開店直後のお昼ジャスト。
それでも、既に先客がお一人いらっしゃる中、奥のテーブルに腰を下ろす。



出されたお茶を頂きながら、ええっと、ええっと…



と、ぐるり見渡すと、目の前に掛けられたホワイトボードに、
お目当ての「冷かけ」の文字が書かれてる

肌寒くても、よし木さんの冷かけは、やっぱり食べたい。
と、私は、迷わずこれに決め…



彼は、珍しく、「暖かいそば、食べてみようかな～」などとつぶやいて、
「掻き揚げ蕎麦」を選び、早速注文。

軽やかなパチパチパチと、揚げ音を聞きながら…



程なく、彼の頼んだ「かき揚げそば」がまず出され、



続いて、念願の「冷かけ」そばが目の前に置かれる。



丼の中の景色は、「かけ」も「冷かけ」も、ほぼ同じ。
もちっとした、生麩が実に美味しく…、



まずは、楽しみにしていた「冷かけ」の汁を口に含むと、
すっきりとして柔らかく、きりっとして鮮烈。
鰹以外の、幾つかの出汁が美しいハーモニーを奏でてくる、冷かけ汁。

ああ、これは、美味しい…

と幾度か掬い味わったら、すかさず、彼の温かい「かけ汁」と飲み比べ。
暖かい汁は、まずふわっと広がる鰹の風味に、じわ～っと奥行き深い汁が染みる。

微妙なようで、異なる汁、
しかも、両方甲乙つけがたい旨さを実感し…



中の蕎麦を手繰れば、繊細な細切りの蕎麦は、
冷かけの汁に浸り、きゅっと締まって凛然とした食感。
噛みしめると、汁にまとわり、じわ～り蕎麦の甘みが広がり、
するるっと、軽快の喉元をかけ落ちる。

ああ、これはいいなぁ…
飲んだ後には、殊更心地いいに違いない…、と惜しまれる。



と妄想してると、目の前に置かれた彼の「掻き揚げ」が美味しそう～。
じーっと見ている私に、「た、食べていいよ」と、おすそわけ。



ざざざっと軽やかに崩れる衣に、中には海老に貝柱がごろごろ。
エア感たっぷりで、香ばしく、久しぶりに頂いた、よし木さんの「掻き揚げ」、
やっぱり、これは美味しい～っ



と、最後にちょこっと、この掻き揚げを蕎麦に浮かべ、
一緒に手繰れば、蕎麦と絡まり、掻き揚げと冷かけの組み合わせも絶品。

彼を汗をかきつつも、二人して汁まですっかり飲みほして…

ご馳走様でした～

寒くても涼しくても、この冷かけ蕎麦は、いいなぁ。
今度は、生粉打ちで冷かけを食べてみようっと

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