夕方まだ早い、5時になったばかりの今時分は、
これから始まる夜の賑わいの前の、ひとときの静けさに、
ジャズボーカリストの声が心地よく店内を満たしてる。

おっ♪と、出てきてくれたご主人に女将さんと、すぐに話込みながら…
今日頂いたお酒は、あれこれ言いつつ、こんなにも。









若芽と胡瓜のツナ和えのお通しで、つまみなどいらない、
どれもが清らかで美味しいお酒を、お猪口一杯ずつ頂き吟味

ばたばたしていた一日の疲れが、すぅ～と引いて行くのを感じながら、
まだお客さんのない店内で、ご主人とどっぷり蕎麦談義。

…と、お昼をまともに食べてなかったので、すっかりお腹ぺこぺこ。
じっくりお酒を味わわせて頂いたら、早速お蕎麦、
今日は、道々考えていた、「粗挽き蕎麦」で「かけ」を注文

そうだっ、「玉子の気味もつけ下さい♪」。



と、小鉢に黄身を添えてもらって出された「かけそば」は、
おっ、思わず見とれる、蕎麦が生き生きと泳いでる



蕎麦の欠片がびっしりと埋め込まれた、粗挽き蕎麦の雄姿を眺め、
まずは蓮華ですくって汁を口にすると…

ああ、これは、美味しいなあ…

上品しすぎず、それでいて綺麗な味わい。
すっきりとして柔らかく、ふ～っと体に染みて行くかけ汁に、
何度もすくってじっくり味わい、中清のかけ汁もいいなあ、としみじみと。



と、中の蕎麦を手繰れば、せいろと違わぬまでのしっかりとした腰加減。
もちっとしてしっかり、噛みしめればかさりと蕎麦の欠片が喉元を擽る。

毅然として、蕎麦そのものの存在が感じられ、
汁にほどけるのではなく、蕎麦そのものと汁が独立しながら手を取り合う。

蕎麦を噛みしめ、その香ばしい味わいを感じ、
そっと汁を口に含み、そこで初めて融合するこの旨さ 。
しばし、そのまま手繰る手が止まらず、デフォの「かけ」を楽しんで…。



ようやく、おもむろに黄身の小鉢を手にし、そっと中に落とし入れ…、



ゆっくりと黄身を崩し…



そろそろと黄身を絡め頂くと、

こ、これは又、たまらな～いっっ

途端に、黄身のコクにまろやかな味わいが染み溶け込み、
蕎麦の香ばしさに絡まる玉子の味わい。
もう、うっとり、後は夢中で手繰る手繰る…



と、気づいたら一滴も残らず食べ干した、心に染みた一杯の「かけそば」。
これは、、、いいっ。
中清の力強い粗挽きで食べる「かけ」にすっかり虜になりつつ…

今日もご馳走様でした～

これは、毎日でも食べたいなあ。。

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