ならば…と、兼ねてから是非一度行ってみたいと思っていたお店に行こう♪と。
昼下がりの午後、今日は又夏を思わせる強い日差し。お腹もすいちゃったし、と軟弱だけどタクシーを拾ってしまう。行き先を告げ、ほぼワンメーター程で止められた先は、まったくの住宅街の路地の中。入り口にふっとさりげなく掲げられた看板は涼しげに蕎麦の文字。
知っていなくては通り過ぎてしまうであろう、一軒の民家は木々で覆われさりげなく佇む。

浦和 「手打そば 土合 やぶ」

打ち水をされた玄関へと続く敷石の両脇には、涼しげに草木が生い茂る。
蹲などが置かれたそのアプローチを歩くだけで、暑さもすっと引くような風情がなんともいえない。

紺地の暖簾がさりげなくかけられらた扉は、シンプルな白木の日本家屋のもの。
扉でさえ上品な気品をどことなく醸し出しているかのよう…。
ほおっと、一息入れて扉を。。
扉を開くと、ゆったりとした玄関の目の前にはたくさんの地酒のケースが姿よく積み重ねられている。
おおっ、これはすごい~…と、感心しつつ、靴を脱いで、左手のお座敷の部屋へ案内される。
障子を開けて踏み入れた空間が何ともいい風情 。
ふた間続きの和室には、立派な床の間がしつらえ、これも立派なテーブルがゆったりと配されている。
午後2時になろうとする昼下がり。他に先客もなく、贅沢にもこの空間を我々で独り占め
窓に面したテーブル席に腰を下ろすと、新緑が目に爽やかな、手入れの行き届いたお庭が眺められる。
いい風情だな~…。
と、まずは喉を潤したくてビールをお願いする。
くい~っと頂くビールがなんって美味しいっ。
それと…、せっかくのこの風情。ゆっくりさせて頂いちゃおうと広げる品書きは、筆書きのもの。楽しめそうなメニューが揃っている中で頼んだ品々。
やっぱり基本でしょ~の「玉子焼き」は、甘さを控えた上品な出汁巻き。熱々でふわりとした玉子焼きは日本酒に良さそうな味付けのもの。
なぜ??と不思議だけどあった「ソーセージ」は友人の希望で。これが、骨付きの本格的なソーセージでちょっとびっくり。でも、これがビールに合う♪
それじゃ、そろそろお酒を…、
と、花番さんにお酒のリストをお願いしようとすると、好みをおっしゃってくださればお出し致します、とのこと。
お酒に関しては頼もしい友人が好みを申し付けて出して頂いたのは、「菊姫」の山廃純米」。
骨董のような徳利が又なんとも味わい深い。
続いて…頼んだ品々がゆっくりと出される。
品書きの文字を目にしたら、頼まずにはおれなかった「タラコ」。これは、まあ普通に美味しいタラコかな~。でも、日本酒にはもってこい。
品書きにはなかったけど、お聞きしたら「ありますよ」と、出してくださった「お新香盛り合わせ」。おおよそ自家製であろう糠で漬けられたお新香で盛り付けも美しく、どれもがとても美味しい。甘みのないさっぱりとしたラッキョウに、瑞々しい素材の良さを感じさせる、大根にきゅうり。納得のいく一品。
お酒をさらにお変わりして、「かしわ焼き」。
照り焼き風味に焼かれたかしわ肉は、ふわりと身が柔らかく、しっかりと味が染み込みこれも旨い。いわゆる蕎麦屋の焼き鳥とは又違ってこれもいい。
〆には、楽しみにしていた「もりそば」を。
噂には聞いていたけど、本当に細い!
顔を寄せると、ふわりとした蕎麦の風味がゆっくりと漂う。
手繰り寄せ、口に含むと水のヴェールを覆ったような瑞々しさが先ず舌に感じ、細切りにもかかわらず心地いいたおやかな腰が感じられる。
よくよく見つめるこの細い一本一本には、綿密に盛り込まれた蕎麦の粒。粗引きながらの風味と穀物の優しい甘みを感じさせ、するりと落ちる喉越しのよさ。これだけ細いとダマになったりすることがままあるのだが、終始きれいにたぐり食べられるのもうれしい。
ここまで細いにもかかわらず、物足りなさを感じさせないのもすごいなぁ…。汁は甘辛のバランスの取れたすっきりとした辛汁で、蕎麦とのからまりも申し分ない。
すっきりとしたやや白濁した蕎麦湯で割って頂くと、すっかり大満足~
何度か訪れた事のある友人は、今回は、と「卵とじそば」。
お手本のような卵に、厚く切られたかまぼこにたっぷりの海苔が乗せられて。
しっかりとしたやや濃い目の汁に、これまた細切りの蕎麦が妙にいい感じ。
しかも…、ランチのサービスとか言う「炊き込みご飯」まで♪
やや固めのご飯に、ほどよい味付けの炊き込みご飯には、具がたっぷりでこれも美味しい~。
大根の額づけが添えられているのもまたうれしい配慮。
いや~…、すっかりお腹いっぱい
優しい笑顔で対応してくださる花番さん(娘さんかな?)や、女将さんもとても気持ちよく、すっかり気分のいいひと時。
静かでゆったりとしたこのお座敷でたっぷりと憩え、すっかり話し込んでしまった楽しい昼下がり。
このところ、ちょっと沈み気味な気持ちだったけど、なんだか気分まですっきりと…
こういう場所で、こうしたゆっくりとした時間をすごせる…、何よりもの贅沢だと思ってしまう。
本当にいいお店でした。
娘さん、女将さん、本当にご馳走様でした 。
ほおっとぼんやりとしたくなったら訪れたくなってしまうだろうお店。
ちょっとした、息抜きにいい一日だったなぁ。
さあて帰りは、ぼちぼち散歩がてらに駅まで…。
*お品書き
もり、かけ 700円、天ざるそば 時価、山かけ、とろろ、なめこ、山菜 1,050円、ちからうどん、カレーうどん 930円、辛味おろし 1,000円、とじそば 950円、鴨じる 1,350円、
板わさ 550円、山菜 1,350円、里の香り 440円、卵やき 370円、みそ田楽 550円、柏焼き 730円、鴨くんせい 730円、茶碗蒸し 630円、ソーセージ400円、など…
ビール 630円~、日本酒各種?
手打そばうどん 「土合 やぶ」
さいたま市南区白幡2-18-21
048-862-1602 & 4848
11:30~21:00
火曜定休
P2~3台
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早速訂正しておきます。
どうやらケニー様と、同じテーブルに座ったようですよ。
私たちは二人だったからか、少なめのことは知らなかったのですが、そういう配慮もして頂けるんですね・・。
ますます、気兼ねなく一人でも伺いたくなってしまいました。
>哲学堂公園そば
まあ(^^)。いつかどこかでお会いできそうです♪
入って左側の部屋、床の間の前に案内され、障子を開けてくれましたので、爽やかな緑が目にやさしかった。
こちらで、かしわ焼きと玉子焼きを拝見していましたので、両方オーダーしたところ、普通サイズにしますか、少なめにしますかとの配慮あるお言葉。少な目をオーダーして、〆にはもり蕎麦。十二分に納得です。
あいにく車だったので、日本酒が飲めず涙でした。
こちらのブログを見て行かれる方の為に、ちょっと訂正です:
住所は「白梅」ではなく「白幡(しらはた)」です。それから電話番号も、048-862-1602 & 4848です。
今は哲学堂公園のそばに住んでいますので、「じゆうさん」も「火群」も近くです。もしかしての邂逅があるかもしれませんね。
んー、やっぱり蒟蒻がいいんですね。
食べればよかった~っ。
また、ゆっくりしに行った時には、ぜひ、食べてみますっ(^^)
ご夫妻の人柄いいですよね、出汁巻きも美味しかったし♪
とてもいい時間で・・・。
takahiroさんのブログも拝見させて頂きました。お写真美しい!
ぜひ、刺身こんにゃくも食べてみたくなっちゃいました。
いろいろな埼玉のお蕎麦屋さん、参考にさせて頂きます。
コメント、ありがとうございました。
もう、とても寛げるいい風情ですよね。
駅からはちょっと歩けど、又まったりとしてみたいです。
ソーセージ、期待してなかった(笑)のですが、これが美味しかったです!
今度うかがった時には、ぜひ手作りのこんにゃくも頂いてみたいです。
ほかに客がいるときは、衝立を用意してくれたり、さりげなく気遣いをしてくれるのがうれしいですね。
蕎麦や料理が美味しいのはもちろん、器や盛り付けも美しく、味わい深いお店です。
僕は一人だったから、あまりたくさん
食べれなかったです。
自家製のコンニャクがよかったです。
後は蕎麦掻やら、てんぷらなど。
車だったの酒が呑めず
残念でした。
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