恒例の毎年ちょっと遅めの夏旅行。
今年は東名高速を使って名古屋まで行ってみよう~♪と決め、間際になって、いくつかの宿を押さえ、いよいよ出発
まず目指すは、お昼を取ろうと決めていた沼津まで 。
長野県上村で細々と作られている農家の玄蕎麦に拘り、そこの農家を支えながら、完全天日干し、手狩りされた蕎麦だけで、しかもすべて手挽き打っているというお店。そんなご主人の心や、熱心さに惹かれ、是非伺ってみたい・・・。
と、沼津インターへといくつかのSAに寄り、時間調整をしながら、到着。
インターを折り、カーナビに従って進むと、すぐ!
のどかな通り沿いに、しっかりとした文字の看板が目に留まる。
手作りで作られたような、温かみのある看板。入るとたっぷりとられた駐車場があり、車を止めてお店へと。
よく手入れされた庭木に囲まれた清楚なお店。
・・・が、まだ11時ちょっと前、暖簾が出されるまで、待っていると・・・
「あら、・・・いらっしゃいませ 」、
と、にこやかな笑顔で奥様が出てきて下さり、暖簾が下ろされる。
沼津 「自家製粉石臼挽 蕎麦 ふく田(ふくでん)」
奥様に通され、暖簾の先の扉を開くと、打ち場を横にして玄関があり、靴箱の上には、上村の玄蕎麦、ぬき実に並んで、他の産地のそばの実が比べられるように置かれてる。
それに目を落としながら、靴を脱いで店内へ。
ゆったりとしたテーブル席が5卓置かれただけの、広々とした一つの床の間。
窓際の奥のテーブル席を選び腰を下ろすと、中庭が見渡され、差し込んだ日差しに所々照らされた草木がほがらかで、のんびりとした心地になってくる 。
すぐに奥様が、たっぷりとガラスの急須に美味しい蕎麦茶を出して下さり、置かれている品書きから、蕎麦をしっかりと堪能したく、迷わず「もりそば」をお願いする。
待ちながら、品書きの裏に書かれている蕎麦について、読んでいると、ご主人のこの蕎麦に対する気持ちが伝わってくるよう・・・。
と、ゆっくりと見ていると、程なく目の前に「もりそば」が置かれる。
天日干し、手刈りされ、石臼で手挽きされた十割の蕎麦。
エッジのきりりと立った、切り幅にもムラのない、丹精な細切り。
手繰り寄せると、通り過ぎる風のように軽やかな香りが感じられる。
口に含むとすぐに感じる、非常にもちもちとした口当たり。
穀物の持つ弾力のような感じを楽しみながら、噛み締めると蕎麦のしみじみとした味わいが柔らかく漂ってくる。
素朴でそれで暖かみを感じる蕎麦を頂いていると、天日干しされている蕎麦の情景が浮かんでくるよう・・・
汁は鰹の風味がふわりと立つ、とてもまろやかな汁で、すぅ~っと入り、体に馴染むような汁で、とても美味しい。
蕎麦に絡め頂くと、さらに蕎麦の風味を高めるもので、穀物の旨さを引き立てる。
さらにさすが静岡。添えられた山葵は瑞々しく甘みのある山葵にも感動しつつ、するするとあっと言う間に頂いてしまう蕎麦。
最後に優しく白濁した蕎麦湯を注ぎいれ頂くと、ほおっとほのぼのとした心地を感じてきてしまう。
にこやかな奥様の応対も心地よく、お勘定をしようと席をたつと、何やらゴロゴロ・・・と、どこで聞いたような音が耳に入り・・・
靴を履こうとしたら、ご主人が打ち場で石臼を回してる
まだお若そうなご主人が、丁寧に丁寧に回す姿をしばし見つめていると、何か暖かなものを感じてくるよう。
貴重な上村の蕎麦のみでご主人が丁寧に挽き打った蕎麦。こんなお蕎麦屋さんもあるんだなぁ、と頂けたことを幸せに感じながら、しみじみとした心地に・・・。
ご馳走さまでした~
又いつか、気になった、「季節のかおず盛り合わせ」などで一献傾けながら、訪れてみたい、な・・・
*お品書き
天せいろ 1,600円、もりと季節のおかず盛り合わせ 1.400円、天ぷらおろし 1,300円、おろし 900円、もり 800円、おかわり 700円、天かけ 1,350円、かけ 840円
季節のおかず盛り合わせ 740円、天ぷらの盛り合わせ 1,050円、季節野菜の天ぷら 1,100円、手作りさしみこんにゃく 650円、お新香 550円、手挽きそばがき 1,260円
自家製粉石臼挽
「蕎麦 ふく田」
静岡県沼津市岡宮1433-7
055-926-7284
11:00~19:00
月曜定休日 P有り
禁煙
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そうそう、お勘定の際に、女将さんにお聞きしたら、お蕎麦もすべて手挽きだそうですよ。
暇さえあれば、ごろごろ挽いているんだそうです。
蕎麦掻も食べてみたかったのですが、3時以降~になっていて・・・。
ほんっと、皆さんに言われれば言われるほど、あの「おかずの盛り合わせ」や、手作り刺身こんにゃくが食べてみたかった・・・
と後悔したり。
ええっと、「河東」さんで、ベーコン(?)を分けてもらって、「三つ割菊」さん・・・。
こりゃ、今度は電車を乗り継いで行ってみようかしらん~(^^)
靴を履こうとしたら、ご主人が打ち場で石臼を回してる
手挽きの蕎麦粉は全て蕎麦掻き用です。
つまりオーダーを受けてからおもむろに・・・
ゴロゴロやりだすのです。
おかずの盛り合わせは抜群のコストパフォーマンスでもあります
もうチョット南下して韮山反射炉目指して・・・
下田街道を左折する信号の右手の「河東」っていうお蕎麦屋さんもれっきとした手打で(打った蕎麦をカントリークラブに納入しています)素朴な田舎の十割蕎麦です。
「ふく田」で少々、「河東」で”お腹一杯だから自家製のベーコンわけて?(これ無茶美味しい)”っと無茶を言ってベーコンを手に入れ、韮山カントリークラブ方面に一っ走り・・・そこにも「三つ割菊」が控えてます。三つ割菊の店主夫妻は良い人ですよ。肴が無い翁系のメニュー、よってここでベーコンが・・
またそのうち行ってみると楽しいかもしれませんよ。
すごくすごく、気になったんです。「季節のおかず盛り合わせ」。
そうなんです、次の目論見がなかったら絶対頼んでいたのですが・・・。
(しかも、車だから飲めないし~・・・と)。
次回は、食べます!
心に残ってしまいました~(^^;;
でも、さすがManoa様、こちらにも伺っていたんですね♪
あんまり、インターから近いのでびっくりしてしまいました。
お料理・・
そうなのですか。。
いや、本当はとてもとても気になっていたのですが、次をもくろんでいたものだから。。
ぜひ!
今度は、飲める状況で行ってきたいと思います♪
絶対マストだったのに。
見た目は地味だけど、しみじみ美味い惣菜なんですよ。
天ぷらもかなりレベル高いと思います。
が、次に宮本にも行くつもりだったのですね。
仕方ないか。
ここはお料理も美味しいですよ。また是非伺ってみたいです。
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