扉を開けば、しっぽりと落とした照明の、
和風でモダンな心地のいい店内。



一人と告げ、奥のカウンター席に通されて、
出されたお茶をすすり開いた、お酒の品書き 。



燗酒で頂くなら、、、



相談し、お薦めされた、「豊の秋」。
ちろりの入った燗付け器で、温度もぴたり、
はぁ～、熱燗って、ほんっと、しみじみ、いいな～ 。



お通しのブロッコリーをつまみながら、一品料理を吟味。

熱燗には、大げさでなく素朴な料理がいいなぁ、
「五目ひじき煮」をお願いしたら、
残念、昼で売り切れたそうなので…、

「おかひじきと桜えびのかき揚げ」を　。



頼むと出される、岩塩に卸がね。
ガリガリゴリゴリ擦っていると…



おかひじきに変え春菊で揚げられた、小さなかき揚げ3っつ。
上にそっと盛られたウルイがうれしく、
雑誌を捲り、しばし楽しませて頂いて…、



今日は、温かい蕎麦を食べてみようかな、
と改めて品書きを手にとり、
季節の、ちょっと気になる「ねぎまそば」に、



「おぼろ月見そば」もいいなあ、
と、見ていたら…

「おかひじきが終わってしまってすみません」
張のあるご主人の声、振り返ると、
「いい時にいらっしゃいました、今、これがあるんですよ(^^)」



ご主人の手から、目の前に置かれた、
「寒晒しそば」の案内のハガキ。

こ、ここで「寒晒し蕎麦」に出会えるとはっ 。
しかも、金砂郷常陸秋そばを、
子供の頃遊んだ、懐かしい久慈川に晒した蕎麦だそう。

途端に嬉しく、しばし金砂郷の蕎麦話で盛り上がり、
これはも～う、「温かいそば」はやめ、
この「寒晒し蕎麦」を頂こう 。



蕎麦の注文に、厨房に戻ったご主人、
そして程なく届いた、金砂郷の「寒晒しそば」



笊にふわっと盛られた蕎麦は、ほのかな緑色、
真ん中に辛味大根が盛られているのが、「光琳流」



手繰れば、甘やかな香りがふわ～り。

流水に浸し、風に晒した蕎麦は、
たおやかでもちもち、シコっ。

野性的な蕎麦とは違う、えぐみや雑味が抜けた、
すっきりとして、蕎麦本来の上品な甘みが広がる。
ああ…、美味しいなあ 。



そのままでじっくり味わい、
出汁まろやかな汁で味わい、
辛味大根がさらに甘みを引き立て、これがいい 。



あっという間に手繰ってしまい、
程よく濁った蕎麦湯をゆっくりと頂いて・・・

ご馳走さまでした～

「どうでしたか？、またいらっしゃい」
にっこりと話しかけて下さるご主人が心に残り…、
すっかりご無沙汰してたけど、又ぜひ、伺います 。

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