すでに2時も過ぎた昼下がり。
とは言え、もう仕事を終えた方々が多い今日、8割型の席が埋まってる。
皆ゆうるり、「きびや」の午後のひと時を楽しんでいる様子は心地よく…

今日は、久しぶりにカウンターの一角に腰を下ろす。



まずは、季節折々入れ替わるお酒の品書きに目を通し…



いくつか好きなお酒も並んでいたけど、冷えた体に熱燗が恋しい。
しかも、暮れには、やっぱり熱燗がふさわしい…



と、程なくきちんと燗して出された、地元東京のお酒「澤の井」。
注ぎ口にすれば、ふっと体を温めながら、ほっとするこの安らぎ。
やっぱり冬の熱燗はたまらな～い



この店に流れる、ゆるゆるとした空気が又、何とも心地よく、
充てには、何を頂こう…、と品書きを見ると、



おっ、これまでにはなかった、新たな品書き？「珍味盛り合わせ」なるものがっ 。
しかも、あの絶品、「牡蠣オイル漬け」が入っているとなったら…！



と、早速お願いした、酒心おおいにくすぐる「珍味三点盛り合わせ」。



ぷっくりとした牡蠣は、ちょっと苦手な牡蠣のクセが全くなく、
濃厚な牡蠣の旨さが凝縮した、まさに至極の一品 。
これだけでも、食べられた事に幸せ感じる、絶品「牡蠣のオイル漬け」。



こってり味の染みた、熱燗にがっしりとくる、
帆立好きとしてはたまらない、「帆立と昆布の佃煮」。



そして…、これが、食べてみてびっくりの美味しさ 。
これまで食べた塩辛の中で一番！と思わせる、
はらりと散らされた柚子が爽やかな、「烏賊の塩辛」。

しばし、大好きなこの「きびや」ワールドの中で、
ゆるやかに流れる時に身をまかせ…、ああ、至福。。。

今年最後に頂く「きびや」の蕎麦は、たっぷり粗挽きで〆たいな。



…が、「ランチメニュー」の「天むす」の文字が目の前でちらちら。
やっぱり、最後もこれをセットで頂こう～。



と、お願いすると、程なく出された、笊に盛られたグレーの蕎麦。



角が凛々しくピンと立ち、その中にひしめくように混ざる、
手挽きならではの、様々な色形の蕎麦の欠片。



その一つ一つが、息づき、語りかけてくるかのような、ダイナミズム。



福井大野の新そば。
手繰り上げれば、ほわ～と鼻孔の回りに立ち込める、ふっくらとした穀物の香り。

噛みしめれば、もっちりとして歯を包み込む弾力があり、
飲み込む瞬間に感じる、ほのかなざらつき。
その後で、ぐわりと香ばしさが喉から戻ってくるように広がり…

こ、これは美味しい 。
今日の蕎麦は、又一段と味わい深く、せつなにこの蕎麦にうっとり。



途中で、「天むす」のプレートが置かれていたのも気付かず、
夢中で手繰ってしまってて…



はっと気付けば、ぷわ～ンと広がる、磯の香りが鼻孔に上り、
これも大好きな、「きびや」の天むすにかぶりつけば…

やっぱり、これは絶品～。
さっくさくの衣包まれた、ぷりっとした小海老。
ふっくらご飯に、塩加減、小海老天麩羅の、見事なバランス。

ほっこりする甘めの玉子焼きに、お新香と共にこれもうれしく頂いて…

ご馳走様でした～。



ご主人、花番さんにも無事ご挨拶をして…
来年も又、伺わせて頂きます

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