階段を降り、扉を開けば、
柔らかな灯りに包まれた、
ほっとする優しさ溢れるゆったりとしたフロア。



木の温もりに包まれた空間で、ご主人に迎えられ…
今宵頂くのは「おまかせコース」。
まずはビールで乾杯。

前菜は、美しく盛られた４つの小鉢。
「新銀杏揚げ」に「椎茸の昆布煮」。
「花山葵の醤油漬け」、「菜の花の辛し和え」、
茹で加減もぴたり、とても美味しい。

早々にお酒の注文、
愛媛「石鎚」　袋吊りしずく酒

続いて出された「季節の白和え」は、
柿にほうれん草、椎茸が和えられ、
「うるいとするめ烏賊の酢味噌和え」と、
どちらも洗練された味わい。

「王禄」、「澤の花」とお替りをして…、

「出汁巻き玉子」は、一人一人切り分け盛られ、
まるで茶碗蒸しのように出汁たっぷり。
出汁の旨さが光る、絶品出汁巻き。

ここに鴨ではなく「和牛たたき」、というのが新鮮。
薄くスライスされた牛肉は見るからにジューシー。
しっとりと柔らかく、臭み皆無、
肉の旨みにタレが絡みこれも旨い。

これには燗酒、
奈良「花巴」　山廃純米を上燗で。

小皿に薄く焼かれた「焼き味噌」、
「銀だらの西京漬け」焼きと続き、
「播州一献」の燗酒を傾け、
心地のいい酔いを感じてきたところで…、

フロアの真ん中で始まる、蕎麦打ちライブ。
いとも軽やかに捏ね、するすると延し、
リズミカルに切る流れるように颯爽とすた姿は、
思わず目を離せない、技の美しさ。

興奮抱えて席に着けば、程なくもり汁に薬味が出され、
今目の前で打ったばかりの蕎麦が目の前に。

笊に盛られた蕎麦は、緑鮮やかにキラキラと輝き、
切り口がピシっと鋭利な凛々しき細切り。

きりっと〆ったその心地よさ、
すっと喉落ちる清涼感に、
ふわりと広がる香りと共に、口に広がる豊な味わい。

添えた汁が又素晴らしい。
出汁が利きまろやか、そっ添えた蕎麦は旨みが増し、
後は夢中、あっという間…、

…と、これは嬉しい「かけそば」がっ。
注がれた琥珀の汁の美味しい事。
汁に浸っても全くダレず、きりっとした蕎麦といい、
これも夢中で、皆揃って汁まで飲み干し…

最後の甘味は、「抹茶プリンの黒蜜かけ」。
うっとりする程美味しくて…、

どれもこれも素晴らしいお料理に、
ますます洗練された蕎麦の旨さ。
大人の隠れ家で憩う、素敵な宵のひと時に。

ご馳走様でした〜

写真に残せないのが残念だけど、
心の中にしっかりと記憶して…。

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