暖簾をくぐり入ると、解放感溢れる高い天井に、
土蔵のしっぽりとした空気が体を包む、
温かむほっこりとした何とも言えない心地の良さ　。
.

骨董の屏風に、アンティークな家具に調度品、
厨房に面したすらりと伸びたカウンターに、
手前にはゆったりとしたテーブルが２卓。



迎えてくれたのは、チャーミングな笑顔のご主人。
ゆったりとしたテーブル席に通されて、
まずはビールで乾杯～ 。

以前は大井町で蕎麦居酒屋をしていたこと、
コロナを機に、奥様の故郷松本に移住してきた事等々、
あれこれお聞きしつつ…、



今宵頂くのは、要予約の「おまかせ料理」 、
まずは、前菜二品。



もちもちとろ～りの葛仕立ての「峰岡豆腐」に、



さっと散らされた胡椒の香りが絶妙、
甘み豊かな「新じゃが芋のすり流し」。



お酒にも精通しているご主人、
料理に合わせてお酒もおまかせ、
宮城　「山和」　特別純米　蔵の華60



お酒に添えられた「蕨の煮もの」が嬉しく、



「お造り」もすべてひと手間加えられたもの。
鮪と信州サーモンの返し漬けに、
金沢直送の「オニ海老」が甘～い 。



信州大岩魚の昆布〆と、どれもが美味しい 。



宮城　「乾坤一」　特別純米辛口



椀物は「蕪の白みそ仕立て」



しゃりっとした歯ごたえを残した蕪の甘みに、
柔らかくすっきりとした白味噌がしみじみと沁み、
思わず目を閉じ、はぁ～…



静岡　「喜久酔」　特別純米



焼き物は、今が旬「鰆の山椒焼き」。



ふっくらとした身の鰆は味付けもぴたり、
山椒のぴりっとした辛さに、
ふわっと広がる爽やかな香りがたまらな～い 。



秋田　「春霞」　純米生酒　赤ラベル　
　


続いて天ぷら、とまず置かれたのは、
貴重な「鮪のほほ肉の天ぷら」、
まるで牛肉のような旨味に、頬落ちそ～う 。



悶絶の鮪に続いて、山菜のオンパレード。
ウルイに似た爽やかな「アマドコロ」に、
肉厚の「ユキノシタ」の美味しいこと 、



山菜の女王、芹に似た香り弾ける「コシアブラ」、



さらに、鬼海老の頭の濃厚な旨味に再び悶絶～ 、



「丸十」はほっくりとろ～り、まるでスイーツ 。



奈良　「風の森」　総の舞857
お酒との素敵なマリアージュを楽しんで…、



いよいよ〆のお蕎麦。
以前「九つ井」で働いていたご主人、
蕎麦ももちろん手打ち 。



淡いグレーに細かなホシ散る玄挽き細切り。
きりっと〆り喉越し軽妙、すっきりとして香ばしく、
実に、飲んだ後の〆に心地いい 。



鰹出汁香る、すっきりとした辛口の汁もいい。
浸し手繰っていたら、あっという間。



ほんのり濁った蕎麦湯を注ぎ、
汁の旨さをじっくりと味わって…

ご馳走様でした～

料理も蕎麦も雰囲気もハイレベルな嬉しい新店。
「木鶏」の塙さんに大感謝。
今度は是非、宿泊もしてみたいな 。

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