と豊富な種類を打つ「志美津や」さん。
一度、ぜーんぶ食べてみたい、と思っていたところ・・・、ご主人の「受けてたちましょう!」のお言葉で、蕎麦友達と共に実現することが


喜多見 「十割蕎麦 志美津や」
待ち合わせは、5時。
ほんのり夕日に照らされたお店は、さながら祭りの前の静けさ・・・?

「こうなったら10種類出しますよ」とおっしゃっていたご主人の言葉に、ワクワクしつつ入り口に向かうと・・・、
これもうれしい!
「本日貸切り」の札まで

徐々に賛同者が増え、結局9人集まることになった我々に対しての、ご主人のご好意に感謝

さてさて、某所の8種を越える、10種類・・・。
食べられる?との不安もちょっとよぎるが、それよりもむしろ激しい興味を感じ、扉を開く。
ん~、なんだか素敵♪
既にぱしーっとセッティングされた様子に、さらにうれしくなってしまう 。
やがて全員揃ったところで・・・
食前酒の梅酒で乾杯~。
キンっと冷えた美味し~い梅酒が、食欲を途端掻き立てる。
ビールが注がれ、まずは蕎麦前を。
これも食べてみたいと思っていた、「志美津やご膳」が並べられ、まずは「前菜三種盛り」。
上品に味付けされたシャキっとした菜の花に、大好きなウドのキンピラ。
ほんのり甘めの江戸前風の出し巻き玉子は、ひょうたん形も素敵。
しっとりと柔らかい鴨ロース。さっぱりとしながらも味わい深くて、私にも美味しく頂けちゃう。
志美津やさんの、美味しい「自家製山葵の醤油漬け」が出されると、ビールからお酒に切り替えて。
まずは、すっきりとした「〆張鶴」純米を、お猪口で上品に・・
いくつかのお酒を頂いた後に、ご主人の今日の隠し酒、「くどき上手」純米吟醸にごり酒。ほんのり発泡したお酒は、すっきりとした甘みで、これは美味し~い
加えて、Kさんが差し入れで持ってきてくださった「七田」純米にごり酒。
偶然にも、うれしいにごり酒の呑み比べ 。
さらに、目の前には「蕎麦クレープ」も。
蕎麦味噌と大葉が巻かれたクレープは、軽やかでふんわり。これも美味しい・・・♪
一緒におばあちゃまが毎日丁寧に漬けられている、
蕪、大根、胡瓜の「自家製糠漬け」に、「じゃこつぼ漬け」、「ゆかり漬け」。
どれもがあんまり美味しい漬物で、帰りにお土産にしてもらっちゃった程 。
・・・と、一通りのお料理にお酒をしばし楽しんだところで、
いよいよ、本日のメイン、「十種類の蕎麦バトル」の始まり~
一種類50グラムずつ、トータル500グラム出されるとのこと。
まず始めの一枚は、「粗挽き蕎麦 打ちたて」。
いつも頼んでしまう私の大好きな「粗挽き蕎麦」。所々表面に蕎麦の欠片が散る、きりっとしたエッジの丹精な蕎麦。手繰り上げると、今日も穀物の香ばしい濃い香りが豊かに漂う。
口に含むと優しく掠めるざらつきが心地いい。かみ締めると、焙煎したかのような香ばしい風味がとても濃い。
一枚目から、感動してしまう・・・。
今回の蕎麦バトルのテーマの一つは、ご主人が最近研究を重ねている、「熟成蕎麦」の検証も兼ねており・・・、
二枚目は、「粗挽き蕎麦 熟成三日目」。三日寝かせた蕎麦。
見た目、なんとなくべちょっとした感じ。手繰る香りも、打ちたてに比べやや弱く、風味は同じく濃いのだが、ちょっと歯ぬかり感も感じられ、やはり打ちたてにはかなわないような。ううむ、難しい。
三枚目は、さらに寝かせた、「粗挽き蕎麦 熟成五日目」。
二日違うだけで、こちらはキリッした面持ちに変化している!
もちもちとした食感が増され、焙煎したような香ばしさからナッツ系の甘みのような味わいに変化する。あ、これ、いいかも・・・
と、同じ「粗挽き蕎麦」の三変化を味わったところで・・・、
なんっと 、
絶品「牡蠣の天ぷら」が、春らしくフキノトウを添えられて出される。う、うれしい~。
ジューシーな牡蠣天ぷらはやっぱり美味しく、大満足
この牡蠣天を頂きながら、ちょっと間を置いて、
四枚目は、がらりと変えて、要予約の「さらしな生一本」。
純白の細切りのさらしなは、ぱっと明かりが差したかのような美しさ。
きちんと、別にさらしな用のもり汁まで出して頂き、口にする「さらしな」はぷりっとした口当たり。ほんのりと広がる甘みが優しく、これも美味しい~。
そしてこれも意表をつく采配か 、
五枚目は、まったく異なる、「十割田舎蕎麦」。
久々に頂く田舎蕎麦は、挽きぐるみでかなり黒めの太切りの蕎麦。
どっしりとした蕎麦は艶々と輝き、食べる前からうれしくなる。
手繰り寄せると、これも濃い香り。口に含むと、しっかりとした腰の蕎麦はもちもちとし、これぞ蕎麦!という深い味わいに、すっかり魅了されてしまう。
いいな~、この田舎も・・・
この蕎麦で是非、「けんちんつけ汁」や、「かけ」を食べてみたい!と強く思ってしまう。
もちょっと食べたい~なんて思っているところに、思わぬサプライズ
どーんっと大皿に一人一本ずつ、穴子の天麩羅 !
こ、これが又美味しい~っ
軽やかに揚げられた穴子の身はふんわりと柔らかく、これで又ちょっとお酒などを頂いていると・・・
目の前に胡麻汁?胡桃汁?と思わしき汁がめいめいに渡される。
と、ご主人曰く、「これ、ピーナッツ汁です」とのこと。
ぴ、ピーナッツ ?これは初めて・・、と一口舐めてみると、確かに確かに、甘めな汁は後に、バターのようなコクのある風味を残していく。あ、そうだ、これはピーナツバター!の後味だっっ。
そして、これを頂くべきお蕎麦は、六枚目、こちらでは定番の「十割蕎麦」。
細切りのエッジのきりりと立つ上品な佇まい。
香りも十分、噛み締めるとこれも豊かな風味が感じられ、するりと落ちる喉越しの良さ。
所謂、万人受けするのは、これだ・・・、と納得する美味しさ。
この蕎麦に、このピーナツ汁を絡め頂くと、これが妙に美味しい。
これまでの蕎麦と又がらりと変わった味わいに、これもするするっと食べてしまう。
いやはや、ここのご主人、すごすぎ・・・。
と、ピーナツの余韻に浸っていると、はっと目を引く蕎麦が現れる。
七枚目、「手挽き 玄挽き蕎麦 熟成五日目」。
んんん~・・・なんて心惹かれるこの姿 。
びっしりと折りこめられた蕎麦の欠片の集大成。
手繰り寄せるまでもなく、立ち込めるだだ茶豆のような香りに、うっとりし、口に含む。
しっとりとやや心地のいいぬめりのようなものを感じた途端、ざらりとした舌をかすめていく。噛み締めると、もちもちとした歯ごたえに、強烈な風味が広がっていく・・・・。
んーっ、これはすごい。
こ、これお変わりしたい・・・などと名残惜しく思っていると、
続けて、
八枚目 「電動石臼挽き 玄挽き蕎麦 熟成五日目」
こちらも蕎麦の欠片が豊富に込められた見事な蕎麦。
とはいえ、手挽きと比べ、蕎麦の欠片が均等に揃っている。
これも、同様に香り風味共に豊かで、先ほどの蕎麦とかなり近い。甲乙つけがたい味わいだが・・・、、やはり手挽きのすごさなのだろうか、比べてしまうと、手挽きの言葉では言い表せない、温かみというか奥の深さが懐かしい。
続けて、九枚目、「電動石臼挽き 玄挽き蕎麦 熟成三日目」。
前の二枚は、玄挽きに抜き蕎麦の微粉を混ぜて打たれたものに対し、こちらは、玄挽き95%に、割粉5%を混ぜて打ったとのこと。
だから、なのだろうか?
やや滑らかで、穏やかな感じがするような・・・
んー、でも香りも風味もよく、ここまで来ると、もう好み、僅かな感覚の違い。
なんだかとてつもなく、贅沢な気分になってしまう・・・ 。
と、ここですっと出されたのが、清涼感たっぷりの「海老とオクラのみぞれ和え」。
甘酢仕立てのたっぷりの大根おろしにオクラのねばり、海老の旨味のバランスのいい一品で、すうっと胃を中和してくれるよう。
そして、いよいよラスト。
十枚目は、これも又してもご主人の憎い試み。
「釜上げ手打ちうどん 鶉の卵乗せ パルメジャーノチーズ合わせ」。
ツルツルしこしことしたうどん、これもいい!
それに、鶉を溶き、パルメジャーノチーズをふりかけ、もり汁をかけ混ぜて頂くと、そのまんま「和風カルボナーラ」
これが又、美味しくて美味しくて、クセになってしまいそう。
こちらでうどんを頂いたのは初めてだったけど、このうどんもすこぶる美味しい。
トータル500グラム食べたとは、あまり感じられずに、すべて全員揃って、ペロリと平らげた、総10枚の蕎麦(うち一枚はうどん)。
もう、心から堪能した蕎麦バトルに、達成感よりもむしろ幸せな気持ちでいっぱい
ノーマルなもり汁に、そしてこのうどんの後に残った、卵チーズ入りの汁に蕎麦湯を注ぎいれ、思い出しながら頂く至福のひととき。
そんな中、そっと出された、水菓子の「苺に柑橘」。
食べた後のこれがうれしく、もう、大満足
すっかり和み、ご主人を含めて、感想やらなどで、又楽しいひとときの時間をもち、宴もお開きに・・・。
いやぁ、この蕎麦バトル、心から堪能し、又楽しく・・
ご主人、おばあちゃま、皆様に感謝の気持ちでいっぱい。。
すべて、同じ「筑西」の蕎麦で、これだけ違った蕎麦にするなんて、と
ご主人の研究心、追求心の強さを改めて知り、心から感心してしまう。
ご主人はもちろん、遅くまでお付き合い下さったおばあちゃま、奥様、
本当にご馳走さまでした~
本当に素晴らしい「蕎麦バトルの会」。つくづくと志美津やさんには目が離せないなぁ。
又、ぜひとも訪れさせて頂きます。
(今度は、単独で、静かに・・・ )
自家製粉 手打ち十割そば 「志実津や」
狛江市東野川4-13-5 03-3489-0381
11:30~20;30 毎月6日・16日・26日原則 禁煙 P有り
お店のHP これまでの訪問
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お元気でした?
私もちょっとご無沙汰しているので、お会いしたいです。
ぜひ、お近くでしたら・・。
普段でも、じゅ~~ぶん!
素晴らしいお蕎麦が食べられます(^^)
誘って欲しかった・・・、です。
今、改めて思っても、
本当に素晴らしいものでした。。
私も、予想以上のこの蕎麦、お料理に、もう心から満喫しきってしまいました。
いやはや、ご主人すごすぎ。。
うふふ、
次、も、・・・(^_-)
こんなにも熱心に蕎麦に向き合い、
それに、この一連の出し方の構成も素晴らしく、
感動してしまいました。
これは・・・
本当に素晴らしく、つくづく幸せに思います。
しかし、あんなに飲んで食べても、ちゃんと写真を撮っているのはすごい。私は、店に入ったとたんカメラは放棄状態でした。
これで「メニュー制覇ミッション」も、府中"T"、永福町"K"に続いて三回目。まだまだこの勢いで続けましょう。
こんなの見たことありません!本気も本気大本気で、
熟成蕎麦をやりましたかこれも凄い、
しかし此処までご主人を動かすとはyukaさんはたいしたもんだ!
夢を見ているようですよ、思わずホッペをツネってしまいました。
yukaさんもっともっと刺激してあげてくださいね♪
食べ手の魔法で(笑
実は、写真を撮るのを忘れていて、省いてしまったのですが、なんと我々、この後、田舎のかけまで回し食べまで・・・(^^;;
本当に、このご主人はすごいです。
これだけの物を作るのに、
そして、この構成。
心から感動してしまいました。
熟成蕎麦、これはこれから見逃せないものになりそうですね。。
熟成蕎麦、このところ密かに
蕎麦仲間や、蕎麦屋のご亭主たち
が実験してますが、
ここまではまだどなたもやってないのでは
無いでしょうか。
それにしても、ご主人の情熱は
素晴らしいですね。
羨ましい!
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