階段を降り、開け放たれていた扉を入ると、以前訪れた時のままのお店が広がり、懐かしい気持ちにさせられる。
左側にすっと伸びた、高めのカウンター席に、右側にはテーブル席が3つほど。それに、居心地よさそうな小上がりの席が二卓。
清潔感漂い、すっきりとして落ち着いた店内は、気持ちがいい。

丁度昼どき。
近くで働く人々で、適度に賑わいゆるやかな空気に覆われている中、空いていたテーブル席に腰を下ろす。

すぐに出されたお茶を頂きながら、品書きを。
久しぶりに手にする品書きは、思ったよりもすっきりとした品揃え。昼は、蕎麦のみの品書きのよう。

ここの名物とかいうぶっかけスタイルの「錦そば」を食べてみようかと思ったが、久しぶりなのでせいろで頂きたい。それと･･･、「一番町吉田」でご修行なさったという、ご主人のお料理を何か頂いてみたく、「穴子天せいろ」をお願いすることに。



程なくして、まずは穴子の天ぷらが蒸篭に盛られ、粗塩の両方を添えて出される。



美味しそうな狐色をした非常に薄い衣の穴子の天ぷらは、まるで素揚げしたかのようなもの。箸を入れ、口にするとかりっとした表面がとても香ばしい。衣感のない、薄いカリっとした表面がなんとも言えない旨さ。そしてその中の身は、歯を入れるまでもないほどほっくりふわりとした穴子。これは美味しい
これまで食べた中で一番美味しいかも･･･！と持ってしまう、穴子の天ぷら。

しかも、きっちり一尾分あり食べ応えもたっぷり。添えられたシシトウ、ナスの天ぷらも、とろりとして見事な仕上がり。

流石だ･･･、これは他のお料理なども頂いてみたいなぁ、と思いながら食べていると、お蕎麦も出される。



お蕎麦も同じ蒸篭に盛られて。
かなり細めの蕎麦は、ぴんっと横たわり、立たれた断面はきりりと鋭い。



極細と言えるくらいの蕎麦を手繰りよせ、口に含むとこれが･･･、旨い！。細いながらにも、かなりしっかりとした腰があり、蕎麦という穀物の感触をたっぷり楽しめる。強烈とまではいかないが、ふわりと香る蕎麦の風味に、かみ締めると漂う、甘みのある蕎麦。

さらに、出汁がしっかりととられた奥深い汁は、角のないまろやかな濃い目のもので、これもいい。蕎麦の風味をじゃませずに、さらに、穀物の旨さを引きたてるもの。ちょこっと浸し頂くと、蕎麦がぐんっと美味しくなる。
添えられている葱、山葵のしつらえも丁寧な施しなのも気持ちがいい。



蕎麦湯は、頃合を見計らって出される、やさしく白濁した熱々のもの。
注ぎいれ頂くと、これがほっとする美味しさで、ゆっくりと頂く最後のうれしいひと時。

久しぶりに頂いた小菅さんの蕎麦に、大満足 。
これは、美味しい･･･。ぜひ、次回は、「錦蕎麦」も頂いてみたいな。

と、ほっと寛ぎ見ていると、ぽつりぽつりといいタイミングでお客さんが入ってくる。さてさて、ここは次のお客さんに譲って･･･
ご馳走様でした～

せっかく3時までの営業時間。
昼酒もできるともっとうれしいんだけどな･･･ なーんて


＊お品書き
せいろ、かけ 800円、とろろ、なめこおろし　1,000円、錦そば、もずくそば 1,300円、鴨せいろ、鴨南蛮 1,400円、穴子天せいろ 1,600円、天せいろ 1,700円
（平日ランチのみ）とろろ飯、ミニカレー丼 300円、いなりずし 100円



「手打ちそば　小菅」

目黒区目黒1-5-16 　　　
03－3491-2132
11;30～15;00 / 17;30～22;00
日曜休　　
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