しかも、ちょっと荷物を抱えた身にこの天気。と、遠出は諦め、駅近くのお店へお昼を頂に・・・。
池袋東口。サンシャイン通りすぐの、人通りの多いビルの二階。
何度も前は通りながらも、まだ入ったことがなかったお店。
ビルの入り口には、ショーウィンドウで品書きが置かれ、ちょっと目をやり隣の螺旋階段を上っていくと・・・。
階段の上に作られてあるお店の入り口は、外の喧騒とは打って変わって落ち着きしっとりとした風情。
中からは、おだやかでゆったりとした静かな空気が流れ出ているよう。
池袋東口 「手打そば 宮城野」
暖簾の奥のずっしりとした扉を開くと、中はしっとりとした大人の空気。
照明が程よく落とされ、落ち着いた和の空間が広々と広がっている。
これは・・、東銀座のお店とは又ぜんぜん赴きが違うなぁ。
と、入り口に立っているとすぐに花番さんに案内され、空いていた席のひとつに腰を下ろす。
すでに午後1時もとっぷりと過ぎた昼下がり。
ちらほらと適度に入ったお客さんの姿も心地よく、すっと一人でお蕎麦を頂いている人、和やかにいくつかのお料理を前にそば前を楽しんでいるおじ様と、お客さんの層も広いよう。
疲れもほっと休まっていくように感じながら、出されたお茶を頂き、置かれた品書きを開く。
お、これも銀座のお店とは全く番う品揃い。
お蕎麦の品書きが豊富で、これが又よく分からない珍しい名前がずら~りと。
金色蕎麦?中古そば?ふくろとじ?黒双?
そして、その品書きの下にそれぞれ説明書きされているのを眺めながら、この落ち着いた空間でしばし休んでいこうと、お酒をお願いすることに。
埼玉の「文楽」をお願いすると、暖簾の色と同じ緑の徳利で出される。
あてに出された、蕎麦の尻尾の揚げ蕎麦を頂きながら、お料理の品書きを改めて吟味。
今はお昼だからだろうか、蕎麦屋の定番を最小限押さえたよな、そう多くはない品書きの中から、それでも好物の「鳥わさ」の文字を見つけ、それをお願いする。
程なくして出された「鳥わさ」は、三角の器に形よく盛り付けられ、点盛りで山葵がちょこんと載せられている。
お肉はさっと湯通しされ、予め出汁しょうゆで和えられているもので、自分で加減しつつ山葵を載せて頂くよう。しっとり柔らかなお肉に、ほどよい醤油の味付け加減で美味しい。
ただ、もうちょっと冷えていたらうれしいかな~。
かわいい兎のロゴの箸袋を見つめながら、ゆっくりとお酒と共に頂くと、だんだんに疲れも冷えも引いていくよう。
と、看板、箸袋、お絞り・・・、至る所に書かれているこの兎のロゴが妙にかわいく、心に残る。
お蕎麦屋さんで、兎のモチーフを使うところは多いけど、この兎は又一段と、叙情的で印象的。
すわり心地のいい、しっとりとした空間で憩いの時を十分に満喫し・・・、
〆のお蕎麦を。
いろいろと揃った珍しい品書きにとても心惹かれたが、やはりせいろで頂きたい。
お蕎麦は「せいろ」と「限定田舎」の二つが並んでいたので、花番さんにまだ残っているかどうか尋ねると、まだあるとのこと。
「太打ちなんですか?」
とお聞きすると、
「いえ、そう太くはないです。使っている蕎麦粉が違うもので、やや硬めの蕎麦です」
と説明され、せっかくの限定蕎麦、それをお願いすることに。
出されたお蕎麦は、二段重ねにされた蒸篭に盛られて出される。
きりっと角の立った、挽きぐるみの蕎麦でやや黒め。江戸蕎麦よりやや太めの細切りの蕎麦は、切り幅、長さにもムラのない丹精なもの。
手繰り寄せると、ふわりと清々しいような穀物の香りを放ってくる。
口に含むと、しっかりとした腰。もっちもっちとした歯ごたえも心地よく、かみ締めるとこれも爽やかな穀物の風味を感じさえ、後に甘みを残していく。
上品さのある田舎蕎麦という感じで、これはいい。
汁も出汁の香るまろやかさのある、辛口のもの。
ただ、蕎麦猪口が漆器というのが、ちょっと不思議な感覚も覚えたが、二段重ねの蕎麦は、思ったよりも量もあり、食べ応えも十分。すっかり満足してしまう。
頃合をきっちり見て出された蕎麦湯は、片口の陶器の器に注がれて。
しっかりと白濁した、別に作られたものと思われる蕎麦湯は、熱々でこれも美味しい。
汁に注ぎいれ、これもたっぷり頂くと、お腹いっぱ~い
すでに時間もとっぷり2時を回っているが、お昼の営業が4時までというのは、気分的にもゆっくりできて何よりもうれしい。
見ていると、場所柄か、まだまだちらりちらりとお客さんも入ってきている様子。
駅近くでありながらゆっくりと落ち着いた空間で、のんびりとした昼下がりをすごせるお店。
しかも年中無休となったら、これはうれしい。
ご馳走さまでした~
又、この池袋の喧騒に疲れたら、寄ってみよう。
今度は、心惹かれる種物も食べてみたいな・・・。
*お品書き
せいろ 735円、田舎 892円、おろし 892円、とろろ 997円、鴨せいろ(花)1,260円(雪)1,575円、天せいろ 1,837円、納豆 892円、なめこ 976円、金色 892円、中古 997円、野菜皿 1,029円、都、納豆、金色 892円、力天 892円、カレー南、しのだ、精進、997円、とろろ、木ノ子 1,008円、帆立、しっぽく、ふくろとじ、湯葉 1,102円、穴子、黒双 1,260円、
玉子焼き、もずく 420円、塩辛 472円、鳥わさ 525円、なめこおろし、板わさ 577円、天盛り 1,470円、
文楽、黒帯 420円~
「手打そば 宮城野」
豊島区東池袋 1-12-8
03-3985-7195
11:00~16:00 / 17:30~22:15
(土日祝)11:00~22:15
無休(臨時休業もあり)
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時間的に濃くなった蕎麦湯、だからこその美味しさだったのだと思います。
随分ご無沙汰しているので、又伺ってみようと思います。
1時を回っていたとの事なので、濃度の有る美味しいそば湯だったのではないですか?
お店の前まで行ったわけではないので、
(大通りからちらと見ただけなので)
私も、確信はないです。。。
jinさんも、もし何か分かった、是非、教えてくださいっ
新橋の宮城野が閉店したので、それと、混同している可能性もありますが・・・。
ええっ?
本当ですか・・・?
ちょっと前に通りがかった時には、看板はちゃんとあったと思ったのですが・・。
何か分かったお知らせします!
こちら、又東銀座のお店とは全く赴きも違い、ゆったりと落ち着ける雰囲気でよかったです。
疲れた後にもいいかと(^^)。
ちょっとしたオアシスです(^^)。
年中無休というのも、うれしいし、
ぜひ、一休みも兼ねて、訪れてみて下さい♪
護国寺での音楽練習の帰り、立ち寄りたいなぁ。
検索したら出てきたので行って見ようと
思いつつ、他のお店に流れてしまった
なのでかなり気になるのですが
繁華な街で喧騒を忘れられるのは
ありがたいことですね
最近池袋はとんとご無沙汰だなぁ
たまには行って見ないと~
なのだ
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