入り口横に作られた、石臼の置かれた打ち場を眺め、
入った店内は、変らずすっきりとして清潔感漂う静かな空間。

すぐに、にこにことした女将さんからお茶が出され、
置かれている品書きを手にし、今日は何を食べようかな…♪。



久しぶりなので「せいろ」のところなのだが、
「今日は暑くなる」と、天気予報が言うので、薄着をしてきたらちょっと肌寒い 。
ここの暖かいお蕎麦も美味しいしなぁ…などと見ていると…



目についたのが、挟まれていた「ランチセット」のお品書き。
お聞きすると、今日はまだあるとの事なので…
久しぶりに、これを「かけそば」でお願いしてみる事に。



しばしして、丁寧に目の前に置かれた「ランチセット」。
かけそばに、野菜と海老の天丼、それに大根の煮物に、漬物と盛りだくさん♪。



まずは、ほかほかと湯気を立てた、琥珀色の汁を口に含む。

ああ…、しみじみ～と美味しい

すぐに感じる鰹の風味の後に、すっきりとして凛とした味わい。
さっぱりとした関西風仕立てで、すぅ～っと体に染みいるかけ汁。

その後で、薬味の葱を加え頂き、さらに大根おろしを加えると、
ふわ～っと大根おろしの優しい甘みが広がり、さらに滋味深く旨みが深まる。



しばし何度か汁を頂き堪能した後で、蕎麦を手繰ると、
暖かい汁に浸されても、穀物感感じる、もちもちとした腰があり、
後にふわりと、優しく蕎麦の香ばしい味わいを残していく。

「せいろ」もいいが、「進士」さんの暖かい蕎麦はやっぱりいいなぁ…

と、静寂した店内に、すする音を響かせながら、ひたすら手繰り手繰り、
満足な心地で食べ終え、ほおっとした、丁度のタイミングで…



兎の縁の深いお店ならでは、ここも兎の描かれた蕎麦猪口に、
暖かい蕎麦にも、蕎麦湯が出されるうれしい配慮 。



そっとかけ汁を移し、注ぎ入れると、独特の蕎麦の粒が見える濃厚蕎麦湯。
これをじっくりと味わい、天丼を。



色の濃い丼ダレのかかった天丼は、ピーマンに茄子、椎茸、それに海老。

薄めの衣でカリっと揚げられた天麩羅に、かかった丼ダレがちょっと独特。
焦がし醤油のような、どこか香ばしい風味のある甘辛のもの。
これはこれで、ご飯がすすむ味わいで…



添えられた大根は、しっかりと味が染み柔らかく、ほっとする味わい。



それに、しゃきしゃきっとした蕪の甘酢漬けが付くお得なセット。

全部食べたら、かなりお腹いっぱ～い、で満足なお昼ご飯に 。

最後にもう一度、とろ～り滑らかな蕎麦湯を再び頂き、余韻に浸っていると、
親子連れのお客さんが入ってきて、途端に華やかな空気になり、
私もほっとしたところで、席を立つ。

ご馳走様でした～

一度、夜にも訪れてみないとなあ…。

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