今夜は、同じ時期に手術をした方と、ささやかに自分たちの快気祝いを。
出先から時間があったので、神楽坂のから駅ゆっくりと向かう。メインの通りに比べて静かなこの通りだけど、それでも所々に神楽坂の片鱗のあるお店が点在していて、この道もやっぱり楽しい。魚屋さん、和菓子屋さん、豆やさん...
そして、ふっと足元に小さな明かり。
そう これ、これ!この灯篭・・。
ちょっと謎めいた、心惹かれる小さな明かり。
さりげなく書かれた、小さな文字。
・・・と、ふと振り返ると
なんだか圧倒されるよう扉。こういうお店だったんだ・・・。
内側からの明かりが、重みのある格子を通して分散し、静かにもれている。
「巽蕎麦 志ま平」
ちょっとどきどきしながら、重圧感のある扉を引くと、思ったイメージと又違った懐かしいような空間が広がる。靴を脱いであがる店内は、畳が敷かれ、奥には昭和の匂いが漂う茶箪笥、そして暖かい電球の明かり。
掘り炬燵のカウンター席が、厨房に面してあり、その後ろには小さなちゃぶ台のようなテーブル席が2卓。広いとは言えない空間が、なんだかほっと心を休ませてくれる不思議な空気に満ちている。
すぐに、肌にしっくりとくるカウンターに腰を下ろすと、これまた途端に、既に馴染んだ場所に帰って来たような気持ちになってきてしまう。
この席・・、なんっていいんだろう~ 早くもすっかり憩えてしまってる。
まずは・・、とりあえずビールを。
お通しは、ガラスの器に添えられた
「蕎麦味噌」。
ひき肉の混じった蕎麦味噌は、ほんのり甘めでしかもコクがあり、非常に美味しい。
それから、ご主人にお任せで出して頂いたお料理の数々。
「蕎麦スープ」
冷静のスープで、とてもやさしい味わい。和風仕立てのスープで、下に蕎麦が沈んでる。上のトッピングの蕎麦が又香ばしくて・・、これは、朝起きぬけにでも飲みたいくらい。すごい気に入っちゃった。
冬には暖めて出してくれるそうで、それも飲んでみたいな~
雑誌で見てとても食べてみたかった
「出し巻き玉子」
ほんのり甘めの味付けで、ジューシーでふんわり。
しめじ、エノキ、三つ葉と焼かれていて、時々当たるしめじのしゃくしゃく感が非常にいい♪
この味付けは、かなり私好み。
・・と、なったらこの辺りでお酒を。こちらでは、「越乃影虎」「真澄」「獺祭」の三つ。
結局順番に頂いちゃう 。
お酒を頼むと、盆に乗せられた様々なお猪口から、好きなものを選んで・・。
こういうのって、とっても楽しい。
どれも素敵なお猪口ばかりで、迷うのが又うれしい。
酒器も変わってる。
銀製?の素敵なもの。
注ぐ度に楽しい酒器。
「蕎麦寿司」 と 「鮎の風干し」
さっぱりと寿司酢で味付けらた蕎麦で、海老ときゅうりが巻かれてる。これを生醤油で。
いろんな蕎麦寿司があるが、重くならず軽めのこの蕎麦寿司はとてもいい。
鮎の風干しは、骨までも柔らかく、身はふっくらとお酒のアテたまらない。
そして・・「そばがき」
粗挽き仕立てで作られたもので、もっちりとしながら、溶けて行く感覚。こちらも添えられたたっぷりの山葵と共に、生醤油で頂く。
(ちょっと食べちゃったっっ)
「大豆の芥子醤油和え?」 と 「蕎麦クレープ」
大豆にはきちんと味つけされていて、それでいて大豆の旨さを生かしたもの。これを、ぽちりぽちりと摘んでると、いくらでもお酒が入ってしまいそう。
蕎麦クレープは、味噌を縫って貝割れなどのなどの千切りの野菜を巻いて頂く。これが、思ったよりずっと軽くて、すんなり食べてしまった。。
・・・で、そろそろ、お目当てのお蕎麦に。(にしてもよく食べたなあ)
こちらでのお蕎麦は、「せいろ」と「深山」。だったらやっぱり、「二種盛り」をお願いする。
笊に盛られた二色の蕎麦に、そっと顔を寄せると、強烈に蕎麦のその香ばしい香りが立ち込める。
ん~・・ いい香り・・・。うっとりとしまいそう。
まずはせいろから。
ほんのり緑がかった蕎麦。その切り幅のザクッとした角の鋭さ。
そして、口に含むとほどよい腰加減に、濃厚な蕎麦の風味。蕎麦の甘みが豊かに広がる。そうそう、蕎麦ってこんなにも甘かったんだ・・と、久々に思い出す。
たおやかで、のど越しもいい、ああ、この蕎麦は美味しい。
そして、挽きぐるみの「深山そば」。
やや太切りで、色もちょっと濃い目の蕎麦で、所々に蕎麦の破片が散っている。
こちらは、ちょっとしっかりとかみ締めて食べる蕎麦。やはり蕎麦の風味も濃く、かみ締める程に、蕎麦の甘みを感じる。
どちらもつゆなしで食べてつくしそう。
私的にはどちらかと言うと、食べたその途端に広がっていく「せいろ」の方が好みかな・・。
つゆも、これまた上品な鰹の香りが立ったまろやかな辛汁。口に含むと「わぁ 」とつぶやいてしまうほどの鰹の香り。このつゆが又美味しい・・。
そして、珍しいのは、こちらでは湯桶が出されない。「蕎麦湯注ぎましょうか」と声をかけられ、「柚子もお入れしますか?」と聞かれる。
これが・・と、お願いすると、ナチュラルな蕎麦湯に柚子の皮がひとかけら浮いて出される。
初めて柚子風味の蕎麦湯を頂いたが、これがなんて相性いいんだろう。清々しく爽やかさな柚子の風味がかすめ、汁に洗練さを加えるような。
飲んだ後、食べた後のこの蕎麦湯はやみつきになりそう。
禅味会を経て、いくつかのお店を経験し、越谷で10数年お店を持ってきたご主人の、年月からくる自信からか、安定したこの蕎麦。完成度の高さも感じられ、安心して心から楽しめる。
ああ・・、このお店いいなぁ。ちょっと、とっておきにしておきたくなるようなこの空間。そして、この蕎麦・・。いや、蕎麦だけではもったいないような素晴らしいお料理の数々。
これまでのご主人の経験談などをおもしろく、そして興味深く聞かせて頂いているうちに、いつしか時の経つのも忘れてしまいそう。そして、時々、その開かれた窓から、道づたいに常連のお客様が声をかけていく、のどかな雰囲気さえもあって。
ん・・・、ここも又、隠れ家?いやいや、心休めの癒しの空間としてとっておきたいな。。
ご主人、今夜は本当にご馳走さまでした・・。
今度は、ふらり~と立ち寄ってしまうかも。そして、蕎麦スープと、お酒と、お蕎麦。
あ、今度、「かけそば」も頂いてみたいな・・・
「巽蕎麦 志ま平」
新宿区納戸町33
03-5261-8381
昼~14:00ごろ / 夕方~22:00ごろ
日曜休 (祝日営業)
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お写真、ブログを拝見していたら、私も訪れた時が思い出され、又、とおっても行きたくなってしまいました(^^)。
あの、あの、蕎麦スープが又美味しいんですよね~♪
こちらのお料理もどれもが美味しく、蕎麦も美味しくて…
あ、行こうっと(^^)
先日、志ま平さんに行ってきました。本格的なそば屋さんでのコースというのは初めてでした。とてもおいしく楽しめました。
また、遊びにきます。これからもよろしくお願いします。
ここは・・、そそっ、隠れ家・・とういうか。。
んー、帰り場所、みたいな気分のお店でした。
いいんですよ。。これが。
なんか、いろんな意味でそそられます。
先日神楽坂の蕎楽亭にうかがったのですが、夜からの営業とのことで入れませんでした。
たかさごも向かいのカルミネも行ったばかりなので、結局なにも食べずに帰っちゃいました。
蕎楽亭でテンプラ、ビール!!呪文のように心でつぶやいたりしてます。
はい、ここだったら、一人でも大丈夫。
わたしも、ちょっとお気に入りになっちゃった。
もっと、早く訪れていればよかった・・なんて思っちゃったほど。
ご主人もいいんです。
ただ、ちょっと不便な場所ではありますが・・(^^;;
かけはしさんこそぉ~。
川越に行きたくなっちゃったです・・。
「鎌倉」は、ぜんっぜん歩けない時に、むりやり行って、目の前を通ったことが・・。
川越もいっぱいお店ありますよね・・
お見せいただきました。
蕎麦スープとは、ちょっと珍しいですね。
それに、器が、みんなすばらしいですね。
ご主人の趣味が豊かな気がします。
神楽坂は、時々行くのですが、
蕎楽亭が一杯で、入れないことが多いのです。夜は、あんまり多いと一人だとなんとなく入りづらくて。
このお店だと、一人でも大丈夫そうですね。
行ってみたいいってみたいよぉぉぉん
ほんと素敵な店をたくさんご存知です
そう、このカウンター、あまりにしっくりくるものだから、もう途端に気に入ってしまいました。
ご主人もほんっとにいいし、そして後ろで控えるストイックな美青年も・・・♪
あ、帰りは飯田橋までタクっちゃいました~(^^::
なつきさんのブログもすごーく楽しいです。
特に最近、あまりになつかしくって、大好き♪
またまた、楽しみにしてます!
ちょびご飯もちゃんとつけてもらいました?
神楽坂、やっぱりいいですね~・・。
久々に訪れて、とてもよかったです!
ここは、いいですよ。
ぜひぜひ。後ではないです。
「たかさご」さんのはす向かいの角、おにぎりやさんの横です♪
ふるさとの山武杉を使った尺角の柱もご主人のこだわりです。
釜湯から直接注いで柚子を落とした蕎麦湯は何ともいえません。
ご主人とお話していると、本当に時間の経つのを忘れてしまいますよね。
直ぐにでも行きたくなりました。
それにしても、帰りもあの登りを神楽坂まで歩かれたのですか?
それを表すyukaさんの文がまた良いっすね。
最近、ついつい来店から文を書くまでの時間が
空き過ぎる傾向のせいで活きた文が書けません。
もっとちゃんと書かないとな、と思っちゃいました。
で早速、コメントをしようと覗いてみたら「巽蕎麦 志ま平」の話題が・・・。神楽坂大好き人間の私としては又神楽坂にいきたくなりました。その時はココに寄ってみます・・・。
もりです。
残念。
昨日、このちょっと手前のビルで13:30~17:30のセミナーを受けていたのです。
蕎楽亭は引越してしまったし…、と思い、市ヶ谷寄りの適当なところで食事をしてしまいました。
残念。もう少し神楽坂寄りに歩いてみれば良かった。
今度行ってみます。ところでここは蕎楽亭の後というわけではないのですよね?
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