途中、住宅街の中の素朴なお蕎麦を頂こうと向かうと、残念な事に定休日。仕方ない・・と、「キッコーゴ」へ向かいがてら、何度か見かけた看板のお店でお昼を頂こうと、急遽向かってみる事に。

五日市街道沿い、キッコーゴ醤油のすぐ近くの看板を目印に横道を降りていく。
矢印に誘われるように民家の中へ入っていくと、程なく立派なお庭の入り口に辿り着く。
お店の前には東屋のような休憩所や、その後ろには外から眺められる打ち場があり、ちょっと覗き見ながらお店へと・・・。
ほのぼのとした、緑に囲まれたお店。
今時、玉簾というのも珍しく、なんだか東京だという事を忘れてしまいそう・・・


あきる野 「手打そば 加賀屋」
入り口近くに置かれた地元の朝採れ野菜の販売に、ちょっと心を揺られながら扉を開く。
「いらっしゃいませ~♪」と明るい声に迎えられた店内は、ほのぼのとした民家のお座敷が広がっている。
素朴に一枚板で作られたテーブルが6卓程並べられたお座敷に、横の窓際にはゆったりとした縁側があり、ここにも3卓ほどテーブルが置かれている。
暖かい日が差し込んだ縁側の席が気持ちよさそうで、そのひとつを選んで腰を下ろす。
暖房などいらないくらいぽかぽかとし、窓からは下の野路が見下ろされ、すっかり寛いでしまうのどかな空気 。
にこにこと笑顔で出して頂いたお茶を頂きながら、ほっとして置かれた品書きに目を通す。
なんともシンプルなお品書き 。
もり、ざる、とろろに冷したぬき、それにかけ、山かけ、たぬきのみ。
裏には、ちょっと拘りが書かれていて、「昔ながらの家庭の味を引継ぎ、つなぎは山芋と卵を使っています」と・・・。
「お蕎麦にはちょっとした天ぷらが付きます」と書かれているのがうれしく、「山かけそば」にも惹かれたが、素を味わおうと二人で「もりそば」をお願いすることに。
柔らかい静寂、差し込める日の光、奥からかすかに聞こえる楽しそうな話し声。
待ちながら次第に心がゆったりと休まっていくような、暖かい空気に満ちている。
ほおっとこの空間に浸り始めたころ、「ちょっとした天ぷらですが、召し上がって下さい 」と、天ぷらの小鉢と共にもりそばが置かれる。
天ぷらの他に、大根の醤油漬けも添えられたもりそばは、どっしりとした弾きぐるみの太めの田舎蕎麦。
手繰り口に含むと、素朴な蕎麦の香りにしみじみとした風味。もちもちっとした食感の腰のしっかりとした蕎麦は、人の暖かみに満ちている。しっかりと噛み締めながら頂いていると、「つなぎは・・」とか、「香り、風味が」とか難しい事考えずに、素直に美味しいでいいではないか、という気がしてしまう。
ほんのり甘めの薄めの汁にどっぷりと浸しながら、一手繰り、一手繰りと頂いてしまう。
日によって・・・の天ぷらは、今日は小さな掻き揚げにさつまの天ぷら。これも素朴な家庭的な天ぷらだがサクサクとし、添えられた大根の漬物がとても美味しい。
蕎麦湯は、きちんと頃合見て出して下さる。
注ぎいれようと蓋を開けてみると、意外にもしっかりと白濁した蕎麦湯 。
注ぎいれ頂くと、まろやかで蕎麦の風味の溶け出た味わいで、これが又美味しい。
たっぷりと頂くと、お腹もいっぱいになり満足な思いに・・・。
時が止まったかのような不思議な時間に、いつまでもこの縁側に座って、夕日を眺めていたくなってしまうような心地にさえも。
始終、心地よい笑顔でもてなして下さるのもとてもうれしく、ひょっこり山中で出会ったかのような不思議な心地。
ご馳走様でした~
連休最後の一日に、こんな時間もいいなぁ、としみじみと。
いつか、このお蕎麦で今度は温かい蕎麦を頂いてみたいな・・・
*お品書き
もり 840円、ざる 945円、とろろ 1,050円、冷やしたぬき 12,08円、かけ 1,050円、山かけ 1,260円、たぬき 1,155円、小だぬき 525円、
ビール 525円、オレンジジュース、コーラ 210円
「手打そば 加賀屋」
あきる野市山田962-1
042-596-1648
11:00~15:00(そばがなくなり次第終了)
月曜定休(祝日営業翌休)
禁煙 P5台ほど
お店のHP
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ちょっとなんだか、私ももらってみたくなってしまうような・・・(笑)
あの縁側はいいです!
昔のおばあちゃんちを思い出してしまうようで、なんとも和んでしまいました・・。
確か暮か新年に当店に伺いますと、帰りがけにティッシュBOXを1個下さる。
初めて行った時はホエ~(チーズを作る過程でできるアレではなく、驚きの声の、です)と思いましたが、その後はそろそろもらえるかと値踏みして伺ってたような(大笑
店内が込み合うと、離れがありまして、それも2箇所ほど。座席の関係なんですけどね。
勿論、縁側が特等席ですよ!(煙害ないし)
美味しそう~なキャベツが・・。
女性の打ち手とは知りませんでした。
素朴であったあみのある、なんだかほのぼのとした気持ちになってしまったです。
あの縁側はいいですね~。
桜の時期に、訪れてみたいです。
五日市・・
うふふ、これも又楽しいところで・・・(^^)
あの掻き揚げも又食べたいところです。
太い田舎蕎麦、素朴な感じで、正に野趣に富むというものですよね。田舎で食べてるっていう気分も満喫できます。
春先には縁側の桜が咲くので、ポカポカ陽気爛漫の中で蕎麦を啜ることができます。
超越した気分になれば、あきる野、秋川を存分に味わえる。
ところで、当店は結構人気で込み合います。かつて駐車場が一杯だと、さらに先に進めたものです(五日市方面へ)。
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