すっかり日が短くなった、秋の夕暮れ。
シックで高級感のある街並みに、ウィンドウの灯りがまばゆい、
歩く人たちも、なんだか皆おしゃれな…
その名も白金プラチナ通り。
その中に、ふっと時が留まったような、
懐かしい昔ながらの佇まい。
「利庵」…、久しぶりに、ここの蕎麦が食べたくなって…
白金台 「手打そば 利庵」
楓の葉が、秋風にさらさらと揺れる、
年月培った格子扉を開くと、
昭和の空気に包まれた、ほっこりと和むひとつの間。
昼時は混みあっているけれど、
夕時の店内は、長閑で和やかな雰囲気 。
迎えてくれた女将さんも、にこやかで温かく、
大テーブルの端に腰をかければ、
目の前に、すっと置いて下さったお品書き。
表には、「冷たい蕎麦」に「温かい蕎麦」、
裏を返すと、「酒肴」に「御飲物」。
さてさて…、まずは蕎麦前。
お願いした「三千盛」のぬる燗には、
才巻海老の頭を揚げたお通し。
さくさくっと軽くこぼれる、海老の頭は旨み濃厚、
ほっとひと心地つきながら、
壁に、隙間なく貼られた品書き半紙を眺め…
あ、これいいな、漬物各種。
「半分づつ、二つ盛りとかもできますよ」
女将さんの言葉に…、
選んだ、「奈良漬」と「長芋漬」。
パリっとした奈良漬けの、じわりじわり広がる味わいに、
しゃりっとした長芋は、風味のいい山葵漬け。
乙な奈良漬けに、さっぱり長芋、熱燗に実にいい肴
柔らかく照らす灯りの下で、
しっぽりとした空間に身をたゆたわせ、
1人静かに憩う、心地よさ…
〆のお蕎麦は、「せいろう」を。
甘皮のホシが透ける、角たつ艶やかな蕎麦は、
ふっくらとした香りがふわ~。
手繰った蕎麦は、ぷりっとしたしっかりとした腰があり
口に広がる、馥郁とした香ばしさといい、
記憶のままの美味しさ
添えられた汁も、また美味。
出汁まろやかで、奥深く、
浸した蕎麦は、さらに風味がます。
あっという間に手繰ってしまい、
添えられた、さらさら熱々の蕎麦湯を注ぎ、
汁の旨さ改めて感じ、たっぷりと頂いて…
ご馳走さまでした~
ほんのひと時の心地のいい寛ぎ、
久しぶりの「利庵」は、
昔よりずっと馴染みやすく、居心地よく…
是非又、ふらりと訪れよう、
今度は、「かけそば」を頂いてみようかな 。
「手打そば 利庵」
港区白金台5-17-2
03-3444-1741
11:30~19:30
月曜・火曜定休
2008年 8月 7日 「せいろう」
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