どうしたかなぁ、とやっぱりちょっと気になるお店。今日は六本木でオフィスワークなので、久々にお昼を頂きに・・・。

一度、定休日が月曜日に変わったのを知らずに来てしまったけど、大丈夫今日は火曜日。
それでも、通りから見上げ様子を伺うと、白い帆布の下ろされた窓から、中の明かりがちょっとこぼれてる。
ここが・・・、障子だったんだよなぁ。
横文字で書かれた看板を眺めながら、以前と同じ階段を回りこんで上ると、目の前にすっきりとした扉。

飾られていたたくさんの祝い花もなくなり、あまりにもシンプルにすっきりとした入り口は、やはり蕎麦屋のものとはかけ離れ、美容室か何かのサロンのよう・・・。
六本木 「HONMURA AN」
ちょっと時間をずらして昼休みをとったので、混雑時期の終わった頃合。
静かに広がる平らな空気の中、すぐに顔を出しくれたのが、見知った花番さんで、途端にほっとする。
「いらっしゃい♪空いているとこ、どうぞ 」
との暖かい声を聞き、以前好きだった窓際のテーブル席にしようかと思ったが、日差しが暑そうだったので、奥の二人がけの小さなテーブルに腰を下ろす。
昼間だからだろうか・・・。
ちらりちらりと、ゆっくりと寛ぐお客さんに、静かな店内。
あの開店当初の夜の浮き足立ったような空気も消え、落ち着きを取り戻したよう。
しかも、様子はがらりと変わってしまったが、考えれば配置も昔の面影を残してる。
さらに今日は、テーブルの上に置かれていたナプキンも見あたらない。
そうそう、こうであってくれなくちゃ・・・、
と思い、右側の壁を見ると、くり貫かれた覗き窓からは、以前のように打ち場が見られる作り。
お店も、お客さんも、そして、この空間が半年の間に、落ち着いたのだろうか・・・。
それとも、この昼下がりの時間というのが、いいのだろうか・・・。
あのしっとりとした、江戸の赴きある空間はもうないけど、それでもゆったり寛げる空気が帰って来たよう 。
と、ちょっと私もほっとした気持ちになりながら、お茶を頂き・・・、
品書きを見るでもなく、決めていた「せいろ」をお願いする。
すぐに出される、蕎麦猪口に薬味の葱に山葵一本。
厳かに擦っているいると、だんだん無心になってくるこのひと時が好きだ・・と、しみじみ思いながら摩り下ろして待つ時間。
BGMもない、静寂した空気。
時折、奥からかすかに耳をかすめる、お客さんの柔らかな話し声・・・
そして、程なく、蒸篭に盛られた蕎麦が置かれる。
粗挽きの粒がびっしりと込められた、野趣長けた細切りの蕎麦。
手繰り寄せると、ああ・・・この香りだ
と、懐かしくなるような穀物の深い香りをゆっくりと吸い込む。
口に含むと、ざらりと掠める蕎麦の欠片の存在がうれしい。噛み締めると、これもじわりと香ばしい風味が口に広がる。
美味しい・・・
昔の「六本木本むら庵」の蕎麦の味が帰って来たように感じながら、たまらなく味わう。
水のヴェールを纏いながら、歯を包み込むような腰加減。
蕎麦の欠片ひとつひとつが、弾けるかのように広がる風味。
ああ、やっぱり、この蕎麦、好きだなあ、と思ってしまう・・・。
タイミングを見て出して下さった湯桶は、まだ新しくてピカピカしているけど、中身は前と同じ、優しく白濁した熱々の蕎麦湯。
たっぷり擦った山葵を溶き、蕎麦湯を注ぎいれ頂くと、ふっと落ち着く余韻のひととき。
これを、時間ぎりぎりまでゆっくりと楽しみ、席を立つ。
今日は、心から・・・
ご馳走さまでした~
なんだか、又、ここで、ゆっくりと枡酒を頂きたいと思ってくる。
夜はどうなんだろうか。
まずは、昼下がりの空いた時間に、ゆっくりと蕎麦前をも楽しみに、又来てみようかな・・・。
*せいろ 800円
「HONMURA AN 手打蕎麦」
港区六本木7-14-18
03-5772-6657
12:00~15:00 / 17:30~22:00
12:00~21:30(土日)
月曜、第三火曜定休
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じーんと来てしまいました。
そうかも、
しれないですね。
私、の、気持ちも、なのかも、ですよね・・・。
何となく、受け入れ初めていた自分を感じていたのかもしれません。
やっぱり・・
好きなんですね~・・・
もっと落ち着い、いや、慣れたら、私も、誰かと訪れて、みようと思います。
わ、私もっっ
私もっっ
そうなんです、もちろん。
この変貌にどれだけ、落胆したことか・・・
愛していただけに、なのですが。。
でも、お店の方針。
受け入れる他ないのです、よ、ね・・・
(やっぱり、昔が懐かしい・・・)
私も今までは、新しくなってからもかつての「本むら庵」を確認しながら
飲み食いしているような感じでした。
そろそろ、新しい“HONMURA AN”バージョンで飲んでみようかな、
なんて思っています。
一人じゃできないのでまだ実現していませんが。。。
あんまりオシャレになってほしくないですね。
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