すっかり春を思わせるぽかぽか陽気に、
陽が落ちても肌に当たる風も優しい。
少しづつ春の訪れを感じる夕暮れ時、
「池之端やぶ」がなくなって久しい、
その唯一の流れをくむ「武蔵野やぶ」さん 。
西武柳沢 「武蔵野やぶそば」
今は少なくなりつつある小上がりのある、
落ち着いた蕎麦屋らしい店内で、
「いらっしゃいませ〜」と明るく迎えてくれる花番さん。
奥のテーブルに通されて、
早速開いた品書きから、
まずは、「鯉川」を冷で一合。
充ては、いくつか並ぶ料理から、
「天ぬき」の文字が嬉しくて、
咄嗟に頼んだ、「天ぬき」が美しい 。
しばし見惚れ、すすった汁の美味しい事 。
すっきりとして上品な出汁に、
ほのかに揚げ油のコクが染み、
はぁ〜、この汁だけでもう、酒が飲める。
二切れ盛られた蒲鉾はぷりっと弾力があり、
温まってすり身の風味が膨らみ、
さくさくほろほろと崩れる衣の中には、
ころんっとした柴海老が5尾、ぷりっぷりで甘く、
ほろりとした衣も旨し、
「天ぬき」ってやっぱりいいな〜 。
甘汁があんまり美味しくて、
「温かいそば」に惹かれつつつも、
まだ残っている「天ぬき」の汁を前に、
ここの海苔が美味しかったので、
江戸の粋、「ざるそば」を 。
底上げの笊に盛られた蕎麦は、
極細に近い繊細な細切り。
細くてもピシっと〆ったコシがあり、
すっと落ちる喉越しは、粋で軽妙。
この蕎麦に絡まる海苔が極上。
ほろっと蕩け豊かな磯味が蕎麦に重なり、
ここに、濃厚な汁が旨い 。
そして、これも楽しみ、
「天ぬき」の汁に浸し、「つけ天そば」を楽しみ、
あっという間に笊は空 。
しっかりと白濁した蕎麦湯を注ぎ、
池之端譲りの汁をたっぷり堪能し…
ご馳走様でした〜
後から来た青年二人は、ビールで巣ごもりそば、
お隣のご婦人は花巻きそば、
なんだかいいなあ。
ここ武蔵野の小さな町に、しっかりと江戸がある

「武蔵野 やぶそば」
西東京市柳沢6丁目4
042-468-9190
11:00~16:00 / 17:00~21:00
(土日祝日通し)
火曜休 P2台あり
2018年 3月12日 「天ぬき」「ざるそば」
2014年 5月 8日 つまみにも良し「巣ごもり」蕎麦
2013年12月 6日 「トマトサラダ」に「天ぷらそば」
2006年 7月 3日 「天ぬき」に「せいろう」
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