年末くらいから、温蕎麦も品書きに加わったと聞き、ずっと伺ってみたいと思っていたところ。
今日は、週末とは打って変わって冷たい風が吹く、本来の2月の陽気。
これは温蕎麦を頂くのにもってこい、とお店へと…


サラリーマンの方々が賑わう、昼時の芝商店会を通り抜け、路地を入った静かな通り沿い。
コンクリ壁に、粋な純白の暖簾が掛かけられている。
芝 「手打そば 案山子」
午後1時を回った店内は、先客一人のみのゆったりとした空気。
すぐに気づいて下さったご主人や、新しく修行に入ったお友達の顔が見られ、なんだかとてもうれしい。
この後の予定まで、まだちょっと時間もある。
久しぶりの事だし、と、「湧水の酒」をぬる間でお願いすることに。
白磁のすっきりとした徳利で出された「湧水の酒」のぬる燗は、冷で頂くのとは又違う、ふわ~っとやさしく口に広がる。
アテに出された、「案山子」さん独特の焼き味噌は、小さな平皿に焼き付けられ、西京味噌仕立てのまったりとしたもの。
これがお酒に本当によく合う。
ゆっくりと頂ながら、改めて昼のお店をぐるりと見渡すと、さんさんと陽光の差し込むテーブル席に、
センスよく並べられた一升瓶の置かれたカウンター席。
どの席も心地よく、いいお店だなぁ、としみじみと思わせる。
しばし、ゆっくりと焼き味噌でお酒を頂きながら、あれこれとお話などさせて頂く、楽しいひと時
充分に楽しませて頂き…、いよいよ楽しみにしていたお蕎麦をも。
書かれている暖かいお蕎麦は、「たぬき」に「きつね」それに「鴨南蛮」まで加わっている。
中から、拘わりの揚げ玉を使っているとお聞きし、是非ともそれを頂いてみたく、「たぬきそば」をお願いする事に。
武蔵小山で、「酒菜旬彩 きくや」を開いている弟さんが、この蕎麦の為に丁寧に揚げて届けていらっしゃる「天華」こと揚げ玉。
蕎麦が透けて見える美しい琥珀の汁に、ふわりと乗せられた揚げ玉は、まるでぱっと散った綿毛が開いたかのよう。
まずは、と汁を口に含むと、出汁がふわりと香る、すっきりとして優しい、美味しい汁。
何度もすくい口に含むと、す~っと体に馴染み入っていく。
あまりに優しく美味しくて、とまらなくなってしまいそう。
そして、中に沈んだ蕎麦を手繰り、口に含むと、もちもちっとした腰があり、これが非常に心地いい。
弾力が失われず、それでいて噛み締めると、じわりと蕎麦の風味が立つ。
暖められたことで、さらに増す、このもちもち感に、穀物の風味。
これは・・・、美味しい
そして、このふわふわとした揚げ玉を蕎麦に絡め頂くと、これが旨い。
油くささなど全くない、揚げ玉の上品なコクが加わり、一緒に食べるとさらに旨味が増すかのよう。
「天華」と呼ばれるだけある、としみじみと思ってしまう、繊細で上品な、美味しい揚げ玉。
蕎麦だけで、揚げ玉を絡め、そして汁をもたっぷりと頂き…、
と、夢中で食べてしまう。
念願の「案山子」さんの、温かい蕎麦を頂けた事に、心から大満足
久しぶりに訪れられた事もうれしく、その上変わらぬ温かいおもてなし。
本当に、ご馳走様でした~
又、夜にゆっくりと訪れて、新たなお料理も頂いてみよう~…
*お品がき(夜)
ざるそば 770円、辛味おろし蕎麦 950円、葱汁蕎麦 1,040円、鴨汁蕎麦 1,540円、たぬき蕎麦、きつね蕎麦 950円、鴨南蛮 1,720円 (ランチセットあり)
日替わりの酒肴数種 300円~600円
ビール 600円、山形正宗(夏吟)、石鎚(夏吟)、湧水の酒(本醸造)、天青(純米吟醸)、山形正宗、大那、石鎚(純米)、奥、など 550円~650円
「蕎麦 案山子」
港区芝2-12-9
03-6272-4416
11:15~14:00 / 18:15~21:00
(日曜)12:00~15:00
土曜祝日定休 禁煙
関連日記
2008年 8月13日 「葱汁そば」 皆さんと楽しい宴
2008年 7月10日 「おろし蕎麦」 友人と晩餐
2008年 6月19日 「葱汁そば」 夕暮れに…「蕪の茎味噌チーズ」を堪能
2008年 5月 1日 「ざる蕎麦」 ランチの絶品「卵かけご飯」"
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血抜きのすっきりとした体(?)に、心地のいい昼酒になったご様子。なんだか私まで楽しませてもらいました(^^)。
こちらのお蕎麦、いいですよね。
いつも、ずっと食べていたいような気持ちにさせられてしまうのです。
夜の創作料理の小鉢も逸品です。
ぜひ、夜もいらしてみてください。
私も…、次回は日曜昼酒を楽しみたいな、なんて思っています。
ウワサに違わぬ、よいお酒とおいしい蕎麦といい雰囲気。
今度は夜にチャレンジしたいと思います。
お帰りなさい(^^)。
そうそう、彼、もうこちらのユニフォーム(Tシャツ)に身を包み、すっかり案山子さんのスタッフになっていました。
案山子さんは、是非伺ってほしいです。
お酒も、料理も、蕎麦も、
そしてご主人もお店の雰囲気も、気に行って頂けると思います。
久し振りに訪れて、改めていいお店だなぁ、と思いました。
蕎麦もますます美味しくなってしますよ♪
又、こちらにいらした時には、ぜひ。
ご連絡下さったらうれしいです。
芝の案山子、行ってみたいお蕎麦屋さんなのです~。
お友達(yukaさんも知ってらっしゃるハズ)が
ここで頑張ってると聞いて。
こんな雰囲気なんだな~って予習ができました(笑)。
案山子さん、随分と進化して、すっかり有名店になったようですね。
また行きたいなぁ。
東京のお蕎麦屋さんは、「たぬき」の揚げ玉をその都度、わざわざ作るお店、結構あるんですよ。
じゅわ~~っと、音を立てながら運ばれる「たぬきそば」これもいいんです(^^)
恐らくそこから、「天華」と名付けられたのではないかと推測致しております。
関西では「天かす」はテーブル上にあって、取り放題の物。
それが、料理として昇華した様で、本当に心が和むお写真です・・・。
昼も夜もいいですよ(^^)。
芝公園の駅からだったら、すぐ!です♪
お蕎麦、本当に美味しいですよ。
そちらは、さぞかしお寒いかと…。
(今日の東京も、めちゃめちゃ寒かったです!)
大事になさって下さい。
今夜は、玉子酒でも・・・・・・
私も、絶対「天かす」と呼びたくなくていたのですが、この呼び名には、とてもうっとりしてしまいました。
作る人の心が見えてくるようです。
お昼は、蕎麦と玉子掛けごはん(この卵がものすごく美味しい)のセットもあります♪
近々伺わせて頂きたいと思います♪
行きたいな~
天華とは、なかなか妙なるお名前ですね。
「たぬき」否定派の関西出身の私も、思わず「生唾ごくん」の、素晴らしい一品。
折角なのですから、「天華そば」とされれば、良かったような・・・。
あぁ、行きたいなぁ。
そばも美味しそう。
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