このところいつも通り過ぎていた、「みずほ銀行」横の細道を、久々に入っていく。
なんだか懐かしい・・・

はやる気持ちを抑えつつ、ゆっくりと歩いていくと、程なく・・・、見知った建物が目に入る。

まずは外から、まじまじと眺めてしまう建物。外見はあまり変わっていないように思ったが、よく見るとあの障子はなくなり、帆布のようなものが掛けられている。ちょっとお洒落なバーのような雰囲気も・・・。
六本木 「HONMURA AN」

あの、鮮やかな青の看板も取り払われ、代わりにかけられたのはすっきりとした横文字で書かれた看板。それをしげしげと見つめ、階段を上る。
まだたくさんの華やかなお花が飾られた入り口は、これもすっきりとしたシンプルな扉。
あの、昔ながらの格子張りの入り口の面影は、もうどこにもない。。
さあ、と、この扉を開く。
ほぉぉ~・・・
予想はしていたものの、あまりの変化に思わず立ち止まってしまう。
高い天井に、無機質なコンクリート壁に覆われた店内。白木のテーブルがまだまぶしく、なんともスタイリッシュで、モダンな雰囲気に包まれている。
窓際には、テーブル席が並べられ、真ん中には洒落た感じに作られた大テーブル。お座敷だったところもすべてテーブル席が並び、その雰囲気は蕎麦屋というよりは、まるでカジュアルなフレンチ、又はモダンな和食のお店という感じ。
思わず、入り口にたたずみぼおっとしていると、花番さんが出てきて下さり、一人と告げると、二人用の小さなテーブル席に案内される。
すごい・・・。蕎麦屋でナプキンまで。。
ちょっとあっけに取られながら、置かれた品書きを手にすると、見知った花番さんが通りがかり、挨拶などなど。ずっと緊張していただけに、やっとほっとした心地を感じながら、お酒の品書きを見ると、お酒の種類も増えてる
が、「やっぱり、ここに来たら、これが飲みたくて 」と、剣菱枡酒をお願いする。
ほどなくして、出された枡酒。受け皿まで、銀・・・。
でも、お通しの塩はちゃんとつき、定番だった山葵の醤油漬けに代わって、そば味噌も。
懐かしい枡酒。口に含みながら、お料理の品書きに目を落とす。
以前からの物も、いくつか残っているが、新たに加わった品書きが多いよう。しかも、すべてが、2割弱程値上がりしてしまってるのは、ちょっと悲しいかなぁ~。
やはり、「本むら庵」と「HONMURA AN」は、違うのかもしれない、などと思いながら、聞きに来てくださった花番さんに、「三点盛りは、もうなくなっちゃったんですね~」と言うと、「お作りしますよ 」 と、おっしゃって下さったので、懐かしさもあってお願いすることに。
しばしして出された「三点盛り」。
以前は、二切れだった出汁巻きが、一切れになり、大好きなキンピラもちょっと盛りがお上品になっちゃった。でも、牡蠣のカレー揚げが付くのがちょっとうれしい。
ようやく、これらでちびちびとお酒を頂きながら、改めて回りを見渡すと、雰囲気も感じもなんだかちょっと落ち着かない 。きっとそれは、まだ私の中に昔の風情が色濃く残っているからかもしれないのだろうな~。
と、とても昔のお店を、再び懐かしく思ってしまう。
久しぶりのお店だったので、もうちょっとゆっくりしようかと思ったが、入り口で待っている人も出てきたので、ここは早々においとましよう、と、「せいろ」をお願いする。
ああ、これは変わらない
まずは、薬味の葱に、山葵が出され、これを擦りながら、残りのお酒を飲み干し待つ。
そして、久しぶりの「せいろ」が目の前に。
蒸篭も新しくなってる・・、などと思いながら手繰り寄せる。やさしい蕎麦の香り。そして、この独特な粗挽きの蕎麦の姿に、やっぱりうっとり。
おずおずと、手繰った蕎麦を口に含む。しなやかな腰加減、そして、噛み締めると、じわりと苦いような香ばしい穀物の風味が豊かに広がり、思わず笑みがこぼれそう。
そうそう、この蕎麦、あの一時ちょっと変わったようだった蕎麦が、以前の趣きに戻ったよう。
美味しい・・・。
としみじみと思いながら、ゆっくりと味わう。
お変わりをしたい気持ちを押さえ、出された蕎麦湯を注ぎいれ、余韻を噛み締めるひと時。
いい蕎麦、いいお店なんだけど・・・。
やっぱり、どこか心もとないような落ち着かなさを隠し切れない。
もう少し落ち着いたら、いや、私が慣れたら、ここでも寛げるようになるのかもしれないのかな。
とは言え、久しぶりの、そして待ちに待った「HONMURA AN」に来れたことは、やっぱりうれしい。
ご馳走さまでした~
久しぶりに、荻窪のお店に行ってみようかな。。
*お品書き
せいろ 800円、田舎 900円、とろろ 1,000円、辛味せいろ 1,300円、いくらおろし 1,400円、納豆 1,000円、ごまだれ、冷やし山菜 1,200円、生湯葉おろし 1,300円、鴨せいろ 1,500円、生うにそば 2,400円、天せいろ 1,900円、かしわ、やまかけ、生湯葉 1,200円、鴨南蛮 1,500円、あられ 1,700円、天ぷらそば 2,400円、
みぞれ豆腐、きんぴら、そば菜オクラ和え、いわし薩摩揚げ 750円、焼き海苔とわさび漬け、板わさ、生湯葉刺身、はまぐり時雨煮、揚げ茄子、揚げ出し豆腐 800円、とりわさ、鴨ロース、酢牡蠣、とりだんご、鯛の揚げ出し 850円、そばがき 1,000円、蕎麦寿司 2,700円、そばいなり(2個) 600円など
サッポロ生 750円、小 550円、剣菱枡酒 700円、久保田大吟醸 2,000円、八海山、加賀鳶 900円、独楽蔵 850円、お燗 850円
「HONMURA AN 手打蕎麦」
港区六本木7-14-18
03-5772-6657
12:00~15:00 / 17:30~22:00
12:00~21:30(土日)
月曜、第三火曜定休
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そうなんです、こういうのは難しいことですね・・・。
それはそうと、又してもニアミス。
今年は、うれしい偶然に出合えるといいな、などと思っております。
今年もよろしくお願い致します。
また、ニアミスですか。
yukaさんが感じたようなものは
僕も持ちました。
老舗の様変わりは、これは大変かも。
僕だったら名前変えるかもしれません。
人の流れ、
時の流れ、
それで、お店もスタイルを変えていくのだろうと、今思っています。
でも、荻窪ではなく、六本木にあのお店があったことが、私にはかけがえなかったので、やはり寂しく思ってしまいます。
ご長男の方も、フロアに出て動き回っていました。
きっと・・、目指す方向を変えたのかもしれないですね。
このお店はこのお店で、こっちの方が好きという人も多分、いらっしゃるのでしょう。
でも、となり村さんも、以前のお店が好きだったというのは、私にはなんだかとてもうれしいです。
でもyukaさんを始めここに来られる方の多くは憩えないかもしれませんね。
お蕎麦の質が変わってないのが救いですが、僕も本むら庵の蕎麦を食べたくなったら荻窪に行ってしまいそうです。
manoaさんのところで以前ご紹介
されていたところから 時々こっそりと
お邪魔させていただいてました
本むら庵
以前 友人がこちらに勤めておりました
ので 内情は色々と。。。
ご主人が亡くなられて 跡継ぎさんと
一族との色々もおありだったそうです
こちらのお店 NYにお店を出されてた
息子さんの影響をだいぶ受けられた
のかもしれませんね。。。
私もこちらのお店が 好きだったので
なんとなく↑のリニュアルオープンは
ちょっと淋しい気がしています。。。
いや、あまりの変わりようにびっくりです。
まあ、想像はしていたのですが。
やっぱり、私もモチ・・ぶつぶつ。
オアシスがなくなっちゃった、っていう気持ちも・・。
いや、本当にステキなお店に、なっていました。
もう少したったら、又ふらりと訪れてみます~・・・
今度は、ちょっと経ってから、又伺ってみようかな、と・・。
ユカさんのご感想が正確であると思っております。
そう、習うより慣れろ、とか。慣れる価値があるものならば。
お店が変わるのは別に当然だからいいでしょう。客のニーズが汲み取れていれば言うことはないです。
あとのことは客が決めればいいのです。
私の基準?
モチつけるかどうか、ですかねえ...
今日、やっと案内が手元に届きました。
今年はもう無理かな・・・
なにはともあれ、オープンしたのはヨカッタ!
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