昨日の冷たい雨はやみ陽ざしが戻ったけれど、
空気はキーンと冷たく肌に突き刺す、
昼を食べ逃し、すっかり疲れ果て…、
てくてくと向かったのは、室町の静かな路地裏。
ああ、来る度に見惚れる、
東京の、江戸の、誇れるこの佇まい 。
三越前 「室町砂場」
扉を開くとすぐ「いらっしゃ〜い」、花番さんの声が嬉しい。
3時を過ぎても店内はまだまだ賑わい、
にこやかに、丁寧に、通してくれたのは、
一人でも寛げる中庭に面したテーブル席。
おっ、噂では聞いていたけれど、
ホントにご飯ものも始めたのか…、
と眺めていると程なく届いた、
菊正宗の熱燗一合。
すらりとした粋な白磁の徳利に猪口、
添えられた「梅くらげ」がしみじみと旨い 。
ちびちびすすり、充てを吟味。
あー残念、「ひろうず」は11月までだった〜 。
「抜き」のメニューが、普通に品書きにある、
これが室町砂場の素晴らしさ。
でも、今日は温蕎麦を頂くつもりなので…、
充ては、やっぱりこれ「お新香」を 。
浸かり具合もぴたりの瑞々しい胡瓜に、
さっぱりとした大根のべったら風、
しば漬けも熱燗にぴたり。
なんと言っても、しゃりっとした白菜が甘く美味しい 。
一人客に、二人客、楽し気な4人連れ、
帰る客いれば、又ふらりと入ってくる、
このゆるりとした流れが何とも心地よく、
しばし、私もほっこり寛がせて頂いて…、
酒も飲み干し、そろそろお蕎麦を。
ずらりと並ぶ品書きから、
今日は来る前から決めていた、
蕎麦友のイチオシ、「とり南ばん」。
ん〜もう、盛り付けから心そそられる〜 。
早速蓮華で汁を一口。
うっわぁ〜、なんって美味しいんだろう〜 。
しっかりと広がる鶏出汁炸裂、しかも品よく、
円やかな返しに醤油がその旨みを引き立て、
これまでに食べた「とり南ばん」を抜きんでる旨さ。
こりゃもう、蓮華を離せな〜い 。
この汁をまとって蕎麦はほろりとし、
蕎麦を伝って広がる鶏出汁に再びうっとり、
暖まった蕎麦が又旨い。
幾つも盛られた鶏肉はふっくらふわふわ、
あー、これも美味しすぎるぅ〜
薬味に添えられた山葵を添えて、
これが又、旨いのなんのっ。
しゃきとろ〜の葱の甘みも言うまでもなく、
手繰る毎に笑み零れ、
掬い掬い、最後は丼に口付け、きれいに完汁〜 。
せっかく届いた湯桶、
さらりとした蕎麦湯もしっかりと頂いたら、
体の芯からほかほかと温まり…、
ご馳走様でした〜
「室町砂場」の「とり南ばん」は感動的旨さ。
この冬、いや冬とは言わず、又食べに来よう 。

「室町 砂場」
中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
11:30~21:00(土~16:00)
日曜・祝日定休
禁煙
2022年 1月24日 「湯葉と三つ葉の辛子和え」「おかめそば」
2020年10月10日 二階の個室座敷で「柏葉」コース
2018年 8月 7日 「お新香」じゅん菜に蕎麦の実入り「涼味とろろそば」
2018年 5月24日 「お新香」でぬる燗、「三昧そば」
2012年11月 5日 「お新香」「玉子とじそば」
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