扉を開くと、すぐに顔を出されたご主人に迎えられ、いつも変らぬにこにことした笑顔に、心和ませる。
昼過ぎの店内は、私一人の貸切で、どっしりとした一枚板のテーブルに腰を下ろす。



久々なので、ちょっとだけそば前も…。
「すっきりとしたお酒がいいなぁ」
とお願いすると、選んで下さったのは、秋田の「豊盃」微発泡。



フルーティですっきりとしたお酒は、優しくプチプチと発砲し、まるでシャンパンのよう。



金の飾りのガラスの猪口に注がれた様が見ているのも美しく、するすると喉を通っていく。
ん～、美味しい…



お酒の充てに出して頂いた、「牛すじと大根煮」の大根のみで。

とろっとろの大根は、出汁がしっかり染みいっている。冬の大根はやはり格別。
頂きながらあれこれと話を交わすのどかで楽しいひと時 。
…と、
「鰊作ってみたんだけど、切れちゃったのあるから食べてみる？」
と出して下さった、「にしんの旨煮」。



5日間炊き込んだという鰊は、しっとりとろっと柔らかく、上品な味がしっかりと沁み、これは旨い 。
この鰊ですっかりお酒も堪能し・・・

年末からずっと、食べたいなぁと思っていた「ふじ多」さんのおろしそば。
マンネリだけど今日もやっぱり、「おろし蕎麦」をお願いしちゃう。



鶉の卵に、辛味大根おろし、掻き立ての鰹節、葱の薬味が次々と置かれ、笊に盛られた蕎麦が出される。



茨城と福井の蕎麦をブレンドして打った丹精な細切り。
手繰り上げると、ふわっと蕎麦の香りが鼻腔をくすぐる。



繊細でありながら、蕎麦の欠片が埋め込まれた粗挽きの姿が美しい。
心地のいい腰があり、噛み締めると、まず穀物の風味を感じ、その後でじわっと甘みが広がってくる。
そのままで、しばし頂き、久し振りの蕎麦を堪能。



鰹の香り高い、まろやかな汁も美味しく、次は汁に浸し頂いて…



それでは、とまず、辛味大根おろしを投入して頂くと、ぴりりとした気持ちのいい爽やかな辛味が又蕎麦の味を引きたてる。



しばし楽しんだ後で、いよいよ玉子を溶いて、汁に注ぎいれ…



辛味大根汁に、まろやかな玉子が加わり、これを絡めて頂くと、
ん～ったまらなーい



そして、卵がなくなりそうなところで、最後に鰹節をふわっと振りいれると…、



さらに、ぐゎんっと風味が良くなる。
いつもふじ多さんの鰹節は特別だ…、と思ってしまう程、鰹のコク、旨味が濃く、鰹の絡まる蕎麦が絶妙。



と、夢中で食べていたら…
「いい海苔があるんだけど、それも入れると又美味しいよ」
と出して下さった、宮城の海苔。口に入れた途端、溶けてしまう味のいい海苔が加わったら、もう、そりゃあ～

と、6変化の蕎麦を楽しんで、心から堪能。
優しく白濁した熱々の蕎麦湯を注ぎいれ、ほおっと満足な心地を味わい…

今日もご馳走さまでした～

これはやっぱり病みつきになっちゃうけど、今度こそ、「ふじ多」さんのかけも頂いてみようっ ♪


＊お品書き
もりそば、かけそば 750円、おろし 950円、とろろ（冷、温）1,000円、鴨南蛮 、つけ鴨 1,350円
焼き味噌 400円、板わさ 450円、だし巻き卵 550円、鴨ロース焼き 1,000円、（他、日替わりメニュー）
地酒各種（季節により変わる） 600円～、ビール 600円


「蕎麦家　ふじ多」

渋谷区本町6-28-9
03-3320-4863
12;00～14:30 / 17:30～20:30
金・土・日・月曜営業
禁煙
関連日記
2008年10月18日　夜の宴　鴨南蛮、鴨せいろ
2008年10月12日　おろしそば
2007年　8月14日　夜の宴（コース）　おろしそば
2007年　5月10日　おろしそば
2007年　2月28日　初めての訪問　せいろそば

関連記事

• 幡ヶ谷　「ふじ多」 (2011/01/17)
• 代官山　「山崎」 (2010/11/25)
• 代々木上原　「ごとう」 (2010/07/08)
• 幡ヶ谷　「ふじ多」 (2010/04/05)
• 渋谷　「権八」 (2010/03/31)
• 恵比寿　「なゝ樹 」 (2010/03/04)
• 幡ヶ谷　「ふじ多」 (2009/08/03)
• 幡ヶ谷　「ふじ多」 (2009/02/02)
• 渋谷　「山どり」　（閉店） (2008/11/13)
• 幡ヶ谷　「ふじ多」　再び夕に (2008/10/18)
• 幡ヶ谷　「ふじ多」 (2008/10/12)
• 笹塚　「山横沢」 (2008/06/24)
• 渋谷　「おくむら」 (2008/04/18)
• 代々木上原　「ごとう」 (2008/04/08)
• 恵比寿　「玉笑」　残念ながら閉店 (2008/03/21)

スポンサーサイト