今年は夏休みどころじゃないと、
計画も何もしていなかったけれど、
一泊くらいはどこかに行こうと、急遽決めた静岡行き。
移転もささやかれている中、
あの佇まいの中で、あの蕎麦を手繰ろうと、
高速道路をすいすいと一走り。
島田郊外の街道沿いに、
ふっと時空を超え、静かに佇む「藪宮本」 。
島田 「藪蕎麦 宮本」
幾重にも音が重なる美しい風鈴の音に迎えられ、
扉を開くとしっぽりとした空気が包む土間。
はぁ~、いいなあ…
丁度昼時、しばしここで待ち、
程なく通された座敷で開いたお品書き。
丁寧にしたためられた文字の美しさに見惚れ、
まずは、外せない「手挽きそば」と、
私は、気になっていた「山かけそば」に、
彼は、壁に下がる季節の品書きから、
夏限定の「カレー南蛮そば」を 。
程なく届いた蕎麦は、
何度見ても息を飲む、神々しき美しさ 。
まるで光を放っているかのように透け、
はらはらとホシ煌めく、繊細な細切り。
すうっと香る清々しさ、
きりっとして淑やか、ふわっと儚なく喉に消え、
喉元からふっと抜ける香りといい…、はぁ~… 。
円やかで奥深い、しっかりとした濃汁「江戸つゆ」が、
蕎麦の旨味をぐっと際立たせ、
気づいたら一瞬で笊は空。
さらさらとした蕎麦湯を注ぐと、
ふわりと広がる出汁の旨さに、永遠に啜っていたくなる 。
何度も注ぎ頂いてると…、
続いて、ぷっくりと艶やかな黄身が目を惹く、
見目も美しい「山かけそば」 。
蕎麦は、ヌキ実で打たれた「せいろそば」。
これもきりっとコシあり、ふわっと淑やか、
ああ、「せいろ」も又美味しい 。
ここに汁をたらりと垂らし…、
絡めたとろろはもっちりとしてふわっふわ、
黄身の円やかなコクと共に蕎麦を包み、
思わず顔がほころぶ心地よさ 。
最後はががっと豪快に混ぜ、
時折弾ける茗荷に、山葵のツン、
次に次にと手繰る手止まらず、これもあっという間。
一方、彼の前に届いた「カレー南蛮」は、
漆器に注がれふわふわと湯気が立ち、
食欲そそる香りの魅力炸裂~ 。
具はたっぷりの葱に刻み鴨肉の鴨カレー、
たまらず交換しすすった汁は、
さらりと品よく、とにかく円やかで奥深く、
くぅ~、なんって美味しいんだろう
蕎麦ははんなりと沈みカレーを絡め、
後からじんわりと広がる辛味が後引く 。
最後は、蕎麦湯を注ぎ、とろろをたっぷり頂き、
彼も一滴残せず飲み干して…
あっという間の至福ぼひと時、
今日も又、満足感に満たされて…
ご馳走様でした~
無駄なものは一切を削ぎ落とし、
粋で研ぎ澄まされた味に美しさ。
「冷かけそば」や「みょうがそば」、
「花巻」や「にしん」、すべて食べたくなっちゃうなあ 。
「藪蕎麦 宮本」
静岡県島田市船木253-7
0547-38-2533
11:30~14:00
月曜定休 Pあり
禁煙
2022年 3月18日 「手挽きそば」に「おかめ」に「鴨南蛮」
2016年 9月18日 「手挽きそば」「カレー南蛮」「天ぷらそば」
2008年 9月13日 「ざるそば」に「手挽きそば」
- 関連記事
-
- 修善寺 「浅草じゅうろく 修善寺はなれ」 平日限定日替わり膳 (2023/09/19)
- 島田 「藪蕎麦 宮本」 息を飲む「手挽きそば」に「山かけそば」 (2023/09/18)
- 島田 「藪蕎麦 宮本」 「手挽きそば」に「おかめ」に「鴨南蛮」 (2022/03/18)
- ’19夏旅行Ⅲ 沼津 「おもだか」 微粉に粗挽きに「小天丼」 (2019/09/26)
- 夏旅行Ⅰ 島田 「宮本 藪」 神々しき珠玉の手挽きそば (2016/09/18)
- 静岡 「たがた」 静岡在来種のディスカバラー (2014/10/31)
- 藤枝 「ながいけ」 豊穣そのもの「静岡在来」三昧 (2014/10/31)
- 浜松 「おおもり」 喰う極の蕎麦 (2012/09/27)
- 富士市 「こばやし」 手挽き三昧 (2012/09/27)
- 御殿場 「草季庵」 (2012/06/29)
- 御殿場 「蕎廬庵」 5年ぶりに会った粗挽き (2012/06/29)
- 藤枝 「ながいけ」 粗挽四兄弟・静岡在来種 (2012/04/25)
- 静岡 「たがた」 愛おしき蕎麦・静岡在来 (2012/03/08)
- 静岡 富士市 「こばやし」 (2010/04/19)
- 藤枝 「ながいけ」 (2009/09/25)
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)