なんとなく一日ど~んとした気持ちになってしまい、今日はどーしてもっっ、美味しいお蕎麦が食べたいっ
と、思っていたのもあり、花活けの仕事を終わらせ、一休みしていたら、咄嗟に「そうだっ、亀有へ行こうっ!」と思い立ち、向かってしまった。
・・・覚えてる、覚えてる。
一度しか訪れたことがないけど、街の様子も、お店へと続くこの道も。
そうそうコンビニエンスが見えてきて・・・、そのはす向かい。この、風変わりなお店 。
あれから、もう一度訪れたいとずっと思い続けていたお店。
亀有 「吟八亭 やざ和」
あいかわらずユニークな、蕎麦屋には決して見えない遊び心の見え隠れする店構え。
それはそうと・・・
これは一体何なんだ 。
入り口横に鎮座する・・・
「真実の口」????
暖簾の奥の階段を上り、2階にある店内へ。お昼調度のお店は、先客が2組ほど。
木の暖かさがゆったりと漂う、のんびりとした空気は、気兼ねせずゆったりとさせられる。
今日は、空いていた入り口近くの窓際の席を選び、アルバムのようなずっしりとした品がきを開く。
とは言え、開く前から頼みたいのは決まってる
前回訪れた時から、今度来たら絶対頼んでみたいな・・・、と思っていた、そば味噌、豆腐、鰊煮、それに冷酒、そしてせいろそばまで付いた、ゴールデンセット「吟ほろろ」。
お茶を入れてくださった女将さんに、「吟ほろろ」の「せいろ」を前回いたく感動した「田舎」に替えられないか(割り増ししてでも)とお聞きすると、それはできないとのこと。
ん~・・・、でも、この「吟ほろろ」は頼んでみたい。それに、「せいろ」は食べたことがないのだし、それもいいかな、とお願いする。
ぼんやりと窓の外などを見つめながら待つと、しばしして目の前にお盆に載せられて出されたのが、とっても上品な品々
数の子がたっぷりの「山海漬け」に、「肴三点」、片口の器に冷酒が美しく配置される。
蕎麦の実が混ぜ込められた、とろっとした甘めの「蕎麦味噌」に、塩で食べる固めの豆腐は、大豆の旨味がしっかり。そして、ほろほろっとこぼれるように柔らか~く炊かれた鰊煮は、こってりとしてたまらない。いやあ、どれもこれもお酒にうれしいものばかり
「山海漬け」も数の子がたっぷりで、これまたうれしい一品。
軽やかでふわりとしたお酒も美味しく、お聞きすると「磯自慢」とのこと。いやあ、このセットはいいなあ・・・
これをちびちびと、うれしくゆっくりやっていると、ふとご主人が出てきて下さり、お話などまで・・・
愛くるしいくりくりとした目のご主人は、まるで少年のような方で、話し好きなとても気さくな方。人懐っこく、誰もが好きになってしまうような魅力のあふれたお人柄。
見ていると、常連さが訪れる度には顔を出して、いろいろとお話などなさっていて、ああ、このご主人のお人柄がこのお店の空気なんだな~、などと思わせる。
と、ご主人がおっしゃるのには、お酒を飲み、何かを摘んだあとは、「田舎」よりむしろ「せいろ」の方がいいと思うんだ、とのこと。なるほど・・、それでこのセットは「せいろ」なのかな、なんて納得しちゃう。
すっかりお酒を頂き・・、お蕎麦をお願いすると、ご主人が再び顔を出され、
「実は、今日、お土産用の揚げ蕎麦を作るために、『唐辛子入り』の蕎麦を打ったので、よかったら食べてみない?」
とのこと。・・・ なんってうれしい♪
で、程なくして目の前に「唐辛子蕎麦」と「せいろ」の二種盛り。
珍しいのはこの「唐辛子蕎麦」、更級の蕎麦ではなく、普通のせいろの蕎麦粉に唐辛子を混ぜ、二八で打ったとのこと。そ、そんなの初めてかもっっ。
まずは、「唐辛子切り」ならぬ、「唐辛子蕎麦」から。
まずは何もつけずにそのまま・・。薄く延された蕎麦で、とてもやさしい口当たり。
・・・とっ!口に含み噛み締めると、ぱあっと、唐辛子のなんとも独特な風味がいっぱいに広がる。
これは、おもしろいっ、そして美味しい♪。蕎麦の風味に七味が加わり、悪いわけがぁないっ。それでいて、この香りがとても上品でこれは、意外や意外、飲んだ後には、一種の清涼感もあっていい。
これで、ちょっとおもしろくなったところで、お目当ての「せいろそば」。
薄いグレーの細切りの蕎麦。顔を寄せると・・、うっとりする、蕎麦の香ばしい香りが濃厚に鼻腔をくすぐる。
口に含むと、しっとりとした腰。そして、噛み締めると、香りに負けず、これも濃い深い蕎麦の風味が、途端にいっぱいに広がる。しかも、しみじみと見つめると、「せいろ」もかなりの粗挽きで、透明感のある蕎麦の粒が、一本一本に絡まっている。何もつけずに食べてしまえそうな程の風味。
だが、汁もまたいい。しっかりとした甘辛のバランスの絶妙な蕎麦汁は、それを漬けることで、さらに蕎麦の旨さを引き出すかのよう。ああ・・、「せいろ」もいいなあ。
大満足で頂いた二色の蕎麦。
そして、うれしいこちらの濃厚な蕎麦湯は、とてもとてもやさしくクリーミィ。美味しい汁を薄めつつ頂くと、もう、本当に幸せな気分に浸ってしまう。
すっかり蕎麦湯も頂いて・・・、至福のひととき 。
美味しいお蕎麦を食べれるって、本当に幸せなことだなぁ、としみじみ。
満足して、お勘定をと席を立つと、ご主人が「今度はうちの蕎麦掻も食べてみてね 」などとおっしゃって下さる。
本当に、こちらのご主人はいいなあ・・。
話しているだけで、とても楽しくなってしまいそう。
本当に、今日は、ご馳走さまでした~
これだけで、本当に幸せな気分♪
帰りの電車は、夢見ごこちでうとうとと・・・
*お品書き
吟ほろろ 2,000円、蕎麦づくし 3,000円
せいろ 850円、田舎 1,000円、おろし、とろろ、黄門、ぶっかけ、月見 1,100円、夫婦蕎麦 1,200円、飛竜頭そば 1,300円、そばがき 1,200円、
豆腐 650円、玉子焼き 850円、板わさ 800円、鴨焼き、鴨燻製、鰊煮 1,300円、
ビール 700円、燗酒 750円、地酒 1,100円など
「吟八亭 やざ和」
葛飾区亀有1-27-8
03-3690-8228
11:30~15:00 / 17:00~20:00
木曜、第3水曜定休
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この「吟ほろろ」は、私もいっぺんで気に入っちゃいました。
玉子焼き、ぜひ食べてみたい・・・。
一人だったので、ちょっと躊躇しちゃったんです。(半分で作ってくれるとうれしいんだけど・・)
いつか、是非いただいてみたいです。
田舎、やっぱりいいですよね(^^)
亀有は、反対側にも気になるお店が・・。
お近くなのが羨ましいです。
私も絶対これをいただきたくなり、昨日行ってきました~(馬でね)
このにしんもとっても美味しくて、
お昼から飲みすぎちゃいました。
たまご焼きもお願いしましたが、
きっとyukaさんも喜びそうな美味しさでしたよ!!
しかも食いしん坊なので、ふたりで
田舎を1枚、追加しちゃった(^^;
これからも、ぜひとも・・・。
エリアが違うので、とてもうれしいです。
そうですか、それは感謝です。
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
私も実は、ときどき拝見させてもらっていました(^^)
横好きさんこそ、かなりの数を訪れていらっしゃりますよね♪
私も、関西に行きたい、行きたいと、常々焦がれていて・・、参考にさせて頂きます。
これからもよろしくお願い致します。
東京の蕎麦屋さん情報を探していて、こちらに辿り着いた者です。
モノ凄い軒数を食べ歩いていらっしゃるんですね。(驚)
文章も分かり易く、読んでいて情景が浮び上がってきました。
東京方面に出掛ける時は是非、参考にさせていただきます。
んー、その光の、見たかったです~っっ。
手を入れてみたかったな・・・。
是非とも真実の光に照らされ、
その姿を見てみたかった・・。
再開しないかしら。。
「真実の口」は開店当初、手を入れると光ったんですよ!!
時が流れ、内部のセンサーが壊れ、いつの間にか光らなくなり・・
それどころか、通行人が口の中にゴミを入れる始末・・(ちなみに、私も初期の頃に頭を突っ込んだこと有ります・・・って、ゴミか・・・)
それで暫くはお蔵入りになっていました
是非とも初期のようにキッチュに光る、訪れる我々を真実の光で照してもらいたいものだ・・
うふふ、私、下町ってほんっとに大好き。
亀有もなかなかおもしろいですね~。
(帰りにぶらぶらしました)
蕎草舎さん、行ってみたいと思いつつ、反対側にやざわさんがあるとかなり意思を持たないとっっですっ。
でも、いってみます(^^)
立石には、先日遊びに行ったのですが・・・。。。
餃子や、串揚げに走ってしまい。。
下町は誘惑が多すぎます♪
(やっぱり大好きっ)
かとう、玄庵、重吉、とりい・・、
やっぱり、体があといくつか欲しいです。。
駅や、商店街のお店に
「両さんサブレ」な~んて売ってましたよ(^^)
やざわのそばは美味い。うん、間違いない。
亀有には駅の北口商店街の外れに蕎草舎ってそば屋さんがあるよ。
あと青戸にはかとうという一茶庵系のこれまた美味いそば屋さんがある。
そして立石には玄庵。綾瀬には重吉。五反野にとりい。
とまあ下町にも美味いそば屋さんは点在してます。
機会があれば行ってみるとよろし。
ではまた。
亀有かぁ
両さんに会いに行かないといけないし
是非、行って見たいものだなぁ
昨日はすっかり平日だと言うのに
飲みまくってしまった
今週はちょっと節制しないと(^^ゞ
有名になっても、気取りもない気さくなご主人。
本当に魅力的でした。
器も、盛り付けも・・
そしてお料理にお蕎麦。
すべて満足なもの。
田舎もほんっとにいいんです。
今度は、こちらのそばがきと、もう一度田舎を食べてみたいと思ってます。
いやあ、この唐辛子蕎麦はおもしろくよかったです。
たけるママさまも、こちらお好きなんですね(^^)
改めて・・・
本当にいいお店だと実感して、
満足な気持ちで帰ってきました~。
これだから、・・・やめられませんっ
ぜひ、職業の方のブログも読みたいな・・
なんて、思ってしまいました。
すっかり忘れていました、こんな素敵なお蕎麦屋さんだったのですね。
蕎麦前の器、備前ですね、蕎麦の盛り皿も中々、至る所に主人の感性が・・・・
是非伺って見たくなりました、店内の雰囲気もおそらく趣きがあるでしょう。
こんなご主人の打つ蕎麦を食べてみたい!
やざわさんで変わり蕎麦を食べれるなんて・・・。それもとても美味しそうな「唐辛子蕎麦」。写真でみるだけでもコシも、喉越しも、風味も伝わってくるお蕎麦。
羨ましい~。
yukaさんのお蕎麦を愛する気持ちがいろいろなお店で福を呼んでますね・・・。
やざわさんいいお店ですよね。
なんだかとっても行きたくなってます・・・。
職業のブログのほか、最近食べ物だけのブログを始めました。
まだ記事は少ないですが、良かったら見てください。
職業サイトも半分以上食べ物のことばかりで・・・(笑)。
そ、それは・・・、遠いですよーっっ。
でもっ、もし、もしもだったら、
お会いできていたんですよね~。
お天気の神様が意地悪したのかしら(^^;
ぜひ!っの(力強く)言っちゃうお店です。
(私にも遠いから、それが悲しい・・)
でも、なんだかだんだんaizさんと近づいてきているような・・、自転車の車輪の音がすぐそこにまで聞こえてきそうです♪
(そんなにうるさくないかぁ・・・汗)
「必ず行かねば」と思っているお店なんですが、横浜からだと遠いもんで。
一度、こちらのご主人にお会いしたい・・と思っていただけに、本当にうれしかったです!
もう・・、いっぺんで大好きになっちゃいました。
夕暮れ・・、これも行きたいです!
(ちょいっと遠いケド)
そ・れ・と・・(^^)、この唐辛子蕎麦。
んふふ~、これは、かな~り気に入ってしまいました。
タマタマではあったみたいなのですが、とてもよかったです!
本当に・・、感謝です。
ゲッ!!!!!
私、喰った事も、見た事も無い・・・
クソ~~~ッ
崎を越されたか・・
そんな物作っているの知らなかった!!
矢澤さん 凄く好きです
今だに出前蕎麦屋の心も忘れずに、でも、誰にも負けたくない。
ニューウェーブのお蕎麦屋さんとは一線を異にする素敵な蕎麦屋さんです
是非一度、黄昏時、階段を上がったあそこで石臼を回す矢澤さんを見てもらいたい。
その姿に、きっとあの方の全てがあるような気がする。
特筆すべきは、お弟子への思いやり、優しさです。
素敵な店主、素敵なお店、飛びっきり・・?じゃ無い時もあるけど、飛びっきりのお蕎麦。
私の中では、吟八さんは、心に飛びっきりです!!
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