・・・と、調べるとどうも以前の住所とちょっと変わってる。住所を頼りに散々歩き回った果てに、やっと辿り着いたお店は、線路のすぐそばの通りに面してふっと佇む。白壁に黒木で作られた和風のしっとりとした、どこか「蔵」を思わせる佇まい。
自由が丘 「旨酒と蕎麦 山久」
昼時ちょうどのこともあってか、お店の前には何人かが並んでる。すごい人気なんだ・・・
どうやら、ここを避けるようにぐるりと一周回って歩いてたようで、この炎天下、着いた途端にどっと汗が・・・。それでもほっとし、せっかくなので並んでいる人の後ろに私も従う。
すぐに花番さんが出てきてくださり、人数を告げると、「さほど待たないとは思いますので・・」と、中の待合室に通して下さる。
左右に客室の分かれた店内は、左側には4人がけのテーブル席が4つ、右側にはカウンター席といくつかのテーブル席に、ちょっと個室仕立ての6人がけの席があり、思ったよりもゆったりとした作り。
民芸調な和風の雰囲気に溢れ、天井からヨーヨーのような風鈴がぶら下がっていたり、壁に掛けられた大正ロマン風の着物など、どこか和物の雑貨屋さんを思わせる。
しばしして、一人だったので通されたカウンター席に腰を落ちつけ、あたりを見渡すと、至るところに飾られた置物や、民芸調の箪笥、壁に並べられた骨董の品々、時代物の振り子時計など、見ているだけで心和むものばかり。堅苦しい和というよりは、お伽噺がふっとよぎっていくような暖かさを感じられ、一人でもふっと寛いでしまう。
すぐにお茶と品書きを出され、見るとランチの品書きはとてもシンプル。
お蕎麦がいくつかと、それに「山久ランチ」があり、大抵のお客さんがそれを選んでいるようで、私もそれをお願いすることに。
・・それと、喉がからからだったのでビールを。
お通しに、と青唐辛子の混ぜられた「辛味噌」が出されて、これが美味しい。
くくくっとビールで喉を潤わせほっと一息。やっぱり夏のビールは格別 と、程なくして「お料理です」と、盆に載せられたいくつかの小鉢が出される。
お蕎麦はちょっと待って頂きたいとお願いすると快く受けて下さり、ひとつひとつのお料理の説明をして目の前に置かれる。
まずは「胡麻豆腐」から。一口食べて・・・、なんって美味しいんだろう♪。まったりとした口ざわりで、胡麻の上品な甘みがとても濃い。いやあ、お酒を頼みたくなってしまいそう。
そして、「水菜とお揚げのサラダ」は、カリカリの油揚げがとても香ばしく、かけられた胡麻ドレッシングがとてもいい相性。
そういえば、お蕎麦の品書きにも「白ごま汁そば」と、「黒ごま汁そば」がある辺り、胡麻の使いが得意なお店なのかな。
そして、たっぷりと盛られた「茄子とピーマンの味噌炒め」。こってり甘辛の味噌の味付けがよく、茄子のとろりとした感じに、ピーマンのシャキシャキとした歯ごたえがうれしい。これはご飯が欲しくなってしまいそう。
ビールも飲み終えたところで、「お蕎麦お持ちしましょうか?」と声をかけて下さったので、お願いすると程なくしてやや小盛りでお蕎麦が出される。
陶器の器にすのこを敷かれて盛られた蕎麦は、丹精な細切りの蕎麦。エッジの鮮やかな蕎麦は瑞々しく美しい。
「この梅塩で召し上がっても見てください」と告げられ、ほんのりピンクの塩が添えられる。
まずは、とそのまま手繰り寄せると、ふわりと優しく蕎麦の香りが立つ。口に含むと、しなやかな腰加減が心地よく、かみ締めるとほんのりと蕎麦の風味。
次に出されたこの「梅塩」で頂くと、すっきりとした柔らかな塩味が、蕎麦の風味と甘みをより濃く感じさせる。んっ、この塩、すごくいいっ
まろやか~な汁も蕎麦と相性がよく、絡めて頂くとこれもさらに蕎麦の旨さを増して感じられる。どこかもちもちとしたような、穀物さのある蕎麦で、人気のあるのを納得させられるもの。
ペロリと頂いてしまい、ゆっくりと残った「稲荷すし」を頂くと、赤米の稲荷はまるでもち米のような、もちもちっとしたご飯。お揚げが又美味しく、これを食べたらすっかりお腹いっぱい
最後に、ちょっと楽しみだった「ずんだ餅」。柔らか~いお餅も美味しいが、この掛けられたずんだ餡、これがいい。枝豆の風味がふわりとし、甘さ加減、練り具合が絶妙なもの。こんな甘味まで付いてくるなんて、これはなんともうれしいランチ
蕎麦湯は、お蕎麦を食べ終わる頃合を見て出してくださる配慮もうれしく、素敵な鉄瓶で。
注ぎいれるとしっかりと白濁した蕎麦湯は、とても滑らか。汁に注ぎいれて頂くと、蕎麦湯のまろやかな具合が蕎麦汁の旨さと合わさりたまらない。
飲み干してしまってから、今度はこの「梅塩」を少々入れて頂くと、又違ったすっきりとした味わいになり、これもいい♪。
しみじみとこの蕎麦湯ですっかりと寛いだほんのひと時。にこやかな花番さんは、皆さんとても気持ちのいい方で、混んでいる中に一人ではあったけど、とても居心地のいい時間が・・。
帰りしな、「移転なさったんですか?」とお聞きすると、去年の秋に移ってきたそう。「前よりもゆっくりできるようになりました」と・・。「又、ぜひいらっしゃって下さい 」と、暖かく答えて下さり、最後まで丁寧な応対がとてもうれしい。
ご馳走様でした~
もらってきたショップカードを見ると、今は平日でもお昼に営業しているみたいだし、今度は、隣の方が食べていた、やや色の濃い「田舎そば」も食べてみたいな。
満足な気持ちで外に出ると、わぉっ、さらに日差しが強いっ・・・
*お品書き
やぶせいろ 800円、田舎せいろ 1,000円、とろろ、辛味大根おろし、黒胡麻汁 1,100円、胡桃入り白胡麻汁 1,300円、東北きのこ汁 1,500円、山久ランチ 1,100円
ビール 600円、日本酒 800円、焼酎 600円~
「旨酒と蕎麦 山久 Thank you」
~蕎麦は人と人とのつなぎ役~
目黒区自由が丘1-7-3
03-5701-1180
11:30~14:00 / 18:00~22:00
火曜定休 店内禁煙(と思う)
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織田・・、まだ行っていないです。
はい!
ぜひ、近々行ってみますね♪
一度、行こうと思っているお店です。
なぜか・・・・、場所的にか、まだ行っていなかったのですですが、こんなに有名なのに、自分でも不思議かも。。
また、よろしくお願い致します♪
福松は、残念でした。行きそびれてしまって・・・。
自由が丘に出来ていましたね。確かに、最近は蕎麦ダイニングのようなお店が増えてきたな、と思います。蕎麦屋で飲むのと、蕎麦ダイニングで飲むのは、私にはちょっと違った気分がしてしまいます。
お酒主体でないと、蕎麦屋さんの経営は厳しい時代なのでしょうか。
このあたりも、お蕎麦屋さんが充実しているので、いつも迷ってしまいます。
こちら、駅からも程近く、蕎麦もお料理もよかったです。ぜひ♪
蕎楽亭さんは、本当に混んでますよね・・・。
私も先日(あ、これはお休みの日だったのですが)は入れなかったこともあって、行きたいな、とうずうずしているところです。
行かれる時は、お間違えなく、です(^^)。
このお塩がいいんです。ちょっと探してみたくなっちゃいました。
それと、こちらのランチ、これはとてもよかったです。お酒で・・・、の人もいましたよ。
ランチ美味しそうですね品数も多くて、塩で食べさせるのは以前はやっていませんでした、良さそうな塩ですね。
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