年季の入った扉を開けば…



入ってすぐ、横に回っている立派な石臼に、目が留まる。



これは、「きぬたや」で使っている、「ひこべえ」だっ 。

横には、きちんと整頓された広々とした打ち場もあり、
「当店の蕎麦は、信州伊那の蕎麦です」
の貼り紙に、途端に期待に胸がふくらむ 。



通された窓際のテーブルに腰を下ろし見れば、
至るところに貼られた、いくつものお品書き。



「磯天おろし」に、「五色そば」、



「肉汁うどん」に、「天丼セット」…
ぐるり見渡し、品書きの綴りを開けば、



冷たい蕎麦、暖かい蕎麦にうどん、



さらに、おすすめのセットものに、ご飯もの…、
「ほうとう」まであるなんて、珍しい 。

さすが老舗蕎麦屋、豊富な品書きに迷う迷う。
ようやく、「肉汁うどん」に決めた彼に、
初めての店、やはり「ざるそば」、と思っていたら…、

後からきたご家族が、「鴨汁よっつ」と注文する声に吊られ、
咄嗟に、「鴨汁そば」　と注文～。



窓から見える風景は、うららかな初夏の日差しを浴びた畑の緑 。
長閑な心地で、ぼんやりと眺めていると…



程なく届いた、彼の「肉汁うどん」（734円）に、



たっぷりの鴨汁を添えた、「鴨汁そば」（950円）。



さすが「ひこべえ」、この蕎麦、美味しそうっ 。



ほわんと立つ香りに、蕎麦の星散る蕎麦は、
しっかりとしたコシに、ほのかにざらつく穀物感たっぷり。

噛みしめれば、強くはないがきちんと広がる、
日向の香りの、懐かしき蕎麦の味わい。
おっ、いいよいいよ、この蕎麦美味しいっ。

細いの太いの混ざるのも、手打のほのぼのとした良さあり、
何度かそのままの蕎麦を楽しみ…



ほかほか湯気立てる熱々のに浸せば、
俄か暖まった蕎麦は、甘みが立ち、これも美味しい 。



しかも、南瓜に大根、じゃが芋に牛蒡、もちろん葱と、
鴨出汁に、野菜の旨みがたっぷり染み、
優しく滋味深く、「けんちん」に似た美味しさ。



下にたっぷり沈む鴨肉は、コマ切れでさっぱり。
鴨肉そのものを味わうと言うより、出汁を主体にした鴨で、
脂身が少ない分、私にはうれしい 。



一方彼の「肉汁」も、豚バラ肉たっぷりの具沢山 。



うどんはつやつや、これもいかにも手打の麺そのもので、



「この肉も、汁も、美味しいよ」
とあんまり満足気に彼が言うので…



途中で交換してみれば…

腰があるけど柔らかな食感は食べやすく、
小麦の優しい甘みが広がり、このうどんも、美味しい

甘さ控えめのすっきりとした肉汁も、
醤油のキツさ全くなく、肉の旨みたっぷり。
鴨出汁とは違う旨みで、これもいい



蕎麦湯もしっかりと白濁し、
注ぎ注ぎと、汁すっかり飲み干しお腹いっぱ～い。

特別な蕎麦ではない、毎日食べても飽きない、
素朴できちんと美味しいお蕎麦　。
ここ又来よう、と満足な心地で席を立ち…

ご馳走様でした～

さらにその先のＪＡ農産物販売所を覗いたら、
またまた、ここでも真竹発見、真竹。
又、買っちゃった（＾＾；

細いの太いの、20本。
やっと剥き終わり…



味噌汁に、煮物に…、しばらく楽しめそう

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