改札を抜け左に折れると、ほんとにすぐ。真上に看板を見つけ、その下の階段を、と見ると・・・
なんだか様子が怪しい
近寄ると、入り口は看板で封じられ、貼り紙がしてある。
あああああ~っ 又しても・・・。
今日、明日は、蕎麦刈でお休みとのこと。
仕方がない・・、けど、やっぱりお蕎麦が食べたい、という気持ちはどうしても止まず、前に見かけて気になっていた旗の台のお店が、確か3時までだった、と、急ぎ歩いて向かう。
中延通りを、心急ぎながら進むと、程なく「旗の台」の商店街に差し掛かり、池上線旗の台の駅へ。
駅すぐ横の細い路地沿い。気づかずに通り過ぎてしまいそうな程、ひっそりと静かに、古めかしさのあるやや地味な佇まい。
旗の台 「手打蕎麦 笛家」
良かった・・・。「営業中」の札がかかってる。し、しかも、「新そば」の貼り紙まで 。
年季の入った濃茶の暖簾をくぐり、時代を感じる引き戸を開き中へ。中は、信州あたりの田舎を思わせる、民芸調あふれた一つの間。古めいた土間風の店内に、テーブル席が4つと、同じ空間に小上がりのテーブルが2卓のみ。田舎の家屋を思わせる空気が全体を覆い、雑然とし、取り立てた飾りつけなどない、庶民的な空気に満ちている。
2時も超えようとする時間にも係わらず、テーブル席4つは埋まったまま。出てきて下さった奥様に「あちら、どうぞ」と声をかけられ、小上がりのテーブル席へと靴を抜いで上がる事に。
擦り切れそうな畳に置かれた、懐かしい座布団に腰を下ろしほっと・・・。
すぐに出して頂いたお茶を飲みながら、置かれていた品書きに目を通す。
冷たい蕎麦も温かい蕎麦も一列に書かれ、丼物まである、なかなか豊富なお品書き。
やや肌寒く感じていたので、暖かいものを頂きたいような気持ちもあったけど、初めてのところだし、やはり「もり」を頂こう、と目で追っていると、中ほどに、ちょっと気になる「田舎ざる」の文字。
女将さんにお聞きすると、山菜や野菜を煮込んだ温かい汁で、冷たいお蕎麦を付けて食べるものですよ、との事。「もり」と温かい汁が同時に頂けるなら、これはいい♪。「じゃ、それを・・・」と、お願いすることに。
待ちながら、ぼおっと辺りを見渡すと、どのお客さんも肩の力をふぅっと抜いて寛いでいる様子に、私もなんだか地元民に染まったような気持ちになってくる・・・。
それでいて、奥にはそこだけ清潔感の感じられる打ち場が、どの席からも伺えるようにあり、蕎麦への期待も増してくる。
と、ようやく、目の前に「田舎ざる」が置かれる。
長方形の蒸篭にこんもり盛られた蕎麦に、たっぷりの「田舎汁」。ほかほかと湯気を立て、出来立ての香りがふわりと漂う。薬味は、ねぎに大根おろし、そして生姜のすりおろし。
まずは、お蕎麦から。かなり太めに切られた、見るからに田舎蕎麦。挽きぐるみのグレーの蕎麦は、切り口も斬新で、粗野な素朴さいっぱいの姿。
手繰り寄せると、香りはやや穏やか目。だが口に含むと、しっかりとした腰がなんだか懐かしい気持ちになり、噛み締めるともちもちとした感触。これは、いいなぁ~ 。やや太さがまちまちなところはあるものの、それさえが、手打ちの良さのような温かみのある蕎麦。
さて、と「田舎汁」。三つ葉の飾りの乗せられた汁は、箸を入れてびっくりする程、具沢山 。山菜を筆頭に、しめじにエノキ、なめこ、椎茸のきのこ類に、長ねぎ、ナス、そして鶏肉。触感も味わいも異なるこれらの具は、掬う毎に楽しい。
そして、これらの出汁が豊かに染み出たしっかりとした熱々の汁が、この太めの蕎麦によく合い、これは美味しい~っ 。これは大正解♪
こちらの、普通のもり汁も気になるところだけど、この蕎麦だったら、温かい蕎麦も是非とも食べてみたいな。
頃合見て出された蕎麦湯は、これも所々擦り切れた年季の入った家紋(?)の印字された湯桶で。
注ぎいれると、十分に白濁した熱々の蕎麦湯で、やや冷めかけてきた「田舎汁」に注ぎいれ、薄めて頂くと、心からほっとする美味しさ。
ん~・・・、満足満足
体もほかほかになりながら、堪能してお勘定を。
女将さんに代わって、顔を出されたご主人に、「新そばは・・、どちらのですか?」と、お聞きすると、「普段は茨城の蕎麦が中心なんだけど、今は、北海道と福井の新そばだね」、と親しげに話して下さる。
細かな事なんて気にしないような、気さくなご主人も好印象。まるで、お店そのもの、いや、ここの蕎麦そのもののような、暖かさのあるご主人。
ご馳走さまでした~
この気兼ねなく、ふらり~と入れるのも心地よく、又寄らせて頂こうっと。
そして・・・、「ちしま」さんにも、是非ともリベンジしなくてはっっ。。
*お品書き
もり、かけ 630円、ざる、たぬき、きつね 700円、卵とじ、月見 800円、あんかけ、かき玉、カレー南蛮、肉南、若鶏、おかめ、なめこ、山菜、わかめ、釜揚げ 850円、力、田舎ざる 900円、つけとろ、山かけ、納豆、おろし 950円、鴨南 1,260円、鍋焼き 1,370円、天せいろ 1,350円、カツ丼、玉丼、親子丼 900円
板わさ、山菜、厚焼玉子、なめこおろし、お新香 550円など、酒 480円
「手打蕎麦 笛家」
品川区旗の台3-13-3
03-3782-6672
11:30~15:00 / 17:30~22:00
日曜定休
- 関連記事
-
- 大森 「いさ美庵」 絶品「掻き揚げ」に、「田舎そば」 (2013/07/05)
- 品川 「しながわ翁」 昼下がりにゆるり (2011/09/15)
- 旗の台 「長寿庵」 (2010/03/11)
- 五反田 「照月庵」 (2009/07/09)
- 大森 「布恒更科」 念願のリベンジ (2008/12/24)
- 武蔵小山 「ちりん」 (2008/08/07)
- 武蔵小山 「吉良」 (2008/06/26)
- 旗の台 「笛家」 (2007/10/31)
- 五反田 「立呑み マノア」 (2007/05/30)
- 武蔵小山 「静邨」 (残念な事に閉店) (2007/04/24)
- 五反田 「遊庵」 (2007/04/14)
- 旗の台 「百々亭」 (2007/01/31)
- (その弐) 大森 「いさ美庵」 〆蕎麦 (2006/03/01)
- (その壱) 大森 「布恒更科」 蕎麦前 (2006/03/01)
- 品川 「しながわ翁」 (2005/10/20)
ここは、旗の台すぐ横です。是非、行ってみて下さい。ほのぼの~~・・とした、お店です。
ちしまさん、ますます期待が盛り上がってます。是非とも、行ってみます!
さて、こちらの「たぬきそば」。そうなのですか・・・。それは是非、食べてみたいです。季節も寒くなってきているこのごろ、ぴったりかも(^^)。
百々亭さんも、また夜にでも行ってみたいお店。でら打ちさんも、有名みたいですね。
また、ぜひ行ってみてください。
ところで、笛家さんに行かれたのは、
意外でした。ブログ関連で検索したら
こちらの「たぬきそば」のねぎがうまいと
聞き、食べに行きました。
噂に違わず、美味しかったです。
夏だったので、汗をかきかきでしたが...
笛家さんの近くには、うどんで有名な
でら打ち、百々亭もあり、旗の台は、
麺類の美味しい処が多いです。
→ yuka (04/08)
→ yuka (04/08)
→ sherbetsST (04/02)
→ gun (03/27)
→ yuka (03/19)