし、鰹節の盛られた器に、汁を注ぎいれ頂くと、おお~っ、きく~っ
この辛味大根がとてもよく効くもので、しらすと絡み合い、蕎麦と頂くとこれはいい。なるほど・・、しらすおろし蕎麦って、なかなかいいもんだなぁ、とすっかり気に入ってしまった。
蕎麦湯は、きちんと頃合を見て出され、しっかりと白濁した熱々のもの。注ぎいれ頂くと、汁の美味しさを実感できる。
ほお~っと、していると、ご主人が顔を見せられたのでお聞きすると、蕎麦は1割5分ほどのつなぎで、打っているとのこと。まだ新蕎麦ではなく、笠間の常陸秋蕎麦だが、もう時期北海道の新蕎麦を挽く予定です、と・・・。「自家製粉なんですね 」と、お聞きすると、「なかなか難しくて・・」と、まだお若そうなご主人が、はにかみながら答えて下さる。
居ぬきで始められて、まだ一月ちょっと。粗挽きの蕎麦を打ったりもしたんですよ、などと、一生懸命に試行錯誤しながら、研究なさっている姿にすっかり好感をもってしまう。がんばって欲しい、と心から応援したい気持ちでいっぱい。このお蕎麦だったら、と楽しみな気持ちにまでなってくる。
すっかりお話などまでさせて頂き、満足なひととき。
ご馳走さまでした~
是非又、訪れ次のお蕎麦も頂いてみたい。心から、がんばって欲しいな・・・。
*お品書き
ざる 700円、しらすおろし 850円、とろろ 950円、野菜天ざる 1,100円、天ざる 1,400円、鴨ざる 1,450円、薄もり 500円、かけ 700円、玉子とじ 850円、花まき 900円、山かけ 950円、鴨南蛮 1,450円、
焼き味噌 400円、板わさ、烏賊の沖漬け、茄子土佐煮、蕎麦屋のサラダ 550円、汲み上げ湯葉 650円、天ぬき 700円、揚げ湯葉、蕎麦前三種盛り、出し巻き 750円、そばがき、地鶏焼き 800円、合鴨ロース 850円、鴨焼き 950円など
稲田姫、澤姫、稲田姫、東北泉、愛の澤、王録、たまか 500円~800円
「手打そば おの」
世田谷区上北沢3-18-10
03-5317-8381
11:30~14:30 / 17:30~21:30
水曜、第3火曜日定休
禁煙
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私も夜に行ってみたーい、です(^^)
帰りにフラっと立ち寄ってきました!!
やっぱりyukaさん行かれてましたね!
夜のセットを頂いたんですがこれが最高!
文句なしNO1のCPでした。
粗挽きがスンゴイ風味でした♪
嬉しくなっちゃって、帰り際ご主人に
「蕎麦の師匠を連れてまた来ます!!」
って宣言しちゃいました・・・☆
見るまい・・・と思っていたのですが、見てしまったっっ。
食べたい!
激しく食べてみたいです。
「日がわり」なんです、よ、ね。
ん~、やっている日があれば、絶対に行きたいです。
それはそうと、「日替わり」が出来たんですね♪。私が訪れたのは開店早々だったので、これは、又伺ってみよう、と思います。
「ぬま田」から「おの」に替わってから、通りかかる時間が合わず未訪でした。
今日はたまたま12時前に通りかかったので迷わず入りました。
今日の日替わりランチは親子そば(という名前だったと思う)という不思議なつけ蕎麦。超つゆだくの親子丼の暖かい汁にせいろをつけて食べるのです。
外一くらいでしょうか、蕎麦もつけ汁なしでもうまい。いい香り。
親子汁からかき玉を拾って食べるのもうまい。これで飲めてしまいますね。当然、つけてずるずる食べるのもうまい。残った汁でおまけのご飯を食べる。食べ終わった後は、蕎麦湯といっしょに別猪口も出てくるのです。
これは玉子好きの人にはたまりませんね。
↓こんな↓感じです。
http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/H/Hosanm/20080928/20080928135517.jpg
あ、yukaさんは見ないほうが良いですよ。すぐ行きたくなってしまうでしょうから。「日替わり」だからいつもあるわけじゃないし…。
いや、なかなかいいですよ。
ご主人、本当に熱心で、今後、ますます期待したいお店です。
しらすおろし、お勧めです♪
行かれましたら、ぜひ・・・、報告待っています(^^)
閉店一週間ほど前に行き、新店のことも聞いていたので近いうちに、と思っていました。
「しらすおろしそば」、良さそうですね。
行ったらこれを食べることにしよう・・・鰹節ぬきで。
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