早朝のメンテの仕事を済ませ、昼時になっても寒風が肌を突き刺すよう。
華材などの荷物もあり、この陽気の中さすがに歩き回りたくない。
と、久し振りに(ほんっとに…)、こんな時にとてもうれしい、駅目の前のお店へお昼を頂きに…。
大塚駅南口。
駅前のロータリーを渡り反対側へ回るとすぐ。
目の前に並んだビルの中にはめ込まれたように、さりげなく佇んでいる。
大塚 「蕎・馳走 岩舟」
すらりとしたコンクリ壁のモダンなガラス扉を開き入ると、既に1時を回ったにも係らず、お店は満席。
どうしようか…、と立ちつくしていると、すぐに出てきて下さった感じのいい花番さんに、
「相席でもよろしかったら…」
とおっしゃって頂き、奥のテーブル席の向い側に腰を下ろす事に。
すぐにお茶と揚げ蕎麦が出され、置かれている品書きに手を延ばす。
通常のメニューがあり、他にお昼にはちょっとサービスになっている…のかな?
この寒さ、オススメの中の「湯葉玉子とじ」にちょっと惹かれたが、中に「地鶏せいろ」の文字を見つけ、それをお願いする事に。
頼みほっとしながら、さくさくと軽やかな美味しい揚げ蕎麦を頂いていると、ふいに向かいに座っていらっしゃったおばあちゃまに話かけられ…、
ぽつりぽつりから、あれやこれやとどんどん会話が弾み、
にこにこと、人生訓示を含めての為になるお話などまで、聞かせて下さる。
お聞きすると、お店ではもちろん、大塚の町でも有名なおばあちゃまドクターとの事。
楽しいお話を聞かせて頂いていたら、あっと言う間 。
しばしして私の目の前に「地鶏せいろ」が置かれる。
ほかほか湯気を立てた「地鶏汁」に、岩舟さん独特の、船を形どった笊に蕎麦が盛られて。
と、途端、それをきっかけに、のように
「じゃ、しっかり食べなさいよ~、私は行くから」
とおばあちゃまは席を立たれ、
「握手して別れよう♪、又会おうね」
と颯爽とお店を出ていかれ…
何とも不思議な時間だったなぁ 、と暖かい気持ちになりながら、
さて、お蕎麦を頂こう。
山形庄内の蕎麦を二八で打たれた蕎麦は、切り幅、長さのきちんと揃った丹精な細切り。
強くはないが、爽やかな香りがよぎり、口に含むと、しなやかな腰加減。
つるつるっとした蕎麦で、するすると入って行くのど越し爽やかな蕎麦。
彩よく三つ葉が添えられた「地鶏汁」は、とろりとした葱がたっぷり。
しかも地鶏の切り身もごろごろと5~6切れ入った具だくさん 。
うれしくこの鳥肉を頂くと、身が締まりながらも、ふわりとして柔らかジューシー。
どこの地鶏なのだろうか…、味わいも濃く、これは美味しい~っ
しかもこの地鶏汁、甘すぎずすっきりとし、鳥の出汁がじわ~っと沁み、とても美味しい。
この汁に蕎麦を絡め頂くと、細切りの蕎麦はよく絡み、蕎麦と鳥汁の味わいがいい。
もう、いくらでも食べてしまえそう ♪と、するすると食べてしまう。
頃合い見て出された蕎麦湯には、別に蕎麦猪口が添えられ
「移しながら頂いて下さい」
とおっしゃって下さる、心遣いもうれしい。
これに移し移し優しく白濁した蕎麦湯を注ぎ頂くと、汁に含まれた鳥の旨さをさらに感じさせられる。
あんまり美味しくて、汁も蕎麦湯もすっかり全部頂いたら、体もすっかりほっかほか。
どの花番さんも、にこやかで心地のいい応対なのもうれしく、
帰りには顔を出して下さったご主人は、以前お目見えした時と変わらない、にこにことしてとても優しい笑顔の方。
なんだか、心まで温かくなってくるように感じながら…
改めて、こちらのいくつもの珍味をアテに、お酒も頂きに訪れたいなあ、と心に思う。
ご馳走様でした~
そして…、91歳現役の素敵なドクター。
頂いたお言葉、忘れずに胸に生きていきます
*お品書き
せいろ、」かけ 750円、辛味おろし 950円、つけとろ、ぶっかけ 1,000円、地鶏せいろ 1,150円、つけ鴨せいろ 1,400円、江戸前穴子天せいろ 1,400円、桜エビ掻き揚げせいろ 1,350円、天せいろ 1,400円、薄もりせいろ 450円(昼は250円)
花まき 850円、ねぎ 950円、卵とじ 900円、山かけ 1,000円、地鶏南蛮 1,150円、鴨南蛮 1,400円など
「蕎・馳走 岩舟」
豊島区南大塚 3-53-9
03-3987-9266
12:00~15:00 / 18:00~22:00
日曜、第2、4月曜定休
昼禁煙
お店のHP
関連日記
2005年 8月 9日 「せいろそば」
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いやあ、この地鶏、本当に美味しかったです。
そうそう、「馳走」って書くの、私も謙虚であり、なんだかご主人のお人柄を感じるなぁ、と思っていました。
本当に…(^^)。
きっと、いつか、、なんて思ってしまっています。
お腹が思わず鳴ります
鶏から出た脂と鰹のお出汁って
絶望的に合いますな
大地と海の交わるところ?
すんません大袈裟に言ってみました
看板の「蕎麦・馳走」ってのも
”ご”は付かないよ気取らないよ
って言ってるようでいいですね
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