「並木藪」出身と知ってから、ずっと気になりつつも、
せっかくなら蕎麦前もしたい。
マンボーが空けるのを待ちかねた今日、
銀座での所用を済ませ、ようやくの訪問 。
入谷駅を走る昭和通りから柳通りへ、
そこから入った静かな路地沿いに、
さりげなく、ふっと下ろされた紺地の粋な暖簾 。
入谷 「ほしのま」
そろそろ2時になろうとする平日の昼下がり。
扉を開くとすぐ、温かく迎えてくれるご主人に女将さん。
開店して一年、まだ新しい店内は、
厨房を囲んだすっきりとしたカウンターに、
奥に、風流な小上がりが一卓。
先客は、天ぷらを前にした常連らしい男性一人、
「こちらにどうぞ」と、少し離れた椅子を、
女将さんに優しく勧められ…、
品書きは卓上にはなく、壁に下がった短冊品書き。
初めてのお店、少々緊張しつつも、
まずは冷酒一合に、「海老天ざる」を天先で 。
いくつかのお酒から、
お薦めされたのは、桜満開の今にぴたり、
「桜正宗」 純米酒 🌸
ほんのりと甘く、優しい味わいの酒が旨い、
と、「お酒のお通しです」と出された、
「菜の花と蛍いかのおろし和え」
茹で加減もぴたりの菜の花に、
ぷっくりとしたホタルイカが5個も盛られ、
さっとかけられた出汁といい、とても美味しい 。
嬉しくつまみ、揚げる様子を楽しく眺め、
程なく、置かれた「天ぷら」の美しさ 。
美しく天衣をまとわせた、
ブロッコリーに、滴るジューシーなズッキーニ、
パプリカはしゃくっととても甘い。
さらに、大葉で包んだ芝海老は、
ちょっと海老真丈風、すばらしく美味しい 。
海老もしっかりと身が詰まり、
ぷりっとした歯ごたえに、濃厚な甘みに顔がほころぶ 。
さすが、「並木藪」出身のご主人、
見事な天ぷらで、お酒を飲み干し、
いよいよ、お蕎麦のお声かけ 。
塗りの蒸篭に盛られた蕎麦は、
艶やかで楚々とした繊細な細切り。
箸先からふわりと漂う爽やかな香りに、
優しく程よいコシに喉越し軽やか。
汁は、「並木藪」譲りの濃いめで辛口の江戸前汁。
とは言え、出汁円やかで、
浸した蕎麦は、するすると喉に落ちていく 。
蕎麦湯は、ほのかに濁り始めた素の釜湯。
注ぎ頂く汁が美味しく、ゆっくりと頂いてると、
そっと話かけて下さったご主人が嬉しい。
並木藪で10年余り修行をし、
今はお母様と二人で切り盛り。
江戸の粋をしっかりと引き継いでいる「ほしのま」。
いいなあ、このお店。
すっかり満足な心地でお店を後に。
ご馳走様でした〜
今度は是非、かけ汁も頂いてみたい。
入谷の朝顔市、今年はやるといいなあ 。

「ほしのま」
台東区根岸4-2-4
070-5519-7397
11:30〜14:30 / 17:30〜21:00
第1、2火曜は昼のみ
木曜、第2第4水曜定休
禁煙
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