早朝降り出した雪は、すぐに大きな綿帽子になり始め…
朝方に、今日の屋外作業は、即効中止になったけど、
窓から眺める、みるみると積もって行く雪景色に心そわそわ。
家でじっとなんてしていられない 。
と、ふと先日「玄治」さんがおっしゃっていた、
野方に新しく出来るというお蕎麦屋さんを思い出す。
「弟弟子みたいなもので、ね…(^^)」
とオススメされたお店は、もう開店しているはず。
雪降る今日、これも何かの縁かもしれん、と
車中からいつもと全く異なる銀世界を眺めながら、降り立った野方駅。
駅北口を降りれば、まだまだしんしんと降り続く雪の中、
いつも賑わう商店街は、今日も人通り多く、紛れながら歩んで行くと…
以前あった街蕎麦屋さんの居抜きのよう。
すっと朱色の暖簾が、雪の中に映え佇む、落ち着いた店構え。
野方 「江戸蕎麦手打ち しのぶ流 藤二郎」
中休みなし、と聞いていたのもあって、
ゆっくりと向かって来たら(各駅停車がいつも以上にノロノロ)、
そろそろ3時になろうする、すっかり昼過ぎた時間。
扉を開き入ると、開店してまだ1週間という新しさはなく、年季の入った店内。
以前のお店をあまり手を加えずに始められたようで、
ぴかぴか新品の店内とは違う、地に足付いた素朴なくつろぎ。
「いらっしゃいませ~」と、明るく迎えてくれた花番さんの笑顔もうれしく、
空いていたテーブルに腰を下ろせば、初めてとは思えない安らぎ感。
すぐに出されたお茶を口にし、早速置かれた品書きを手にすると、
思った以上に豊富な上にリーズナブル、これはいいなぁ 。
一通り眺めた後で、雪にちなんで「〆張鶴」「雪」を選び、熱燗で。
程なく出されたお酒は、透かしの入った白磁の徳利。
きりっと辛口の熱燗は、きちんとふさわしい温度で出される配慮もうれしい。
(奥から、燗の温度について話してる声が聞こえ、好感度アップ)
充てにも何か…と、見るとこれもとてもリーズナブル。
中から、「旬野菜煮物」(350円)を選びお願いすると…
程なく出された小鉢の中は、思った以上に盛り沢山。
まさに旬の野菜が、一同に揃った炊き合わせ。
南瓜に里芋、大根に人参、椎茸に牛蒡、彩を添えた菜の花。
煮えばなの湯気を立てて出されるのもうれしく、どれもがしっとりと味が染み、
どこか家庭的でありながらも上品、ほっとする旨みがじんわり。
熱燗に、このしみじみとした煮物を口にする安堵感。
しばしゆっくり、静かに雪見酒を楽しんでいると…、
ぼ~ん・・ぼ~ん…と、急に響く低い音。
ああ、これも懐かしい、天井下掛けられた振り子の時計。
さらにこれは気付かなかった!横には黒板書きされたお料理が。
日替わりであろう品書きがあるとなると、さらに楽しみも増えるというもの。
と見ていると、こんな時間でも、しかも開店してまだ間もなくの
それも雪の日だとういうのに、ちょこちょこと入ってくるお客さん。
早くもお客さんがついているんだなあ、と何だかうれしく感じつつ…
私もそろそろ、お蕎麦にしよう。
「冬のそば」の「鶏けんちん」にものすごく心惹かれたが、
やはり、初めてのお店「せいろ」を食べてみたいし、天麩羅も気になる。
と、多いかな、と思いながらも頼んだ「(旬)野菜天せいろ」。
カラリとした天麩羅も美味しそう、…だけどまずは、お蕎麦をば 。
練馬田中屋からの派出、「しのぶ流」とのご主人は、
これまで、様々なところのカルチャーの蕎麦打ちの講師をしてきた方。
二八で打たれた蕎麦は、江戸の粋感じる凛々しい姿。
早速手繰り口にすれば、きりっとした腰に、途端にするりと落ちる喉越し爽やか。
歯ごたえに喉越し申し分のなく、後にふっと感じる清々しさ。
さすが、練馬のたなかさんの蕎麦を継承する、正統な江戸蕎麦だ。
まろやかに出汁の染みたもり汁もきちんと美味しく、
そっと浸し手繰れば、しっかりと量もあった蕎麦がみるみると減って行く。
うんうん、これはいいなあ
途中はさむ天麩羅も、これもからりと揚げられ軽やかな仕上がり。
しかも、南瓜に薩摩、新玉ねぎに春菊、菜の花…などなど盛り沢山で、
これを天先で頂いても、よかったなあ、などと思いつつも…
食べられるかしらと思ったのに、気付いたら完食~。
頃合い見て出してくれるのもうれしい蕎麦湯は、ナチュラルで熱々。
ゆっくりと注ぎ、これもたっぷりと頂いて…
お勘定をと席を立ち、顔を出して下さったご主人は、
爽やかな笑顔の男前 、生き生きとして意欲溢れた姿に、
お話ししているだけで、ますます楽しみになってくる。
野方に又一つ、それも中休みナシのお店が出来たのが何よりうれしく…
ご馳走様でした~
外に出たら、雪も小ぶりに、そろそろやんでしまいそう。
やれやれ、帰ったら雪かきだ
「江戸蕎麦手打ち しのぶ流 藤二郎」
中野区野方6-8-5
03-3223-4233
11:00~22:00
月曜・第4日曜定休
禁煙
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早速、見て行ってくれたのがとてもうれしかったです。
居抜きのままの、昔ながらの街蕎麦屋の風情でがんばる若き亭主!
応援したいお店です。
野方にあと2,3軒、いいですね~。
あと私の願いは、各駅に1店欲しいと思っているところです。
野方に楽しみな店が一つ増えました。
野方には良い飲み屋もあり、後1~2軒よい蕎麦屋が出来ると、通勤の楽しみが増えます。
私は、今、そちらに行きたくてうずうずと計画しているところです♪。
こちらこそ、いつも暖かなコメント、ありがとうございます(u_u*)~。
中休みも無く、このコストパフォーマンス・・・
素晴らしいですね。
来月、トウキョに行くので寄ってみようかな・・・。
駅からも近くて、中休みナシ、
うれしいですよね~(^^)
PS.住所でyahoo地図を見ると確かに「巴屋ビル」ですね。
この日の前の日には、玄冶さんご夫妻がお手伝いに来ていらしたそうです(^^)。
しかしして、お見事、
そう「巴屋」さんだった場所。
私も入った事はなかったのですが、長閑な街蕎麦屋の風情そのままで、気どりなく気兼ねなく寛げました。
ぜひ(^^)
(壁に名残がありますが「巴屋」さんだったかな?)
入ったことが無いので中は判りませんが、外の造作は、ほぼ以前のお店のままだと思います。
その分、新鮮さはありませんが、落ち着ける空間になっているかも。
中休みなしも嬉しいですね。
野方は、「かわむら」さんの閉店以来寄る機会が少なくなっていましたが、
こちらのお店は、是非、伺ってみたいです。
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