
立川の昭和記念公園での展示期間もそろそろ終了に近づく今日は、再び受付係。ぽかぽか陽気の中、無事、午前中の当番を済ませて、午後番の人と交代し、作品を改め眺める。
すっかり、色付いた木々の景色に、季節の移ろいに心揺さぶられる気持ちになりながら・・・、
さて

西立川、午後1時半。まだ間に合うかも!と、急ぐ心で、立川まで飛び乗り、小走りで向かう。

立川 「蕎麦会席 無庵」
相変わらず、しっとりとした、無の空気が漂う落ち着いた店構え。よかった・・、間に合った 。
暖簾を潜り、すぅっと照明の落とされた店内へ。蔵の中に入り込んだような心地になりながら、笑顔の花番さんに通され、真ん中の大テーブルの隅に腰を下ろす。広々とした空間には、それぞれ3組ほどの人々が、静かに楽しげに、この空間を楽しんでいる。
出してくださったお茶を頂きながら、テーブルに置かれた品書きの他に、冷酒のリストをお願いする。
ええと・・・と、迷っていると、「どんなのがお好みですか?」ときかれ、好みを伝えると、「喜正、すぐそこの五日市のお酒なんですが、これがいいと思いますよ」と薦められたので、それをお願いすることに。
ここの花番さんは、いつも対応がとても心地いい。そして、程なくして目の前に、「喜正」が注ぎやすい片口で出される。
突き出しには、「煮昆布」。椎茸の佃煮が上にかかった、佃煮はしっとりと柔らかく上品な味わい。これ一つだけでもお酒を頂けてしまいそう。
それと、前回頂いてすっかり気に入ってしまった「旬の前菜盛り合わせ」をスモールで。こちらのお料理を、ちょこちょこといろいろ頂けるのは、とてもうれしい。
出されたひとつの大皿を見て、顔がほころぶ。
彩り美しく盛り付けられた、今日の「旬の前菜」は、「ゆでピーナツ」に、「いくら」、「柿と銀杏の胡桃味噌和え」、「鰆の粕漬焼き」、「ずいきの煮物」、「卵寄せ」、そして、真ん中に粉雪がかかったような、「カワハギのとろろ昆布和え」。
どれもこれも、一つとして外れのない、レベルの高い美味しいお料理。中でも、この「卵寄せ」の美味しさに、うっとり
何ともこれは、非常に楽しめる、これとない盛り合わせじゃないだろうか・・。これが、500円なんだもの、お値打ちとしか言いようがないっ。 鰆のしっとりとした焼き具合に、柿と銀杏のほろ甘い味わいに・・・、そして、とろろと合わさったカワハギに、と、ゆっくりお酒と頂きながら、後ろに静かに流れるジャズに身を委ねながら寛ぐ、これとない一時。
目の前に垣間見えるお座敷の奥に飾れた花に目をやりながら、昨日見た映画の「めがね」じゃないけど、たそがれてしまう・・・。
すっかりこの時間を堪能し、そろそろお蕎麦を・・。
「生粉、まだありますか?」」と、お聞きすると、今日はまだあるとのこと。まだ、こちらで「生粉打ち」を頂いたことがなかったので、ぜひ、それを・・・と、お願いする。
薬味は、「葱、おろし」と、「葱、山葵」から選べる中、今日は、「山葵で」。
まずは、蕎麦猪口と薬味が目の前に置かれる。
この葱の、丁寧なしつらえ。これだけでも、気持ちがいい。
そして、程なくして目の前に「生粉打ち」が置かれる。細長い蒸篭に、二つ山にして盛られた蕎麦は、蕎麦の欠片が散った細切りの蕎麦。
新そばをややブレンドしている、との「生粉」・・・十割の蕎麦。手繰り寄せると、しみじみとした穀物の深い香りがじんわ~りと漂う。
香りに酔いしれながら、口に含む。十割なのに、このしとやかさ。しっとりと口にまどろみながら、後に香ばしい穀物の風味を残し、解け落ちていく。
二八の蕎麦に比べ、やや繋がりが短いものの、「無庵」独特の、この蕎麦。粗挽きの野趣さに加え、しどけゆくような蕎麦の優しさを携えた蕎麦。
すっかり夢中で手繰り進めてしまう・・・。
頃合見て出された蕎麦湯は、十分に白濁したとろとろのポタージュ仕立て。
蕎麦湯を薄め頂く一時が、また得も言われぬ至福のひととき。
味わいながら、ゆっくりとこれもたっぷり頂くと、すっかり満足な心地でいっぱい。
ご馳走さまでした~
いつ来ても、満足度の高いこちらのお店。一歩足を踏み入れてから、出るまで心地よくすごさせて頂ける、完璧なお店。
やっぱり・・・、「無庵」だ、と思わずにはおれない。
又、来たい・・・、今日も又そう思いながら、お店を後に・・・
*喜正 800円、旬の前菜盛り合わせ(ハーフ)500円、生粉打ちせいろ 1,000円、品書きの詳細
「蕎麦会席 無庵」
立川市曙町1-28-5
042-524-0512
11;30~14:30 / 17:00~21:30
日曜、第1月曜定休日
禁煙 前回の訪問
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はたで読んでいるのも楽しいですね♪
それはそうと・・・、
「車屋」さんご出身とは。
なんだか、私もすぐに、海ほたるを通って行きたくなっちゃってます。
一泊兼ねて行きたいなー・・
(すみません)
>aiz さま
以前はR.バッグの件で情報をいただきましてありがとうございました。
掲題の件ですが、当地においては求めうる限りでone of the best 蕎麦屋s ということになりましょう。
ご主人は多分40代、八王子の車屋さんで修行された由。自家製粉で神経の行き届いた細打ちです。温蕎麦にすると二八の素性のよさが分かります。
二八と田舎十割があり、後者は限定品ですので早いときには午後2時前に売り切れとなることがあります。
当地に来られたらお薦めしたいお店です。
(ユカさん、長々と失礼しました!)
以前サイクリングで前を通って気になっていたんです。
駅からちょっとありそうだから、海ほたる通って、道の駅に車置いてポタリングしながら行くかな、、、
*yuka 様
またコメント欄を掲示板がわりにしてしまいすみません。m(_ _)m
お酒を頂くには、なんともうれしい一皿。
楽しみました。
五日市の喜正、初めて頂いたのですが、かなり気に入りました。やわらかい感じの辛口のお酒ですねぇ。
館山・・・、
海ほたるを通って、行きたいです~。
この雰囲気、
本当に、心から寛いでしまえます。。
ぜひっ、リベンジを♪
3種どころか7種じゃないですか!!
秋川の「喜正」、あの純朴な味わい、どこか日向臭い香りがして・・・当店で出されるからには、それなりの評価を得たのでしょう。
私的には多摩の酒らしくて大好きですよ!
「あづまみね」・・・あの力強い生酒に打ちのめされてみたい・・・
え?あ?蕎麦のハナシはどしたかい?
そ~ですねえ・・・(絶句)
館山の「たちばな」さんで、田舎十割をお試しください・・・(ってことで、失礼しました)
至福の時間を味わって2300円なら安いかも!?
前回行った時は中休みになってしまったのでリベンジしようっと!
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