となったら・・、いてもたってもいられない気持ちで、花活けの仕事をすますと、いそいそと小田急線に乗り込んでしまう。
喜多見の駅も又、新しくきれいになっていることに驚きながら、駅から伸びる住宅街への路地に入り込む。

人通りさえもまばらな、のどかな住宅街の中。
その奥の奥へ・・と、ひたすら歩みを進めると、いつしか目の先に、緑のはためく旗が目に入る。
「新そば打ち始めました・・・」。
そしてそのはす向かいには、住宅街に溶け込んだしっとりと落ち着いた風情の、一軒家屋作りのお店が静かに佇む。

喜多見 「自家製粉 手打ち十割そば 志美津や」
考えてみたら、本当に久しぶり・・・

中休みのないお店だから・・・、と、ゆっくり向かった午後1時もとうに過ぎた昼下がり。変わらぬ、清楚で清潔なこざっぱりとした店内には、何組かのお客さんが静かに憩ってる。
私も開いていたテーブル席に腰を下ろし、涼しくなったとは言え、小春日和のような日差しの中を歩いてきたので、ほっと一心地。
懐かしい覚えのある女将さんが、お茶を出してくださり置かれていた品書きを広げると・・・、
本当だ・・・。
以前は、「十割そば」と「田舎そば」の二種しかなかったお蕎麦に、「粗挽き」「さらしな」が加わっている・・・!しかも、それに加えてこの時期だからか、新蕎麦で打った「微粉」と「粗挽き」の二種盛りまで・・・
逸る気持ちを抑えながら、まずはお酒を頂こう・・と、いくつか並ぶお酒の中から、「呑み切り厳選」の文字に惹かれて選んだ、石巻のお酒、「獅子の里」を。
やわらかな香りのすっきりとしたお酒は、私好み 。突き出しには、昆布と椎茸がほっこり煮込まれた佃煮が出される。
それでは・・と、改めて、今日の目的のもう一つ。、「季節の品書き」に出ている「牡蠣の天ぷら」。「牡蠣天せいろ」のお蕎麦を二色そばにしてもいいですか?とお聞きすると、「できますよ 」とのことなので、それをお願いし、まずは牡蠣の天ぷらを先に頂くことに。
・・・と、お酒を頂こうとしていたら、思いがけないお方にばったりっっ。
すっごい偶然~とばかりに、ひと時の談笑の時間まで・・・
などとしている間に、目の前に置かれた「牡蠣の天ぷら」。
シシトウにナスが添えられ、素のままに揚げられた牡蠣がふたつに、さらに、紫蘇巻きにして揚げられた牡蠣の天ぷらがさらに二つの豪華版。
たまらなく被りついたら、もう~・・・ たまらな~い。
カラリとした衣に包まった牡蠣から、したたり落ちる程の牡蠣のエキスがじゅわ~っと口中に広がる。
そのままの牡蠣に、紫蘇に包まり風味の加わった牡蠣の天ぷらに・・・と、もう、うっとりしてしまうような旨さにクラクラ。牡蠣好きにはたまらない一品。
食べつくしてしまうのが惜しいくらいの牡蠣の天ぷらを十分に楽しみ・・・、さてさて、お蕎麦を。
程なくして出された蕎麦は、大ぶりの陶器の器に二つの山に盛られて出される。見た目でもその違いがくっきりと分かる、見るからに粗挽きの蕎麦に、しゃきっとした細身の微粉の蕎麦。
まずは、微粉のお蕎麦から。手繰り寄せると、非常に濃い草の香り。まるで北海道の牧場にいるかのような錯覚を思わせるような、青々とした香りにはっとする。
口に含むと、しっとりとした腰加減。かみ締めると、これも又、爽やかな穀物の風味が広がり、その後からくる甘みがとても強い。塩を少々つけて頂くとこれが鮮明で、新蕎麦でありながらこの甘みはすごい・・・
そして、これぞ楽しみにしていた「粗挽き蕎麦」。微粉の蕎麦に比べて気持ち太めの蕎麦の表面には、びっしりと蕎麦の粒が浮かぶ。
手繰り寄せると、これが・・、同じ新蕎麦でありながら、まったく異なる香ばしい香り。ついつい、うっとり してしまいながら、口に運ぶと、しっとりとしなやかな腰に、かみ締めると広がる、穀物の深みを感じる香ばしい風味が実に豊か。お、美味しい~っ・・・
ついつい、汁の存在を忘れて頂いていると・・・、ご主人がにこにこしながら、去年ものの粗挽きまで、「比べてみて」と出して下さるではないの♪
これが又すごい!新そばの先ほどの蕎麦に比べて、熟成されたコクと奥の深さが感じられる。いやぁ~・・・、こちらの粗挽きを頂くのは初めてだけど、これはいい!こんなことなら・・、もっと早く来ればよかった~、と惜しまれてしまう程。
いやぁ~・・、心から堪能した思い。
頃合見て出されたしっかりと白濁した、熱々の蕎麦湯を注ぎいれ、至福のひと時を充分に味わう。
中休みのない気兼ねなさも心地よく、その後しばしご主人との会話が、さらにかけがいのないひと時。以前訪れた時と、あまりの印象の違いに、とてつもない喜びに充実感・・・。
来てよかったなぁ~。
ご主人、本当にご馳走さまでした~
これは、ちょくちょくっと訪れさせて頂きたい。
特に牡蠣のある間に、是非とも又♪。それと・・・「温泉卵せいろ」も、気になるなぁ
帰りの電車の揺れが、又心地よくて~・・・
*お品書き
牡蠣天せいろ 1,400円、せいろ、田舎、粗挽き、さらしな 800円、二色 900円、かさねせいろ 1,250円、温泉たまごせいろ 1,000円、けんちんそば 1,200円、きのこそば 1,400円、きのこせいろ 1,400円など
(ランチ)蕎麦、ミニ天丼orそぼろご飯、小鉢 1,260円
三種盛り 400円、蕎麦豆腐 350円、蕎麦味噌 350円、板わさ 550円、鴨たたき 650円、そばがき 750円などなど・・・
秋桜 吟醸ひやおろし、点晴龍、獅子の里 呑み切り厳選、 650円~750円
自家製粉 手打ち十割そば
「志実津や」
狛江市東野川4-13-5
03-3489-0381
11:30~20;30
毎月6日・16日・26日原則
禁煙 P有り お店のHP
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初めてお話させて頂いたご主人との時間、とてもとても楽しかったです(^^)。
お蕎麦にもとても熱心だし、お酒もお好きなようだし~♪
通路側の一番奥・・と、いう、と・・?
ええっと、小さなテーブル席のことかしら~?
私も久しぶりに訪れて、蕎麦がガラリと変わっていて驚いていたところです。
こちらの、粗挽き、とてもいいですよ♪
又、足しげく訪れたくなってしまいました。
カーターさん、
今度、ご主人に聞いてみようっと(^^)
人柄の良いご主人でしょう♪お蕎麦の話大好きな人・・・
平日の2時5時が静かで落ち着けますよね、
道路側の一番奥の席だとyukaさんが来たと直ぐに判る筈です。
楽しいお話が出来て、よかったあ~
yukaさんも過去の記事に書いていましたが、なんで某大統領はここを選んだのでしょうね?
その後ホワイトハウスにメールしました?(^^)
→ yuka (01/20)
→ yuka (01/20)
→ 多摩市民 (01/19)
→ yuka (01/10)
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