大手町で遅くなったお昼は、静かに疲れを癒したい、
…こんな時は老舗蕎麦屋。
通り激しい大通りから一本隔てた路地裏に、
老舗の貫禄を漂わせ、風流にすっと佇む、
このところずっと伺いたくていた「室町砂場」 。
三越前 「室町砂場」
「いらっしゃいませ~」歌うような声に迎えられ、
通された店内は、昼の混雑も過ぎ、
心地のいいゆるりとした空気。
中庭の前のテーブルに着き、
まずは「菊正宗」の熱燗一合。
添えられた「梅くらげ」をつまみつつ、
充ては「湯葉と三つ葉の辛子和え」を。
しっとりとした湯葉に三つ葉が爽やか、
和えられたお出汁がとても美味しい 。
帰る客あれば、又ふらりと入ってくる、
この和やかな人の流れに、
花番さんのもてなしの心地よさ。
ああ、やっぱりここは、いいなあ、
しばしのんびり寛ぎ疲れを癒し…、
蕎麦は密かに決めていた、
最近のプチマイブーム、「おかめそば」を 。
さすが「室町砂場」、
これまで見た中でも、ずば抜けた端正なかんばせ 。
澄んだ琥珀の汁は、
優しく柔らかく円やかな、染み入る旨さ。
この汁に浸る蕎麦は、繊細な細切り。
心地よく汁にほどけ、それでいてきりっとし、
汁と供に喉に流れる粋なのどごし。
はぁ〜、温かい蕎麦がたまらなく旨い 。
お目の蒲鉾は、上質の鈴廣の板わさ。
しっかりとした弾力に、温まって甘みが膨らみ、
薬味に添えられた山葵がこれに嬉しく、
ぷりっとした海老も、実に旨い 。
「室町砂場」のふっくらと甘い玉子焼きは言うまでもなく、
椎茸はどんこ干ではなく、生椎茸のさっと煮、
椎茸そのもののの出汁を味わえ、
具の下には海苔まで敷かれ、
最後は花巻き風も味わえと、
実に満足度の高い一杯。
一滴残せず飲み干し、
添えられた蕎麦湯を最後に頂き…
ご馳走様でした~
さすが江戸老舗の「室町砂場」
改めてその良さを、ひしひしと感じた午後のひと時。
又来よう、ここの種物も制覇したくなっちゃうなあ 。

「室町 砂場」
中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
11:30~21:00(土~16:00)
日曜・祝日定休
禁煙
2020年10月10日 二階の個室座敷で「柏葉」コース
2018年 8月 7日 「お新香」じゅん菜に蕎麦の実入り「涼味とろろそば」
2018年 5月24日 「お新香」でぬる燗、「三昧そば」
2012年11月 5日 「お新香」「玉子とじそば」
- 関連記事
-
- 築地 「文化人」 珠玉の宝石ぷちっぷちっの「いくらそば」 (2022/10/26)
- 茅場町 「茅場町長寿庵」 小海老かき揚げばら天せいろ (2022/06/20)
- 月島 「矢もり」 「初夏の宵の蕎麦会席」大星「あられ蕎麦」 (2022/05/24)
- 銀座 「よし田」 雨に降られて名物「コロッケそば」 (2022/05/16)
- 築地 「築地 布恒更科」 豪華な「冷やしたぬきそば」 (2022/04/27)
- (番外)築地 「さらしなの里」 玉子の羽衣「かき玉うどん」 (2022/01/26)
- 築地 「文化人」 鴨肉がっつりぞろりぞろりの「ぞろりこそば」 (2022/01/26)
- 三越前 「室町砂場」 美しきかんばせ「おかめそば」 (2022/01/24)
- 銀座 「箱根暁庵」 翁ゆずりの清爽で粋な蕎麦 (2021/12/20)
- 築地 「さらしなの里」 鶏つくね入り「おかめそば」 (2021/10/27)
- 銀座 「泰明庵 」 昭和の薫りに包まれて「芹かしわせいろ」 (2021/10/25)
- 銀座 「笑笑庵」 粋な「せいろ」に「半熟卵の天ぷら」 (2021/09/27)
- 銀座 「明月庵 銀座 田中屋」 ふわっふわの「とろろそば」 (2021/08/30)
- 築地 「文化人」 至福の一杯 輝く黄金の「雲丹の冷かけ」 (2021/08/04)
- 築地 「築地 布恒更科」 猛暑には「鯵の冷汁そば」 (2021/07/26)
→ yuka (11/25)
→ yuka (11/25)
→ yuka (11/25)
→ トマさん (11/20)
→ chameleon-arms (11/19)