神楽坂に去年、又ひとつ魅力的なお店が誕生 。
神楽坂駅から入った矢来町の住宅地の、
細い路地をくぐった先に、
さりげなく緋色の暖簾がかかる古民家。
「慈久庵」の蕎麦を使っていると雑誌で見て、
ずっと気になりつつ早1年、
あいにくの雨嵐の中、ようやくの訪問 。
神楽坂 「酒・蕎麦 矢来山房」
扉を開き、靴を脱いで上がった店内は、
どこかノスタルジックな空気が流れ、
畳にテーブルが置かれたの和モダンの一室に、
「良かったらこちらにどうぞ」
と勧められたのはその先のカウンター。
腰を下ろし、まず目に留まったのは、
テーブルに置かれていたお店の「ごあいさつ」。
「漱石山房」から程近いので「矢板山房」としたこと、
肉・魚を使わない野菜中心の料理で、
「静かに一人飲みができる店」
「華美ではないが有意義な時間をすごすことができる店」
そんなお店を実現できたら…と、ん~、いいなあ 。
品書きは、確かにいい感じでシンプル。
早速、「丹沢山」をお願いすると、
「勝手なんですが、お通しに出しているので」と、
置かれたのはお味噌汁。
しめじにえのき、なめこ等々の茸の出汁に、
さっと振られた七味の辛さも絶妙、
しみじみと美味しく、酒を飲む前に嬉しい一杯 。
ゆっくりすすっていると、グラスに注がれたお酒に、
添えてくれた「山椒の実の醬油漬け」。
ぽつぽつとお話させて頂きながら、
充てに頼んだは、
胡瓜に山芋の「つけもの」(200円)に、
雑誌で紹介されていた「きのこの塩漬け」を。
さっぱりとした塩マリネに、
ほのかにニンニクが利き、どこか洋風な味わい。
なるほど~、酒の充てにこれはいい 。
「慈久庵」の蕎麦に魅了されたことや、
「眠庵」にアドバイスをもらっての店づくりなど、
話も弾み、楽しいひと時を頂いて…、
いよいよ、楽しみのお蕎麦をも。
出された汁は、鰹を一切使わない昆布出汁。
…が、物足りなさなくすっきりとして円やか、
うんうん、意外だけど昆布出汁悪くない 。
…と汁を吟味してると程なく、
置かれた笊に、盛られた蕎麦の美しさ 。
淡いグレーに蕎麦のホシ散る、
「慈久庵」の自家栽培、自家製粉の「常陸秋そば」。
ぷつぷつと表面に浮く欠片に見惚れ、
手繰った箸先からふわ~と広がる、
日向を思わせる馥郁とした香り。
きりりとしたコシに歯ざわりに感じる粒感。
やや切れ気味で、風味はやや穏やかだけども、
これはまさに、私の好きなタイプのお蕎麦 。
しかも、この蕎麦に昆布だしの汁がしっくりと合い、
そっと浸すと甘味が広がり、ん~美味しい。
後はもう、一気にアッと言う間 。
さらりとした蕎麦湯を注ぎ、
すぅ~っと伸びる汁を、じっくりと頂いて…
ご馳走様でした~
始終、謙虚で、試行錯誤している様子も好感、
これからが又楽しみな一軒。
隠れ家的雰囲気も魅力的、又伺わせて頂きます 。
「酒・蕎麦 矢来山房」
新宿区矢来町26
050-5589-2377
16:00~20:30
日曜祝日、月曜定休
禁煙
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