不安半分、期待半分、扉を開けば、
すっきりとテーブルが並んだ、素朴だが清潔感漂う店内。

迎えてくれた花番さんの応対もとても気持ち良く、



壁のあちこちには、達筆で書かれた幾つもの品書き半紙。



「こちらからでも、品書きの中からでも選んで下さい（＾＾）」
とお茶を出して下さり…



ようやく置かれていた品書きを開いて見れば、
冷たい蕎麦に暖かいお蕎麦、



冷たいうどんに、暖かいうどんに加え、
すらりと並ぶ野菜の天種は、どれも一品70円。

壁を眺め、品書きに目を落としと、あれこれ迷い、
餅好き彼は「雑煮うどん」に決め、
私は「小海老天付きせいろ」に落ち着き、ようやく注文 。



待ちながら改めてぐるり見渡せば、
打ち場の窓には、ずらりと貼られたお酒の品々。
しかも安いっ、これはいいなあ 。



しかも…、その窓の裏には、立派な石臼が確かに鎮座。
こ、これはもしや…、と期待に胸膨らませてると、



程なく、お蕎麦にうどんが到着～。



おっ、これはいいっ、実に美味しそうな佇まい 。
角はきりりと穀物感溢れ、ほのかに粒の陰影透け見える。



手繰り口にすれば、きりっとした腰があり、
喉越しは軽やか瑞々しく、蕎麦の良さ十分 。

香り風味は強くはないが、
添えられた醤油味まろやかな汁は、蕎麦の風味を引き立て、
思いがけずの蕎麦に、途端にうれしくなってしまう。



ちょんっと小鉢に添えられた小海老天は、薄衣。



さくっと音が立つ程軽やかに揚がり、
中の小海老もぷりぷり美味しい 。



一方彼の「雑煮うどん」は、まさに「お雑煮」、
香ばしく焼かれたお餅が二つ盛られ、



さらに、厚めの鴨肉も2切れ入り、彼はうれしそう。



「お、この汁美味しい…」
とつぶやく彼の言葉に、途中で交換してみると…

はぁ～、このかけ汁、確かにいいなあ 。
昆布に鰹の出汁が優しく染みた、すっきりとした柔らかな味わい。
中のうどんも、硬すぎず程良い腰に喉越しもよく、
うんうん、うどんも美味しいな。



頃合い観て出された蕎麦湯は、立派な南部鉄瓶で。
さらさらとした熱々の蕎麦湯が美味しく、
たっぷりと頂いて…

ご主人、奥様、お嬢さん、
家族経営での営んでいる、ほのぼのとした温かみ溢れる良さに、
我々までなんだかほっと心暖まり…

ご馳走様でした～



帰り際には、割引券まで頂いて…
「これは、又来ようか」
車に乗り込み言う彼の言葉が、何だかとってもうれしいな

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