寒さが増すに従い思い出す、「あの」蕎麦。
去年はぐずぐずしているうちに食べ逃してしまったけれど、
今年は是非にも、食べておきたい 。
このところの寒さに、じわじわと想いが募り…
冬至の今朝は又寒さひとしお、
もーう、我慢できず、仕事を済ませ即効向かった小岩駅。
師走のどこか慌しさ感じる、駅前の賑わいを通り過ぎ、
ちょこちょこと飲食店が並ぶ路地は、昼間はひっそり。
その中に、すっと粋な風情で佇むお店。
早ほぼ2年ぶり、途端に懐かしい心地で胸がいっぱい 。
ゆっくりと近づくと…、おっ、
本日の二八は「柚子切り」、これはうれし~い。
小岩 「手打ちそば 蕪村居」
既に13時を過ぎた時間、昼時の混雑は過ぎたかな、
と扉を引き入ったら…、こりゃすごいっ、
テーブル席は、重役(っぽい)スーツ姿のおじ様達のお昼の宴会 。
和やかに、このお店を楽しんでいる様子が微笑ましく…
奥のカウンタ席を見れば、ここもお客さんがぎっしり。
何とか一席だけ空いていた椅子に、詰めて座らせて頂いて…
ようやく、ご主人にご無沙汰していたご挨拶 。
ここに来たら、やっぱり、一献頂かなくちゃ。
と、早速品書きを眺め、「燗酒」の中から選んだ「日置桜」。
丁寧に燗し出された徳利に、籠に入った猪口から好みを選び…
口当たり柔らかな熱燗が、しみじみと美味しい 。
添えて出された、柚子の甘露煮をつまんでいると…
思いがけない偶然、お会いしたいと思っていた方が来店し、
カウンターに並んで腰を下ろして下さり…
おまかせで、作って頂いた「酒肴三種盛り」
美味しそうだなーと眺めていた、壁に貼られていた品書きが、
少しずつ盛られた、酒飲みにうれしい素敵な一皿 。
ぷりっとした弾力ある「板わさ」は、旨み濃く上質、
はらりとかけられた「山葵海苔は、
ツーンと山葵が利き、これだけでもお酒が飲めちゃいそう…
色鮮やか、艶々とした「関鯖」昆布〆の美味しさと言ったら・・・
「あんきも」には、葛坪かぶのおろしが盛られ、
大根とは違う鮮烈な風味に、かかった自家製ポン酢がぴたり。
臭みまったくなく、ほんのり甘みの広がるアンキモに、
口にする熱燗が、たまらない…
すっかり寛ぎ楽しんでいると、「よかったら飲んでみて」
と出して下さった「蜂蜜のお酒」、「Love Mead」
鳥取の養蜂場で作られたお酒だそうで、これが、美味し~い。
柔らかな甘さの中に、ふわりと残る蜂蜜の香味。
三人ですっかり楽しませて頂いて…
そろそろお目当てのお蕎麦を頂こう 。
…が、「柚子切り」が気になりをお聞きすると、
さすがご主人、更科粉の「柚子切り」ではなく、
通常の二八蕎麦に、柚子皮をすり交ぜ、打たれたのだそう 。
「「柚子切り」は「かけ」が美味しいよね(^^)」、
の言葉は、常々私も思っていた事、とてもうれしく…
お目当ての「湯だくそば」はもちろん食べたいし、
「柚子切り」の「かけ」も、食べたい。
…お願いして、半々で作って頂く事に 。
まずはお目当ての「湯だくそば」。
柚子の風味も味わえるように、と今日は生姜は別盛りで 。
湯気立てる蕎麦湯に浸るは、楚々とした柚子切り。
まずはそのまま口にすれば…
温められた蕎麦から、ふわっと広がる柚子の香り。
しっとりと蕎麦湯が染みた蕎麦は、しなやかで優しく、
噛みしめれば、蕎麦の風味に柚子香が追い掛けてくる。
更科での柚子切りとは又違う、これはいいなあ~。
そして…、いよいよ、熱々餡仕立ての汁に浸せば、
出汁の利いた汁がとろりと絡まり、これがたまらな~い 。
しばしそのまま、蕎麦に柚子の香りをはふはふと楽しんで…
途中で、別添えのたっぷりの生姜を沈め…
汁と共にたっぷり絡めて口にすれば…
やっぱり、これは、美味っし~いっ
口にした途端に、さぁっと広がる生姜の風味。
手繰る毎にかっかっと体の芯から暖まるのを感じながら、
もう手繰る手が止められない。
冬だというのに、額には汗が吹き出し、すっかり夢中。
一方、隣に座れた御仁は、「下仁田そば」。
この時期だけ、「本当に」下仁田で採れた葱で作る蕎麦だそうで…
ちょっと汁を頂いてみたら、
こっ、これが又、がっしり心掴まれる程の美味しいかけ汁 。
鴨の脂でじっくりと焼いた下仁田葱の甘みがやわらかく染み、
さらに、大ぶりの鴨つくねの旨さが濃厚に広がる。
知らなかった、なんて魅惑的な蕎麦だろう…。
次来た時にまだあったら、絶対これを食べよう!
と途端に心に誓いながら…
続いて、「柚子切り」の「かけそば」ハーフ。
まずは、蓮華で汁を口に含めば、
ああ、これも又なんて、美味しいかけ汁…。
出汁の旨みがしっかりと染み、その中にほのかに広がる柚子の香り、
飲んだ体を労わるように、じわりじわりと満たしていく。
中の蕎麦は、温蕎麦でありながら、しゃきっとした腰があり頼もしく、
汁と共に広がる柚子の味わいがたまらない 。
やっぱり…、「柚子切り」のかけはいいなあ。
あまりに美味しく、するすると食べてしまい…
久しぶりの「蕪村居」さんの蕎麦があまりに美味しく、
ついつい、「十割蕎麦」のハーフも追加で注文。
出された蕎麦に、思わずごくりと唾を飲む。
なんと、荒々しく野趣長けた蕎麦だろう…。
玄挽きグレー色帯びた蕎麦は、ごつごつと埋まる蕎麦の欠片。
一瞬見とれ、手繰り上げれば…
あ!、こっ、これは、たまらな~い、だだ茶豆フレーバー。
聞けば、やはり!♪、
一日熟成させた「熟成蕎麦」だそうで、も~う途端にうっとり 。
口にすれば、もっちもっちとしたしっかりとした歯ごたえに、
染み出てくるように広がる、豆系のたまらない香ばしき甘み。
こ、これも又美味しい~
辛味大根の薬味がこれに実によく合い、
後は、手繰る手が止められずにぱくぱく。
ああ、美味しかった…
と、満足な心地一杯で熱々蕎麦湯を頂いて、
体の芯から暖まり、ご主人と御仁とのひと時に心も暖まり…
ご馳走様でした~
次は…、「下仁田そば」を頂こうっと。
I様、ありがとうございました~
「蕪村居 BUSON-kyo 」
江戸川区西小岩1-29-5
03-5889-2810
11:30~14:30 / 17:30~21:00
月曜・火曜定休
2010年 1月15日 「さつま揚げ」に「湯だくそば」
2009年 7月29日 特別?「Beerランチ」
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思いがけずの楽しいひとときありがとうございました(^^)。
又ぜひ、どちらかでご一緒できたら、と思っています。これからもよろしくお願い致します。
と思っていたんです。
被ってもらえるの、なんだか私もとってもうれしい。
湯だく、良く考えた品書きですよね(^^)。
おっしゃる通り、柚子香が、ほんのり蕎麦湯に広がり、又格別でした。
生姜が、寒さに又たまらなくて…。
冬至にいいお蕎麦になりました。
でも、ご主人曰く、夏でもオススメとの事。これはやっぱり「いい」蕎麦です。
しかも、柚子切りで食べられて、ラッキーでした(^^)。
下仁田蕎麦も、ものすごーく美味しかったですよ♪
そうなんです、年に何回か、酒蔵周りをしたり、集まったりしているそうです。
「日置桜」の熱燗は、多分ここで頂いたのが初めてだったかもしれないです。
私も大好きな燗酒。
美味しく頂きました(u_u*)~。
よしのさんと同じお酒を堪能した事、密かにうれしかったりします。
と選ぶのですが、yukaさんが同じ物を注文してくれると勝手にガッツポーズしてます。
yukaさんと好みが似ているらしく、よく被るんです。なんか嬉しい。
「湯だくそば(柚子切り)」魅力的ですね。「湯」に柚子の香りが移って美味しそう。
お蕎麦を食べた後に美味しい蕎麦湯が出でくると、幸福感が倍増しますよね。
湯だくそば食べに行きたいんだけど、まだまだ早いかな・・・。
2月頃に極寒の中訪れて食べる湯だくそば・・・。
ありゃ神様の食べ物ですねぇ~~。
駅までは寒い思いしないで歩けます(笑)。
その酒屋さんでお薦めの一つが「日置櫻」であり、同じ鳥取の
「梅津」であったりします。純米レベルでもかなり個性の際立つ
蔵がすぐ近くにあるというのも羨ましい環境。
当方はこのところこれらの酒を中心に、燗酒ライフを楽しんでおります。
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
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