「私の作った石臼を使ってるお店が横浜に出来たので、是非行ってみて」
と言われ、ずっとずっと気になっていた、多摩プラーザにあるお店。
雨天のため、予定がキャンセルになってしまったという横浜の友人から、
「行きたがってたよね~」
とお昼に誘われ、それはもう二つ返事
朝方の花活けの仕事を済ますと、足取りも軽く電車に乗り込む。
初めて降り立つ「たまプラーザ」は、田園都市沿線特有のハイソでお洒落な雰囲気漂う。
待ち合わせた友人と、駅から伸びるゆるい坂道を歩いて行くと、素敵な家々の並ぶ住宅街の中の一角に、ふっと佇むお店に出くわす。
シンプルに何の飾り付けもなく塗られた土壁に、すっと下ろされたまっ白の暖簾。
横にさりげなく木の看板が掛けられただけのお店は、どこか禅の趣をも感じさせる。
たまプラーザ 「手打そば 風来蕎」
扉の下にそっと置かれた苔玉に目を落としつつ、扉を開く。
開けた途端、目の前に広がるのはしっとりと照明が落とされ柔らかい灯りで満たされた空間。
テーブル席が5つ程に、小上がりの席がふたつ。決して広くはない店内だが、敷居が全くないひとつのフロアは、開放感も感じられる。
柔らかい木肌のテーブルに、所々に置かれた和の調度品。モダンでありながら、和の要素たっぷりの落ち着いた雰囲気は、ほっと心和ませる。
丁度昼時、奥のテーブル席では何人かの女性のグループが既にお昼を楽しんでいるようで、我々は窓際のテーブルに腰を下ろす。
テーブルの上には、そっと置かれたふたつの品書き。
お目当ての「手挽きせいろ」に旬のお蕎麦の品書きを見ながら、まずは・・・、肌寒いような天気ではあったが、歩いてきた喉を閏わせたくて、ビールをお願いする。
充てに出されたのは、こりゃ、日本酒を頂きたくなってしまう、こってりとし旨味の凝縮した「豆腐の味噌漬け」。
ずっと楽しみにしていたお店 。
今日はちょっとゆっくりとしよう~と、数量限定の「手挽き蕎麦」を後でお願いしますので、と取っておいてもらい、その前にお料理をいくつか頼む。
きりっと和服に身を包んだ若女将さんのご実家は、お豆腐やさんだそうで、豊富に並ぶ豆腐料理をうれしく見つめながら選んだのは・・・
盛られた器も美しい、「自家製 湯葉刺」。
それにちょっと珍しい「おぼろ豆腐のあんかけ」
味のしっかりとしたおぼろ豆腐に、空豆入りのとろりとした餡がかかり、これは美味しい
これは是非、お酒と合わせたい一品。
そして、ビールに合わせたく頼んだ「天ぷらの盛り合わせ」は、とっても豪華。
旬のこごみに、インゲン、ズッキーニ、エリンギ、ナス、コシアブラに、味の濃いしっかりとした海老。薄めの衣でカリっと揚げられた天ぷらは軽やかで、それぞれの素材の良さが生きている。
添えられた粗塩で、天つゆで、と会話を楽しみながら頂き、そろそろお酒を頂こうか・・、
と思っていたら~
突然、女将さんがお盆を手に「手挽きせいろ」です、と目の前に 。。
「えっ?お蕎麦は後でお願いします、と言う事だったんですけど・・・」
と言うと、
「はい、だから・・・、後からお持ちしました」
と・・・。
い、いや、だから、後でお願いしますとお声をかけます、という意味だったのだが・・・
「すみません・・・、でも、手挽き、今日はこれが最後なんです」
と言われては、頂かないわけにはいかん。お料理は後回しにして、お蕎麦を頂くことに・・・。
気を取り直して向き合った手挽き蕎麦は、細かな蕎麦の欠片が所々に埋め込まれた細切りの蕎麦。
手繰り上げ顔を寄せると、ふわりと穀物の香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
口に含むと、しっとりしなやかな腰。噛み締めると、次第に広がる穀物の甘みが濃い。
ざらつき感はあまりないものの、穀物感のある蕎麦で手挽きの良さが出されている。ただ、ちょっと短めで、最後には切れ切れの蕎麦がちょっと気になったが、友人曰く、「いつもはもっと繋がりがいいんだけど・・・」とのことなので、今日はたまたまなのかな。
甘辛の程よい加減の、出汁の香る汁も蕎麦に良く合い、とろとろに白濁した蕎麦湯を注ぎいれ頂くと、これがとても美味しい。
たっぷりこの蕎麦湯を頂き、残りのお料理を頂いて・・・、
やや、どこか心残りな気持ちはありつつも、美味しいお料理に手挽きのお蕎麦を頂けたことは、満足満足。
帰り際、顔を出して下さったご主人は、優しそう~な暖かみのある素敵な方。「蕎楽」さんのお話から、お蕎麦のお話をちょっとさせて頂いていると、お人柄の良さを感じられる。
「今日はちょっと短くなっちゃったんですが・・・」とのお蕎麦は、会津のお蕎麦だそうで、話しているうちに親しみを感じてくる。
今日は、ゆっくりと蕎麦前を・・を出来なかったのが残念だったけど、訪れられた事に大満足。
ご馳走様でした~
いずれ又、今度はゆっくりとさせて頂きに来よう~。
何だか、久しぶりに「蕎楽」さんにも、行きたくなっちゃったなぁ・・・
*お品書き
せいろ、かけ 750円、手挽き 950円、辛味おろし 900円、生湯葉せいろ 1,100円、自然薯せいろ 1,450円、天せいろ 1,600円、生湯葉蕎麦 1,300円、自然薯かけとろ 1,450円、鴨南蛮 1,680円など
そばみそ、鴨わさ 450円、そばがき 850円、おぼろ豆腐 400円、あんかけおぼろ豆腐 650円、ゆば刺し 600円、くじら竜田揚げ、米茄子田楽 680円、鴨ロースのあぶり 1,050円、鴨と揚げ茄子のくわ焼き 890円、出し巻き 740円、天ぷら盛り合わせ 1,500円
ビール 600円、ノンアルコールビール 500円、獺祭、貴、雁木、五きょう 700円~
「手打そば 風來蕎」
神奈川県横浜市青葉区美しが丘4-19-19
045-904-8345
11:30~15:00 / 18:00~20:30
水曜、第3火曜定休
禁煙 P6台
お店のHP
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そういうことが(^^;;
やっぱり、ゆっくり蕎麦前を楽しみたかったので、それが心残りです。
まぁ最後の手弾きですと言われれば、
>頂かないわけにはいかん。
ですよねぇ。(笑)
お蕎麦とお豆腐美味しかったです。
蕎楽さんの、ご主人の作った石臼♪♪
覗いて見せてもらいたくなっちゃいました(^^)
ところで、豆腐あんかけ、
これ、いいですよね。
女将さんのご実家がどこなのかは分からなかったのですが・・・。
参考までに、ご主人の故郷は山口だそうです。
その山口の俳人、種田山頭火の暮らしていた「風来居」にちなんだ、お名前、だそうですよ。
僕も蕎楽さんの粉で打ったことあります
いつか訪ねてみますね
やっぱり
でも、拙者の住んでる長○田は・・・
あそこは田園都市線沿線じゃなくて
横浜線沿線なんだな・・・きっと
拙者も長年田園都市線で生活してますが
実は「たまぷ」はあんまり降りたことが無い
青葉台が近いのでなんでも青葉台で
済ませちゃうんだよね~
あざみ野とか美味しい蕎麦屋が隠れてそうな
雰囲気をぷんぷんさせてるので
あの辺の探検は必要だよなー
とは思ってるんですけどね
豆腐のあんかけですが
去年、色々ありまして新潟のお葬式と
四十九日の法要に参加しまして
寂しい中、お鬨に豆腐のあんかけが
本葬の時も四十九日にも出てきたので
この辺では多いのかなぁとか
思ったもので
それがホントこの写真みたいな感じなの
若女将さんもしかして湯沢あたりの
ご出身だったり?
とか思いました
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