雨風吹き荒れる中「あずさ」に乗り込み、
降り立った松本はからりと晴れわたり暑い程。
久しぶりの松本、久しぶりの蕎麦行脚 、
心躍りながら向かったのは、
積年の夢、ずっと伺いたくていた「野麦」さん。
辿りついたお店の前には、
13時をとうに過ぎても行列ができる、
蕎麦屋が乱立する松本の中でも、屈指の老舗店 。
松本 「御そば處 野麦」
列の後ろにつき、待つことしばし。
ようやく通された店内は、なんて落ち着くんだろう…。
陽の光遮った、しっぽりとした空気が静かにたゆたう、
テーブル4卓のみの小さな空間。
磨き込まれた木のテーブルも心地よく、
まずは、念願の「野麦」で蕎麦前 。
奥能登輪島 「千枚田」 純米酒
すっきりとした澄んだ味わいの酒が旨い。
添えられた味の染みた「椎茸煮」の、
素朴な味わいをしみじみつまみ、
蕎麦には、しゃきっとした「切干大根煮」が付き、
これだけでもう、十分な酒の充て 。
ぽつりぽつりとつまみ、静かに酒を汲む、
日常を忘れ憩う、これとないひと時に…
蕎麦は「ざるそば」のみ。
辰野町小野地区で栽培された蕎麦。
頼むとまず置かれた薬味も丁寧、
透けるような繊細な白髪葱に、
瑞々しい山葵に、大根おろしが盛られ、
続いて置かれた蕎麦は、息を飲む美しさ 。
透明感のある繊細な細切りに、
細かなホシがびっしりと散り煌めく。
手繰った先からすぅっと広がる香りに、
しっかりとしたコシに、ふわっと軽やかに喉に消え、
心に響く、清楚で無垢な外連味のない味わい 。
汁はさらっとして甘さを控え、
山葵を添え、浸した蕎麦は旨みが増し、
結構量もあるのに、するするとあっという間。
さらさらとした蕎麦湯を注ぎ、
この空間の中で、しばし余韻を噛み締めて・・
ご馳走様でした〜
積年の課題だった「野麦」さんの、
心に沁みる蕎麦を頂け、感無量〜。
幸先のいい、長野蕎麦行脚のスタート 。

「御そば打處 野麦」
長野県松本市中央2-9-11
0263-36-3753
11:30~14:00(売り切れ終)
火曜・水曜定休
禁煙
お店のHP店のHP
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