ここ何年か密かに注目されている、静岡在来種。
現在残っている在来種は、静岡の中で大別して三か所で、
中でも、「清水地区(興津)」が、
純粋性と品質の良さでトドメをさしているそう。
その興津在来を、是非食べてみて下さい、
藤枝「ながいけ」さんからのうれしいお話しがあり…、
今日は、巨匠お二人のお供をさせて頂き、
いざ新幹線に乗り込み、静岡へ 。
駅からタクシーに乗り込めば、あっという間。
さらさらとした雨の中で、出迎えて下さったご主人 。
静岡県藤枝市 「手打そば ながいけ」
ご無沙汰してた挨拶などをして、靴を脱ぎ上がれば…、
窓から木々が溢れ、まるで森の中にいるかのような、
ナチュラルウッディ、明るく素敵なワンフロア。
は~、ここはやっぱり、気持ちがいいなぁ…
窓際に、点々と置かれたテーブルに、
真ん中には、立派な一枚板の大テーブル。
3人で広々と座らせて頂いて、
エビスビールで、今日のお招きに乾杯。
添えて出された、とろりとした蕎麦味噌は、
カリカリの蕎麦の実がたっぷり混ぜられ、
「蕎麦豆腐」は、蕎麦粉と豆乳だけで作られたもの。
葛粉や片栗粉を一切使ってないそうで、
粗挽き粉をしっかりと感じる、独特の舌触り。
ほろほろと柔らかく、クリーミィで蕎麦の風味濃く…
ん~っ、これは美味しいっ
くぅ~っとビールを飲み干し、早速お酒 。
地元藤枝の地酒、「喜久酔」 純米吟醸。
口あたり爽やかで、さらさらと清らか、
はぁ~、静岡酒ってやっぱりいいなぁ…
「マグロのお刺身」は、焼津産。
サシがたっぷりと入った、見事な大トロ 。
採れたて、里芋の田楽にほっこりさせられ、
蓋のされた朱塗りの碗は…
これが絶品っ
「ながいけ」特製、「蕎麦の実とろろ」
大和芋と長芋をブレンドしたとろろは、
さらさらと軽く、とろとろ~。
青海苔の香ばしさに、蕎麦の実のぷちぷち食感。
頬がとろけるような、うっとりとする旨さ
…と、ふわふわ~と、たまらないい~い匂いが漂い、
置かれた「そばがき」は、「鴨汁仕立て」
じわりと鴨の旨みの染みた汁の旨さに、
その汁に浸った蕎麦がきが、凄すぎる 。
これはまるで、「蕎麦おはぎ」!。
ほとんどそのままの粒がびっしり、
ぷつぷつ、もちもち、ふわとろ。、
蕎麦の香ばしさと甘みが、鴨汁の旨みと混然となり、
くぅ~、これはたまらな~い
中に入った鴨肉も、臭み全くなく柔らかで、
さっぱりとしてジューシー 。
すっかり夢中でほうばり、
汁まで、残さず飲み干して…
揚げ蕎麦がトッピングされた「蕎麦サラダ」は…
中に、蕎麦が盛られた、ダブル蕎麦。
やや細めの蕎麦は、普通の「せいろそば」。
「せいろ」でも、甘皮が透け見える、繊細な美しさに、
はんなりとしてキリっとしたしっかりとした歯ごたえ。
もり汁ドレッシングがよく絡み、これも美味し~い 。
蕎麦前をたっぷりと楽しんで…
いよいよ、お目当ての、静岡興津在来の蕎麦三昧 。
「これをお出しします(^^)」
と見せて下さった、三種類の生蕎麦をじっくりと拝見し…、
まず出されたのは、
静岡興津在来種、「超粗挽き 10割蕎麦」。
思わず、唖然とする程の、超・超粗挽き。
さっき食べた蕎麦がきが、そのまま蕎麦になったような、
見事に繋がった、まるで蕎麦粒切り
しかも、この香りきたら…。
思わずのけぞりそうになる、野生味溢れた濃密な香り。
口の中で、豪快に転げまわる蕎麦粒に、
ジンジンと脳に響く、力強い大地の味わい。
押し寄せるような、濃縮したあまりの旨みに、
お酒よりも、この蕎麦に酔っちゃいそう…
頃合い見て2枚目、同じく超粗挽き、二八そば。
香り、旨みは、もちろん同じ、クラクラする程濃厚。
二八ならでは、こちらは、はらりとした優しさが加わり、
これっ、美味しいっ
十割は、毎日にはあまりにも強烈だけど、
これは…、毎日食べたいっ 。
最後は、常陸秋そばを極少量加えたブレンド。
芳ばしき香りも、しっとりと落ち着き、
どこかほっとするような味わいで、これも、いいなあ 。
それにしても、それにしても、改めて、
静岡在来の、パワー漲る味が凄いっ
…と、ここまで来たらやっぱり
「かけそば」も食べたくて…、
作って下さった、「ながいけ」のいつもの「かけそば」
淡く透けるかけ汁は、すっきりと柔らかく上品。
すぅ~っと体に染みる、優しい味わいに…
蕎麦は、汁を纏いながらもシャンっとした腰があり、
するるっと軽快、いくらでも食べられそう。
しかも、薬味と共に添えられた、
静岡特産、「生海苔」を散らせば、
ふわ~と広がる、磯の風味香ばしく、
ほろりと海苔の絡んだ蕎麦は、旨み満点 。
もう、充分満足、なんだ・け・ど…
粗挽きの「かけ」も食べてみたくて、
「切れちゃうかもしれませんよ」というのを、無理にお願いし、
作って頂いた「粗挽き」の「かけそば」
これこれこれ、これが粗挽きの「かけ」の醍醐味。
次第にほろろろ…と、溶けていく、独特の穀物感。
汁を吸った蕎麦の旨みが、口の中で一つになり、
ん~、たまらな~い 。
さすがに、かな~りお腹いっぱい。
しばし、蕎麦談義を楽しみつつ…
でも、これは別バラ 。
蕎麦粉100パーセント、
お嬢さんが作る、「蕎麦シフォン」は、ふわっふわっ、エアリー。
口どけよくとても軽やかで、甘さも控えめ上品。
そこに、蕎麦アイスを添えて…
はぁ~、幸せ…
美味しいお蕎麦に、楽しく興味深い蕎麦談義。
蕎麦デザートまで頂いて…
ご馳走様でした~。
たぐいまれなき、粗挽きの、
しかも希少な、静岡興津在来種の味の濃さ。
豊かな大地から育まれた、真の蕎麦の味を堪能し…
いつまでもこの蕎麦が食べられるように、
私も、伝え広め、大事にしていきたいな…
*11/6~21 臨時休業
「手打そば ながいけ」
静岡県藤枝市志太5-9-2
054-644-8518
11:30~14:30 夜は予約のみ
月曜、火曜、水曜定休(祝日営業)
禁煙
Pあり
お店のHP
2012年 4月25日 粗挽四兄弟・静岡在来種・さくら海老のつけ汁
2009年 9月25日 「粗挽き三兄弟」
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