昼もとうに過ぎた午後3時。
「いらっしゃ~い」歌うような花番さんの声に、
通されたのはお気に入りの窓際のテーブル席。
今日も暑い、「ひや」じゃなくて「冷酒」がいいな 。
冷酒は涼し気な硝子の徳利で、
青森 「津軽蔵衆」 純米酒
添えられた「胡麻昆布」をつまみつつ、
充てはやっぱり「お新香」を。
漬かり具合ぴたりの胡瓜に茄子、大根と
味のいい柴漬け、どれもきちんと美味しい。
楽しい時はもちろんだけど、
切なく悲しい気分の時も、
蕎麦屋で一人静かに飲む酒に救われながら…、
季節の蕎麦は「涼味とろろそば」。
室町砂場でとろろが頂けるのはこの時期だけ 。
頼めば程なく、置かれた御膳の涼やかさ 。
真っ白なとろろに浮かぶオクラの緑に、
愛らしく蕎麦の実が散らされ、
朱塗りの蒸篭に盛られた蕎麦は、
瑞々しくすらりと伸びた丹精な細切り。
まずはそのまま。
きりっとしたコシに、ツツっと落ちるのど越しといい、
まさに江戸の粋そのもの 。
この蕎麦を潜らせたとろろはふわっふわ。
とろろの下は、もり汁ではなく出汁が注がれ、
その中にトゥルンと浸るジュンサイ 。
これだけでも十分に美味しい上に、
山葵に生海苔、梅ペーストが添えられ、
海苔を添え磯の香りを、
山葵を添えて清涼感、
最後は梅ペーストで甘酸っぱさと、
味の移ろいを楽しんで… 、
さらりとした蕎麦湯を注ぐと、
まるで和風ポタージュのような優し~い味わい。
注ぎ注ぎ飲み干して…
ご馳走様でした~
春も夏も、秋も冬も、
「室町砂場」はやっぱりいいなあ。
秋風が吹き始めたら、又来よう 。

「室町 砂場」
中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
11:30~21:00(土~16:00)
日曜・祝日定休
禁煙
2023年 3月29日 「竹の子土佐煮」と風流雅な「桜切り」
2022年12月14日 「お新香」に感動的「とり南蛮」
2022年 1月24日 「湯葉と三つ葉の辛子和え」「おかめそば」
2020年10月10日 二階の個室座敷で「柏葉」コース
2018年 8月 7日 「お新香」じゅん菜に蕎麦の実入り「涼味とろろそば」
2018年 5月24日 「お新香」でぬる燗、「三昧そば」
2012年11月 5日 「お新香」「玉子とじそば」
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