吉祥寺での所用が終わったのは、既に2時も過ぎた時間。
こんな時でも中休みのないお店が、幾つかあるのがうれしい、吉祥寺。
今日は、遅くなった新年のご挨拶も兼ねて、
…と、痛いくらいに肌を刺す、冷たい空気の中、こちらへと
お馴染 吉祥寺 「中清」
おっ、これは楽しみ、「本日のそば」は、「福井の丸岡」
ようやく辿り着いて中へ入ると、お昼の喧騒はとっくに過ぎた、
ゆるりとして気だるい、昼下がりの空気がたゆたう店内。
すぐにご挨拶して、腰を下ろしたら、早速話が始まる中…
とにかく寒いっ、「何かあったかいもの下さいっ~」とお願いすると、
見てても楽しい笑顔満面で、嬉々として出してくれた熱燗は、
何とも贅沢な「義侠」よろこび(純米大吟醸)で。
これが旨い~っ。しっかり味わいあり、すっと体に染みわたる、妙味たっぷり。
あれこれ感想など述べながら、さらに暖かいものをこれで食べたい、
と、ふと思い立った「湯豆腐」に、「かき玉そば」。
そうだった、両方一緒の「かき玉豆腐が食べたい…」とつぶやくと、
「作ってみようか(^^)」と、又楽しそうに厨房へ入って行き…
程なく、葱に生姜の薬味を添えて出された「かき玉豆腐」(新?)。
熱々の湯気を立てた、とろとろで味の染みたふわふわの玉子がたまらなく、
その下には、これも熱々の豆腐が玉子にからまり…
ん~っ、これは美味しい~
しっかりと味わいある熱燗が、これによく合い、すっかり体も暖まり…
これもちょっと飲んでみてよ、と抱えてくる桐箱に入った貴重なお酒。
天皇陛下がお飲みになられているお酒を、うやうやしくお猪口一杯。
さらに出してくれたお酒二本もそれぞれお猪口一杯ずつ…、
大事に頂いた「十四代」大吟醸に、
「山間」、ラベルも楽しい「鬼やんま」。
どちらのお酒も私好みの、清らかで美しいお酒で、うっとり味わい堪能し…
そろそろ猫ご飯、お蕎麦を頂こうと、久しぶりに「鴨せいろ」をお願いすると、
何やら二つの丼がまず出される 。
普段作っている、鰹に鯖節で取った出汁で作ったものと、
「試しに作ってみた」との、鰹出汁のみ、で作った鴨汁。
飲み比べる味わいが、まるで違うから面白いっ
…と、比べている所に出された、微粉で打たれた「福井丸岡」十割蕎麦。
端正に切り揃った、滑らかな表面の艶やかな細切り蕎麦は、
手繰り上げると、ふわりと広がる香ばしい蕎麦の香り。
噛みしめると、心地よい腰に、するりと落ちる軽やかな喉越し。
噛みしめると、これも福井の蕎麦らしい、香ばしい味わいがじわっと広がり、
そのままで、するする入っていってしまう。
そして、いよいよ、この二種の鴨汁を浸し頂いてみると、
この微粉の蕎麦には、「鰹出汁のみ」の汁の方が合う 。
…と、あっと言う間に食べ終え、続いて出されたのは二種盛り。
同じ福井丸岡の粗挽き蕎麦に、茨城境の粗挽きの熟成蕎麦。
同じ粗挽きでも、蕎麦の色が見るからに顕著。
まずは、「打ち立て」丸岡の粗挽き蕎麦。
手繰り上げるまでもなく、ぐわっと広がる濃厚な香ばしい穀物の香り。
噛みしめると、何て濃い、深遠なる味わいに、途端に瞳孔が広がってしまう。
微粉の上品さに比べ、ダイナミックな味わいに、もうクラクラ
と、ここで又味比べ。
熟成蕎麦を手繰り上げると、全く異なる独特のだだ茶豆に似た香りがぶわ~っ。
が、熟成温度はぐんっと下げたそうで、以前より上品な香り方。
知らなければ、熟成とは思わないような、蕎麦の香ばしさも備え、
風味も、確かに、以前のやや泥臭さのあった熟成とは異なり、
上品とさえ感じてくる、やわらかく豆系の風味が品よく漂う。
これは…、美味しい
そして、この二種の蕎麦も、二種の鴨汁で食べ比べ。
打ちたて熟成は、どちらも合うようが、鯖節が入った方が合うし、
熟成は、鰹出汁だけだと、汁が物足りなく、鯖混在の方が断然旨いっ。
「蕎麦の力強さで、汁も変わるから、難しいんだよね~」
とご主人と話ながら、蕎麦と汁のバランスの難しさ面白さを改めて思い、
薄切りでさっぱりとして、鴨の美味しさだけが口に残る、
鴨肉苦手な私でも、ここの鴨肉は大好きと、パクパク頂き…
さらさらの蕎麦湯で、これらを頂いたら、流石にお腹いっぱい。
ご馳走様でした~
それから、さらにお茶を手にして話込み…、
蕎麦談義は、やっぱり楽しくてやめられないなぁ
「手打ち 中清」
武蔵野市吉祥寺本町4-4-15
0422-21-2891
11:00~22:00
無休(
水曜日に暖簾会で休みの場合もあり)
近くにコインP
2010年12月20日 「南極カレーせいろ」粗挽きで
2010年10月 4日 「新そば」に「贅沢酒肴盛合」に「練り物三昧」「たぬき豆腐」
2010年 8月11日 「新メニュー」に「南極せいろ」
2010年 6月 7日 「粗びきのかき玉そば」
2010年 4月28日 「名残の山間の会」に京都の筍
2010年 2月22日 新メニュー「蒸し牡蠣」
2009年12月17日 「多摩蕎麦コミュ忘年会」鴨鍋
2009年 12月 8日 「三点盛り」、鳥取の蕎麦に、鴨汁粗挽き
2009年 9月20日 歴代「菊姫」飲み比べ、料理に蕎麦を堪能
2009年 6月28日 「三点盛り」に、、「『黒姫』時間差二種盛り」
2009年 3月30日 「産地違いの熟成蕎麦三種」
2008年11月24日 皆さんと夜の宴会、「蕎麦三種盛り」
2008年10月22日 友人と昼酒、「とろろそば」
2008年 9月 1日 「茄子揚げ出し」、「蕎麦三種盛り」
2008年 7月 8日 「桜海老の掻き揚げ」、「南極カレーせいろ」
2008年 4月 1日 「かき玉そば」
2008年 3月22日 お誕生日会、「粗挽き南極カレーせいろ」
2008年 3月 4日 「酒肴三種盛り」、「鴨せいろ」
2007年11月 2日 「烏賊粕漬け」、「かけそば」
2007年 8月 1日 宴会~ 二種の「カレーせいろ」
2007年 6月22日 友人と夜しっぽり。蕎麦いろいろ、「鴨せいろ」
2007年 4月 3日 二種類の「かけそば」
2006年11月17日 友人と夜一杯~♪「三種の蕎麦」
2006年 9月24日 「豆腐サラダ」、二種の蕎麦
2006年 8月24日 初めての訪問、お店との出会い…
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そうなんです、がらっと変わるんです、相性が。
がっつり味の濃い蕎麦には、汁もがっつりで向かうのが、いいんですね。
そして、その反対と…。
ただ、これをやり出すと、手が回らん~っと言っていました(^^;
(何しろ蕎麦の種類がいくつもあるので…)
(と飲んでいていうのもなんですが…^^:)
しみじみ、すごいお店です。
>PS
そうですね…
いくつかあったのですが、残念なことになくなってしまったお店もあり、
結局、老舗のお店が揺るぎなくがんばっている。
いい街だと思います(u_u*)~
ほさか砂場上杉よしむらまつや…しかりです。
よく呑み、よく食べますなぁ(^^
熟成蕎麦の汁との相性・・・
勉強になりました。
お蕎麦もなのですがお酒が凄すぎです
ウラヤマシイ^^
カラダ温まりそうだよね。
温まりに行きたいです!
PS.それにしても、吉祥寺の店は一般的に入れ替わりが非常に激しいのに、そば屋さんだけは昔からの店ばかりのような気がしますね。
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