先日お昼にちょろりと伺って、又ぜひ夜にゆっくりと訪れ、
ご主人のお料理をもっと頂きたいな、と思っていたところ…
昨夜は、打ち合わせを兼ねての、夜の訪問 。
昼間のむんむんした暑さも静まり、夜風が心地よく肌をなでる中、
所々に懐かしい趣残した、古の名前の残る街の一角。
静かに、ずんっと立つ蔵扉が、闇の中で静かに照らされている
牛込神楽坂 「巽蕎麦 志ま平」
扉を開き、カウンターの中のご主人にご挨拶。
磨き抜かれた板の間が、足底に心地よく、座布団の上に腰をおろせば、
ほっと、途端に憩い、寛いだ心地になり…
先に到着してしまったので、生ビールを頂いて、
しばし、ご主人とお話ししながら、待ち人を待つ時間も楽しい 。
…と、喉も潤ってきた頃合いで、到着したところで、
さささっと出して下さった、小さな器に盛りつけられた前菜の数々。
まるで、お雛様のお飾りのようで、見ているだけでもうれしくなるお盆の上。
これらのお料理を前に、早速、お酒を…。
いくつかの銘柄の中から、東北応援!「大七」をお願いすると、
ずっしりとした重さのある、錫製の風流なちろりで出される。
前回頂いて、すっかりはまってしまいそうな、「ふかし豆」(?)。
納豆になる直前のお豆は、ほこほことしてしみじみとした旨さがあり、
ふりかけられた、青海苔の香ばしさが、実によく合い…
コリコリしゃきっとした、上品に炊かれた「山くらげ」
ほんのり広がる苦みが春の息吹、「ふきみそ」は、
これだけで、何杯もお酒が飲めちゃいそう。
そして、これも前回頂いて、感動した「無花果の胡麻だれかけ」。
とろ~っとして優雅な甘みに、胡麻のコクと香ばしさが合わさり、
やっぱり、これは美味し~い
そして、ずっと心に残っていた、何よりも楽しみだった「蕎麦スープ」。
蕎麦の摺り流しに、粗摺りを合わせて作られた、ほかほかスープは、
優しくて柔らかくて、ほんのりと滋味深い甘みがあり、
ぷつぷつとした蕎麦が混ざった、出汁が優しく広がるミルキィな汁。
カリカリに炒られた、蕎麦茶が又香ばしく…
心底、このスープにうっとり~
夏には、冷やして出すそうで、それも是非とも飲んでみたい…。
と、飲み尽くしてしまうのを、惜しみつつ、
お酒もお代り、次の真澄も、又違う形の錫のちろりで出された所で、
二の皿、私は少なめでお願いした、お料理の盛り合わせ。
これは、通常に盛られてくるもので…
辛いもの苦手なので、それを除いて盛って頂いた、私のお料理。
どれもが美味しそうで、どれから頂こうかしら
繊細に様々な具材が混ざり、巻き焼かれた「出汁巻き玉子」は、
ほんのり甘めの蕎麦汁の風味がじわ~り染みた、私の好みの玉子焼き。
んー、これには、熱燗を合わせたい…
「白鷹」の熱燗は、柔らかい口辺りで、ほっこりとした旨さ。
ご主人が金継ぎをした唯一無二の素敵な猪口で頂く酒は、又格別で…
(志ま平さんの、ちろりコレクションも全部見てみたいなあ)
じっくりと炊かれたのが伺える、味の染みた「牛蒡」は、
削り節がふわっと香り、牛蒡そのものの旨みがじわ~り。
ホタル烏賊の煮漬けに、
稚鮎のほんのり感じる苦みが、又お酒をすすませる。
それに…、「竹の子の炊いたん」に、甘梅がちょんと盛られたさつま芋。
どれもが、丁寧にしつらえられた美味しいお料理に、
改めてご主人のお料理の美味しさを実感しつつ…
「そばがき、食べてみる?」
の言葉に、迷う事なく頷く我々。
一つは、山葵醤油を添えて出された、素の「粗挽きそばがき」
顔を近づけた途端に、ぷ~んっと香る、蕎麦のふくよかな香り。
私の選んだ、「辛味そばがき」は、一口大にまるめられて。
たっぷりの大根おろしがかかった蕎麦がきからも、豊かな香りがふわっと広がり、
口に含むと、もちっとしてとろ~り。
溶ける間に蕎麦の粒の感触が、ぷるぷると感じられ、これがたまらない。
爽やかな大根おろしに絡まったそばがきは、香ばしさに甘みが強まり、
んん~っ、これも美味し~い 。
すっかり、お料理にお酒、ご主人挟んでのひと時を楽しんでたら、
あっという間に時は経ち…
そろそろお蕎麦を、頂きましょう
と、「せいろ」も「深山」もどちらも食べたくお願いした、「二色そば」。
まずは、微粉で打たれた、繊麗な姿のせいろに顔を寄せれば、
ふわ~り、清々しさの中に穀物の香りを含んだ、蕎麦の香り。
しなやかで、しっとりとした、心地のいい腰加減。
噛みしめた途端に、ほろろろとほどけ、じわ~じわ~と香ばしさが染みてくる。
ああ、このせいろは、やはり旨い…
と、手繰ったらあっという間。
そして、やや太打ちの、透明な蕎麦粒が浮き出ている、深山を…
と、手繰り上げた途端に、むわ~と込み上げてくる、深く芳しき濃厚な香り。
ああ、この香りだけで、既にうっとり…。
もちもちっとした腰に、時折感じる蕎麦粒の感触。
それが不思議にぼそぼそした感じはなく、何とも旨みに満ちたこの「深山」。
珈琲を思わせるような、香ばしさに、噛みしめる度にうれしくなる…、
ん~、これは美味しいなぁ…
蕎麦湯は、その場でさぁっと注いでくれる、熱々蕎麦湯。
これを飲む度に、もり汁の旨さを改めて実感し…
志ま平タイムの、ゆるりとした時間が何とも言えず、
心から、満喫した、夕暮れのひと時。
又、来たいと、既に思いながらお店を後に。
ご馳走様でした~
ああ、いい夜だったなぁ…。
「巽蕎麦 志ま平」
新宿区納戸町33
03-5261-8381
昼~14:00ごろ / 夕方~22:00ごろ
日曜休 (祝日営業)
禁煙
2011年 4月27日 お昼に、前菜と「二色そば」
2006年 6月21日 おまかせお料理に「二色そば」
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初めは、恐れちゃいそうな貫録がありますが、笑うとお茶目ですよね。
そうそうNYタイムスに載った経緯も、お聞きしました(^^)。
冷たくするとヴィシソワーズ風になるそうで、柔らかくクリーミィーなスープです。こーんすーぷの中のコーンのように、つぶし蕎麦粒が入っているのが又よくて…。毎日でも食べたいです。
一見怖そうだけど、
けっこうおしゃべりな大将。
NYタイムスにも載ったお店です。
中でも、「蕎麦スープ」に釘づけです。
冷やしバージョンでのご報告も
お待ちしています。
ぜひ!
中井から乗り換えでも、
新宿乗り換えでも、
あるいは、私のように神楽坂からお散歩がてらに…
素敵なお店です(u_u*)~
どれもが、お酒を欲しくさせるものばかりという…、ニクイお料理。
深山、いいんですよっ、これが。
太い=もごもご、ぼそぼそ、
というのが全くなく、実に味わいの深いお蕎麦です。
(この日も、私達以外には、入れ替わりに二人のみ)
とてもいい感じですよね~(^^)
確かに、店主一人のお店もいいのですが、テンぱられると、こっちがドキドキはらはらしちゃったり…
そういうのも、お人柄の器なのか、などと思います。
ここ、いいですねっ
前菜充実、お料理充実~
そしてお蕎麦もおいしそうっ
なかなか都内に行くことがないんですけど
覚えておきますっ
ぜひ行きたい~
お料理ちょこちょこ食べながら
日本酒、う~ん、憧れます
お酒がすすみますね!
太めのお蕎麦も美味しそうですね!
また、この店でいつも感心するのは「客あしらいの巧みさ」です。
主人一人がカウンターに立って全てを賄っている割に、一向に慌ただしさがありません。
一人でやっている蕎麦屋では、客が立て込むと天ぱッている様子がもろに窺え、客に苛立ち感ばかりを募らせる店が多いですが、さすがにこちらのご主人は手慣れたもので、丁寧な仕事振りやスタイルを崩さず、居心地の悪さを感じさせないのは見事だと思います。
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