ならば是非一度、訪れてみなくちゃ…と、ずっと思っていて・・・。
午前中の所用をそそくさと済ませ、友人に付き合ってもらいやっと訪れることが

立石の駅で待ち合わせ、右側の階段を降りると、すぐに寄り道したくなってしまうような魅力的な(美味しいそうな)お店が連なる。空腹時にはたまらない~・・・と、後ろ髪を引かれつつ、目指すお店へと。

アーケードを抜け奥戸街道を歩くと程なく、通り沿いに大きな白抜きの文字で書かれた暖簾が目に入る。「江戸東京そばの会」の立派な看板も立てかけら、ここなんだ、としみじみ眺めてしまう。
が、入り口はさっぱりとしたシンプル?な感じ。このビル全部がそうらしくエレベーターで2階へと…
京成立石 「手打そば 玄庵」
エレベーターを降りた先は、一転して落ち着いた郷土館のようなしっとりとした空気が流れてる。
目の前にはどっしりとした骨董の古箪笥が置かれ、横には「蕎麦資料展示」なるものも。
案内され客室へと足を踏み入れると、これがなんとも素敵な空間。広々とした板間の部屋は、タイムスリップしたような古き良き情緒たっぷりで、アンティークの家具やテーブルがゆったりと置かれている。
個室や、堀ごたつの部屋などもあり、店内はかなり広い。
窓際に置かれた4人がけの丸テーブルに腰を下ろすと、形の良さだけでなく、座り心地もとてもいい。
お絞りが出され、品書きを広げて、まずは今日の暑さで喉を潤いたくて生ビールをお願いする。
充てに出されたたっぷりの揚げ蕎麦は、軽めの口当たりで塩加減もよくなかなか美味しい揚げ蕎麦。
ぽりぽりとかじりながら品書きをめくると、こんな格式(?)のあるお蕎麦やさんであるにもかかわらず、とてもリーズナブル。やっぱり場所柄なのかな…。これはうれしい、と、「そば屋の出し巻き」に「野菜の天ぷら」をお願いする。
程なくして出された「玉子焼き」は、ほわっと湯気が立ち丁寧に渦巻きに焼かれたもの。蕎麦汁で溶かれて作られたもので、ほんのりと甘みのあるジューシーな仕上り。
「野菜の天ぷら」には、ちゃんと二人分の天つゆが出され、しめじにナス、アスパラ、かぼちゃ、サツマイモの天ぷら。薄めの衣でカラリと揚げられいてこれも美味しい。ふにゃりとなりがちなシメジも中までサクサクとして瑞々しさも残され、かぼちゃのふわりとした甘みがしみじみとさせられる。
…となったら、ちょっとお酒も頂きたくて「影虎」を一合。こちらは片口の器に出され、お猪口はいくつかの中から選ばせて頂ける。
しかもうれしいことに、お酒を頼んだら、又別に、充てにと蕎麦味噌まで
ねっとりとした甘めの蕎麦味噌には、珍しくジャコが練りこまれてる。これがいい歯ごたえに、風味を出していてこの蕎麦味噌はいいなぁ~。
これでしばしゆっくりやっていると、周りのお客さんは既に帰られ、なんっとこの空間を我々二人で独り占め。贅沢だなぁ~と思いながらも、そろそろお昼の時間も終わりつつあるので、我々もお蕎麦をお願いすることに。
ランチタイムには、天ぷらの付いたお蕎麦などが割安で頂けるセットもあったけど、是非、こちらの「粗挽き蕎麦」が食べたかったので私はそれをお願いすることに。
丁寧に説明して頂けたこの粗挽きは、外皮までも弾きこんで打った外イチとのこと。挽きぐるみの黒めの蕎麦で、説明通り豪華に蕎麦の欠片が表面をびっしりと覆う。「若干太めですが」とのことだったが、この位の太さはむしろ好みのもの。
手繰り寄せると、ふわりと蕎麦の香りが漂う。口に含むとしっとりとした腰が心地よく、喉元あたりでややざらりとした感覚を残して落ちていく。これだけの粗挽きは久しぶりなのでこれはうれしい。しかも噛み締めるとしっかりと蕎麦の風味が広がり、これは塩でもちょっと食べてみたい気持ちも。蕎麦汁はやや甘めのすっきりとしたもの。薬味のネギと大根おろしも非常に丁寧。
一方友人は、「かけそば」を。
きれいに川の字に浮かんだ蕎麦には、透明感のある汁が貼られ盛り付けも上品。
一口もらって飲んでみるかけ汁は、鰹の風味の薫るややしっかりめの汁。熱々でこれもいいなあ。
頃合を見て出される蕎麦湯は、さらさらとしつつも優しく白濁したもの。頂きながらふっと前を見ると、向かい側の奥の部屋では何人かの生徒さん?が蕎麦打ちを始めてる…。
真剣な姿を見るのはやっぱり気持ちがいいなぁ~
この中からも又、お蕎麦やさんになる人がいるんだろうな、などと思いつつしばし見入ってしまいながら、お勘定を。
帰り際に顔を出して下さった女将さん?は、あったかい感じの奥様。念願の「玄庵」のすごろくを頂きたくてお聞きしたら、今はやめてしまったとのこと。「いくつか行かれたんですか?」と聞かれ、いくつか好きなお店の名前などを口にすると、「その辺りでしたら…」とあそこもここもと、すらすらといくつかのお店の名前を延べ、そこも是非よろしくお願いしますね と…。
心の温かさのようなものを感じ、ちょっとじわっとしてしまいそう。
「わざわざ遠い所からありがとうございました」と丁寧に仰って頂き、気持ちよくお店を後に…。
ご馳走様でした~ うんうん、来てみてよかったなあ。
*お品書き
せいろ 700円、十割 850円、粗挽き 900円、おろし蕎麦江戸 850円、おろし蕎麦浅草 950円、天せいろ 1,600円、つけとろ 1,100円、鴨つくねせいろ 1,150円、鴨せいろ 1,600円、かけ 700円、山かけ 1,100円など(ランチ900円~1,000円)
鴨焼き 850円、鴨ステーキ 900円、そば屋の玉子焼き 500円、鴨つくね串 400円、里芋の煮付け 400円、野菜天ぷら 400円、天麩羅盛り合わせ 900円、かき揚げ 600円、茄子揚げ 300円、じゃこおろし 300円、豆腐 250円など
生ビール 550円、浦霞、影虎、久保田千寿、天狗舞、神亀ひこ孫、〆張鶴、真澄、八海山 500円~950円
「手打そば 玄庵」
葛飾区東立石3-24-8
03-3694-1241
11:30~15:00 / 17:00~20:00
火曜定休(祭日営業)
P8台
お店のHP
帰りにちょいっと寄り道~
Iさん、お付き合いありがとうです
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ぜひ、ぜひ、
来年に・・・。
よろしくお願い致します。
<総本山。
双六が終わってしまっていたのは残念だったけど、本当に行ってよかったです。
もっと近ければ・・、ですよね、我々の立場だと。
真っ先に、tatenon様に報告したかったので、とてもうれしいです♪
その風情で、一杯~・・なんてやってみたかったです!
兎月さん・・、
ううむ、これも気になってきちゃってます(^^;
こちら、以前は中休みナシだったんですか。ぜひぜひ、その時にでも訪れたかったです!
とはいえ、とてもいい時間をすごせました。
と、加えて、いい町ですね~~~(^^)
すっかり立石ファンになりそうです。
住みたいなぁ・・・
玄庵は今のお店になる前も見せたかったな・・ あれ、・・・絶対に・・・ 変っ!!!
ガランとした蛍光灯が白々と輝く店内、輸入家具が雑然と置かれ、その片隅にテーブル・・・ そのすぐ隣では仕切りも無く打ち台が何台か置かれ、そこで蕎麦打ち教室をやっていたのですよ!?
本~~当に、変!!
今一度、あの変な所で食べてみたいな。
「ほしの」さんの時に初カキコしただけのsinoですが、いつも楽しく拝見しております。
おお、やっと私の定番のお店が出た~!
元は家具屋さんだった「玄庵」すばらしい家具が揃ってますよね~。以前は中休みがなかったので、のんびり昼酒をするのが楽しみでした。
今は仕事時間の都合であまり行ってなかったのですが、また行きたくなりました・・・むずむず・・・。
至福、至福♪
是非、今度、案内して下さい。
寄り道のお店で、初心者の私たちに、いろいろいろいろ教えてくださった、隣り合わせた見知らぬお兄さん、本当にありがとうございました・・。
の、助けで、とっても楽しんできました~。
しかも、帰りにはお惣菜のお土産まで買えて、立石大好きになってます(^^)
声かけて下さいよ
玄庵もだし、後の一軒も・・・
凄ゲ~~~ッ、& たまに私もやるツア~
でも、私の場合は、もうチョットその前後に足し算が有るかも知れませんが・・・
帰り道は幸せな尚でしたか? 連れが居ないときつかったかもしれませんね。
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