すでに3時。近くにある大好きなお店も3時ではお仕舞いになっているはず・・・と、久々に浜田山のお店に寄ってみることに。
コンクリの壁に囲まれ、楚々とした佇まいは相変わらず。それでも、中休みなく営業していてくれるのが、何よりもうれしい。
浜田山 「安藤」
がらがらがら・・と扉を開けると、待っていましたどばかりに迎えて下さる大奥様。「朝は寒かったのに、あったかくなったわよね~」と声をかけて下さり、入り口近くのテーブル席に腰を下ろす。
派手さはないけど、この北欧のリビングに訪れたかのような、ゆったりとした空気の流れる店内は、やっぱり落ち着く・・・
この時間、先客は一人のみ。
ゆっくりと暖炉の前で、やはりお酒を頂いているよう・・。
私も、もう今日は用事がないことだし、少しだけ、と「枡酒」をお願いする。
大奥様が運んでくださり、注いでくれた枡酒。こちらのお酒は「東北泉」。
すっきりとした口当たりに、ふわりと香る樽の香りにしみじみとした心地を感じさせられる。横には、きちんと「お決まり」の粗塩も添えられて。
それと、以前から頼んでみたいと思っていた「御新香」をお願いすると、たっぷりと盛られた白菜の漬物が出される。こ、こんなに・・?と思ったお漬物。だが、白菜の自然な甘みがとても濃い、とっても美味しいお漬物。
花番さんにお聞きすると、「こちらのおばあちゃま(大奥様)が漬けられているんですよ」とのこと。
結局、全部頂けなかったが、あんまり美味しかったので、帰り際にラップに包んでテイクアウトさせて頂いた程、美味しい漬物。
空腹だった事も忘れ、もうずっと、ここでゆった~りしていたくなるような、ゆるゆるとした空気の流れる店内。
でも、ここはさらり~と、お蕎麦をお願いすることに。
再び品書きに目を通し、このところこちらではいつも温かい蕎麦だったので、久しぶりに「もり」とも思ったが・・・、何か変わった物を頂きたい気持ちになり、他ではあまり見かけない「梅だれせいろ」をお願いする。
頼みつつ、「酸っぱいんですか~?」とお聞きすると、「いえいえ、そんなには酸っぱいものじゃなくて・・、美味しいですよ 」との言葉に、安心して待つことに。
程なくして、目の前に置かれた「梅だれせいろ」。
四角の蒸篭に盛られたエッジのキリッと立つ、粗挽きの蕎麦の姿にそれだけで、うれしくなってしまう。
手繰りつつ顔を寄せると、一瞬うっとりしてしまうような、大好きな芳しい穀物の香りが豊かに立ち込める。ん~、これだけで満足しちゃいそう 。
そして、まずはそのまま口に含む。しっとり、そしてしっかり、それでいてたおやかさのある粗挽きの蕎麦。この歯をしかりと受け止めるような腰の加減が、又何とも言えず、噛み締めるのが楽しい。風味が強烈に濃いというわけではないが、穀物感たっぷりの好みの蕎麦にうれしくなってしまう。
久々の「安藤」さんの、素の蕎麦(最近いつも温蕎麦だったので)に、改めてこちらの美味しさを、しみじみと感じてしまう。あー、美味しいなぁ。
そして、興味シンシンだった、「梅だれ」を。
まず、そのままちょこっと口に含んでみる「梅だれ」。これが・・、美味しい!
梅の酸っぱさというよりは、紀州の梅干を思わせる上品な風味が、出汁の引かれたもり汁に、非常にいいバランスで加わっている。さっぱりとしながら、いい酸味、甘みが加わった感じで、これはいい。ちょっとはまってしまいそう~
思わずお蕎麦をお変わりしたいような気持ちをこらえ(もう時間も時間だし・・)、出して頂いた熱々の蕎麦湯をたっぷりと頂く。
やっぱり・・、この梅だれ、確かに美味しい。と納得しながら・・・。
ほんのひと時の、ささやかな時間ではあったけど、安らかなひと時になんだかとても心安らいだ心地に。お勘定をと席を立つと、お決まりの大奥様がレジに立つ。
「お新香、とっても美味しかったです」
と伝えると、ちょっと照れたようにはにかみながら、「いや、ね・・、皆さんそうおっしゃってくれて・・。そうですか、そうですか・・。じゃあ、又毎日漬けましょうねぇ」と、うれしそうにおっしゃる。一時期は、ややそっけないように感じていた大奥様が、なんだかとてもかわいらしく、切ないように心がぽぉっと温まってきてしまう。
「又、ぜひぜひ、いらっしゃってくださいね」
の言葉が、心に染み入るように感じ入り、「はい!」と答えてお店を後に。
ご馳走さまでした~
又、来ますとも!こちらのお蕎麦は、やっぱり大好き。
そして、又、大奥様にお会いしに・・・
*お品書き
もり、かけ 630円、ごまだれ、梅だれ 735円、とろろ、おろし 840円、なめこおろし 945円、納豆 1,050円、鴨せいろ 1,155円、天もり 1,785円、花巻、卵とじ、おかめ 735円、にしん 1,155円
おしんこ 420円、玉子焼き、板わさ、揚げ出豆腐、鴨煮、にしん 各630円、そばがき 945円、天ちら 1,345円
ビール小 420円、大 630円、枡酒 525円
「手打ちそば 安藤」
杉並区浜田山3-24-25
03-3306-0295
11:30-21:00
火曜休 禁煙
これまでの訪問
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鴨の角煮で。
私は単品で、前に頼みました。で、あとでかけそばを頼んで、載せてみて・・・(^^)。
今は、遠くにいられるのかしら。
ずっと変わらずのお店、来られたらきっともっと懐かしくなっちゃいますよ~(^^)
たしか鴨せいろを頂きました、美味しかったなぁ。。
なにか、コツでも?
これは、ね、
蕎麦に見とれて、うっとりしながら写していました(^^)。
そ、そんなあ~(涙)
を撮っている、yuka様を見たい。
どんな感じかしら・・・。
デジカメなんですよねぇ?
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