下町とはいえ、どこか文学的な情緒を感じさせる街。
いたるところに、昔の文人の面影を感じる。。
根津の駅を上り、不忍通りを歩くこと数分。丁度、「根津神社入り口」の交差点に町に溶け込んだような、風情のいい小底な店が信号向こうに見えた。
「よし房 凛」
んー、なんかとっても好きな感じ。上品でいながら蕎麦屋風情を漂わせているというか。。
丁度帰る先客と入れ替わりに、店の扉を入る。
表から受けた印象より、ずっと小じんまりとした空間。すべてを和で統一した、根津の雰囲気そのまま。2人がけのテーブル4つと、4人がけのテーブルがふたつのみ。
それぞれのテーブルは、皆、きちんとセッティングされている。
奥の席に通されて、ふっと落ち着く。
品書きを手にとりながら、前を見ると、打ち場から客席に見えるように、「本日のせいろそば」と書かれ、「北海道 斜里産」と出ている。
横にはランチの限定メニューかな?
「ごぼう天そば」「ぶっかけ磯おろしそば」「揚げもちそば」
せっかくなので・・と、「ごぼう天そば」を頂くことに。
蕎麦は、「せいろ」と「田舎」があったので、「田舎」そばを選ぶ。
ちょっとした、行き違いがあったのに、お店の人の言葉に言いつくせない丁寧なもてなしがうれしかったな。。
結局、ごぼう天せいろそばを頂くことに。
まずは、薬味とつゆが出される。
ネギ、山葵、大根おろし。
どれも丁寧な作り。
ほどなくして、「ごぼう天せいろそば」。
ほぉっ。。いい感じ。
中細切り~中太切りくらいの、蕎麦の粒のしっかりと見えたグレーの蕎麦。
まずは・・と蕎麦を頂くと、しっかりとかみ応えのある蕎麦。ぎゅっと締まったような穀物感があり、蕎麦の風味が濃い。
香ばしいような香りと共に、蕎麦の味が口に広がる。
つゆは、まろやかな辛口のもので、あまり濃くないのでどっぷりつけても蕎麦の風味を全く邪魔せずに、さらにおいしい。
これは・・なかなかいいなぁ。。
蕎麦の風味が、どんどん広がる感覚。田舎独特の、どこかもちっとした部分も、又おもしろく感じる。
天ぷらもさくさくと揚げてある。
ごぼうのしゃきしゃき感はそのままで、添えられた塩でも、天つゆでもどちらでも楽しめるもの。
これ、一品で飲めちゃいそうだなぁ。。
そして・・・
わたしの大好きな蕎麦湯は、白濁したもの。
こってりしてないので、さらさらと飲めるのもいい。
しかも!つゆを含めなくても、蕎麦の味が濃いのでなんだか、非常においしく感じる。
うん!すごくおいしい蕎麦湯。。
お店の人の対応のよさ、店の小ぎれいにまとめあげらた様子。
そして蕎麦・・
これはいいお店に出会えた気分。。昼なので、つまみや酒のメニューがなくよくわからないけど昼ぷらっとくるにも、すごくうれしい。
遅れて入って来られた初老の男性の頼んだ「せいろ」は緑がかった瑞々しい細切りのもので、こちらにも興味がもたれる。。
勘定を・・と思い席を立ち、
北海道だから・・と「新そばはまだなんですか?」と尋ねると、「いえ・・実際はもう、新そばなんですが、まだ香りが弱いのであえて、出していないんです」と。
すごい・・なんというか、この蕎麦打ち人としてのプライドの高さを見た気がした。
さらに蕎麦について尋ねると、「田舎」は外イチとのこと。「せいろ」は二八で打っています・・・。と。そのすべてに、実直に答えてくれる姿もとても好感が持てる。。
ああ・・・、ここもいいなぁ。。
今日は、本当に・・・、ご馳走さまでした。
今度は、「せいろ」を食べに来て見よう・・・。
*お品書き
せいろ 700円、田舎 700円、大せいろ 1,000円、鴨せいろ 1,500円、
つけとろ 900円、かき揚げ 1,300円、越前おろし 900円、
山かけ 900円、地蔵 900円、梅そば 1,000円、鴨南蛮 1,500円など・
根津 「よし房 凛」
文京区根津2-36-1
03-3823-8454
11:00~15:00 / 17:30~20:30
火曜日休
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よさそうですね!
ここは、店内も落ちついていて、
料理も美味しく、
とても、気に入りました!
こちらにも、TBさせていだきます。
女性が入りやすい空気でいて、根津の雰囲気のある・・いいお店ですよね。。
すごくよかったです。
蕎麦喰い師さまの酒器を、リクエストすればよかった~です。
また次回!
お酒は磯自慢や…何種かありましたよ、yukaさん。
おしっ、次回は夕暮れに・・・(^^)
そして、冷やしたガラスのコップと揃いのガラスの片口でお酒を・・・。あ、お酒は何があるのかなぁ。楽しみ♪
季節によって変わる肴類は美味しいですよ。
その折には、山梨君に「冷たく冷やしたガラスのカップと、お揃いのガラスの片口で冷酒下さい」と頼むと良いですよ。
私の趣味がわかるかも・・
よかったです。まったく、どこにしようか迷ったくらい、このあたりは密集してますね。ちょっと、このあたりに行く機会があるので、いろいろ行ってみたいです。
>じゅんさま
働いていたのいつくらいなのかしら。もしかしたら、まだお店ができる前だったかもしれないですよ。ぜひ、行ってみてください。それにあのあたりもいい感じの町ですね♪
えっ?情報??今って氾濫してますもの。。
>もり様
そう、よかったです。雰囲気も、お店の方の対応もよかったんです。
んー、でも、根津に一泊して、朝酒ー昼酒。。さすが、もりさんですね(^^)(でも・・・やってみたい。。)
「鷹匠」にも行ってみたいのですが、せっかくだから、と朝を狙うとなかなか。。(9時半まで??)普通に行こうとおもいますっ。
>ななこま様
はいっ♪。ついに文京区でびゅー。
でも、なぜ、今まで文京区がなかったのが不思議なくらい、たくさんあるんですよね。これから、文京区ばっかりになっちゃったりして。。
心に決めた4軒?そういうの、いいな・・・って思います。
店の前通ることはありますが、未体験。
うん、鷹匠もすぐそこですよね。量はふつうくらいですか?(笑)酒なし、ひとり夜蕎麦、できるかな。でも、わたし、心にきめた4軒に通うのが精一杯で。なかなか。
もりです。
この夏に行きました。味も雰囲気もいい店ですね。きりっとしたせいろが印象に残っています。
そのときは、「凛」で一杯やって、同じ東京なのになぜか根津に一泊。
翌朝は「鷹匠」で朝酒朝蕎麦。しばらくうろうろして酔い覚まし「日曜庵」で昼酒、という至福の蕎麦三昧をしたことがあります。
なんか呑んでばかりだね…。
それにしてもいろんな蕎麦屋に行かれてますね。すごい。どこからそんな情報を集めてるんですか?
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